Today's agenda

通勤ローディ、たまにホビーレース

ドーピングの行く末は・・・

2013-07-29 08:03:38 | レース観戦
「ピラータ、スーパーマリオのドーピング発覚」。

衝撃的な記事ですが、故人までも対象に入れちゃうのは、どうなんでしょう?

UCIの、「俺たちは、昔は検知出来なかったズルでも、今なら吊るし上げることができんだぜ!これで、クリーンな競技だ!」との荒い鼻息とは裏腹に、墓をも掘り返すような検査には、もはやファンはドン引きです。

一般人からも「やっぱりな」的な反応をされ、ロードレースのステータスは地に落とされつつあります。


こんな発表で、誰が得をするのか?


UCIは、「これで、ドーパーは一掃できるでしょ?」なんて気でいるかもしれませんが、とてもそんな気がしないのです。

既に、薬によって、選手のパフォーマンスを著しく向上できる事は、証明されてします。

もともと、ドーピングの禁止薬物もサプリメントも、医療の世界からの要求である「元気じゃない人を、元気にする」薬。
EPOだって、ステロイドだって、この薬のお陰で助かった人は多く(私のその一人です)、100%の善意から生まれた薬です。

ロードレースは、著しく体に負担を掛け、体力を消耗するスポーツです。
ステージレースで消耗しきった体と、病気で弱っている体は、どちらも、回復させるとの目的は同じです。

更に、体は常に異物を嫌います。
摂取後、体にとって異物とならないモノ、つまり、もともと体にあるモノに変わるのが、医学にとっても、望ましい薬なのでしょう。

つまり、学術的には、薬学、医学の進化と共に、ドーピング学(?)も進化してしまいます。
また、倫理面でも、体にもともとある成分、そしてそれは、検知出来ない成分に変わる薬であれば、それは、「安全なサプリメント」と定義できるのかもしれません。


残念な事に、崇高な医療の目的で、さらに強力で検知不可能なドーピング薬が、自然と開発される。皮肉なもんです。

少しでも効果があるものには、大きなお金が動くのが、トッププロの世界です。ホビーレーサーでも、いい薬があれば、使いたくなるでしょう。
平たく言えば、これからも新たな「安全なサプリメント」の開発し続けられるでしょう。


例えば、チームSKY。クリーンなチームを謳ってますが、何がクリーンなんでしょうか?
あれだけ、人・物・金に糸目を付けないチームですから、そして、空力の良いウェアの開発にまで手が回るチームですから、言ってはいけない事をあえて言いますが、「安全なサプリメント」の開発にも手がけているのでは・・・なんて勘ぐってしまいます?

また、お金のあるチームも、逆にないチームも、ドーピングとの飛び道具を求めてしまうのは、残念なことです。


要は、やっぱり、UCIの取り締まりの強化だけでは、限界がある・・・というよりは、より状況は悪化するかもしれません。
つまり、「取り締まり難易度が高いドーピング=安全なサプリメント」だけが横行する世界になるやもしれません。


タイラー・ハミルトンの本を読んだからかもしれませんが、今のツールを見てて、未だに違和感を覚えてしまうんです。
毎晩がっついて、ツールを見てましたが、まだ、無邪気にツールを見る気にはなれません。


プロロードレースのありかたを含めた、抜本的な改革が必要なのではないでしょうか?



今日はここまで


Recon jet

2013-07-18 09:10:51 | その他部品調査
グーグルグラスなんて、話題になっていますが、サイクリストなら考えちゃうのが、「あれ、自転車用のサングラスに取り付けられない?」ってこと。

ありました。こちら


「Recon jet」という、ヘッドアップディスプレイ。
その画面には、こんな絵が出せるようです。


サイコンの画面と同じですね。
ただ、スマホと同じ機能も持っているので、音声会話や、チャットなど、コミュニケーションツールとしても使えるようです。

例えば、

チーム監督:(チャットモードで)3km先で横風がアリとの情報入手。各員、前方に上がり、集団を分裂させること

チーム員:(他チームに知られたくないので、そっとOKボタンを押す)

とか、

選手A:(音声モードで)アタックがかかった。俺が潰す!

選手B:お前は、足温存だ。俺が潰しに行く!

監督:奴は独走力のある選手だ。二人で行け!絶対に逃がすな!

とか、臨機応変な戦術や、現場レベルでの対応の早さなどのメリットが生まれるかも。

また、選手のパワーと心拍が、監督の元で一元管理できるので、心置きなく、選手を使い倒すことができますね。
選手は手を抜けないので、大変ですが…。


とにかく、自転車の電動化が進むと、自転車側の情報も増えてきます。
チャット画面をサイコン画面に表示する訳にはいかないので、このサングラス型情報端末は、ロードレースの戦い方を変えるかもしれませんね。

ただ、だからといって、敵チームの端末にウイルスを仕掛ける攻撃や、端末をハッキングして、選手の「恥ずかしい写真」を見せて動揺させるなんて攻撃があるかもしれませんが。

ネット社会なれば、ロードレースのネット化も、個人的には「アリ」だと思ってますが。


今日はここまで

近況のアップだけ

2013-07-16 00:54:54 | 日記
ブログ停滞してます・・・。(まだ、やめたつもりはありませんよ)

最近は、ツールの盛り上がりと共に、仕事も盛り上がり、どっちが先に今日のゴールを切れるかの勝負を続けています・・・。


さて、最近やっと、バイク・・・、といってもモーターバイクの方の完成が見えてきました。
あとは、オイル入れて、エンジン始動させて、配線をきっちりして、見栄えを良くして・・・と、細かい作業ばかり。
完成したら、アップしますので、お楽しみに。


が、自転車の方も、並行して作業しています。
予算が限られた中での部品選びですが、一から作る自転車は、やっぱり面白いですね。
・・・って、「乗れよ!」ってのもありますが。


ってことで、ネタもありませんが、ボチボチやっていきますので、気長にお付き合いくださいな。


今日はここまで

読書の夏

2013-07-09 08:00:31 | 日記
やっとサガンのゴールパフォーマンスが見れました。
結構な競り合いだったので、アタフタしながらのパフォーマンスでしたが、期待させた割には、意外と地味だったかも…。

(↑シクロワイヤードより)


ツール休息日。こんな本を読んでいます。

近藤史恵の新刊「キアズマ」。
これまでのプロ自転車選手ではなく、大学の自転車部を舞台にしています。
相変わらず、引き込まれる内容です。


もう一冊は、「サイクル・サイエンス」。

カーボンオフセットや、記録的な話など、これまであまり興味がなかった所は、面白いです。
技術的な所は素人向け。訳者がちゃんと調べずに翻訳してるので、エンジニアには、読みづらいかも。
2800円もする割に内容は少ないので、立ち読みがオススメです。(←コラ)


暑いので、乗るだけではない自転車を、のんびり楽しみましょう。


今日はここまで

「1kmで1秒短縮」って、どんだけスゴイの?

2013-07-05 08:41:44 | フレーム調査
ツール開幕!

一筋縄ではいかないステージが恒例の序盤戦。
今年も、ゴール前のドラマが多彩。

ゴール前、僅差で逃げ切った…犬がいたり、スプリンターの激突の前に、バスがゴールに激突したり、ゴールパフォーマンス宣言をしてるサガンの連続2位放置プレーがあったり、楽しんでいます。

さて、そんなツール。
ガッツリと喰いついたのは、チームTT。

マシンは、なかなかの進化。
ウェアは、まだまだ進化できそうですけどね。

↑中途半端な空力処理のスーツを着せられて、可哀想なスカイの面々。(シクロワイヤードより)

今年のTTマシン、1kmで1秒短縮できる実力があるらしいです。
この「1kmで1秒短縮」って、空力だけで稼ぐとしたら、どれぐらい大変な事なんでしょう?
ちょっと、考えてみました。


まず、「1kmで1秒短縮」は、速度に換算すると、1.67%のアップになります。

速度アップに空気抵抗低減値は、ざっと二乗に比例すると仮定すると、3.4%の空気低減低減が必要です。

この空気抵抗低減をフレームの改善だけでやるならば、ライダーも含めた全体抵抗に対するフレームの割合が15%と仮定すると、フレームの空気抵抗値を22.4%も下げる必要があります。

はぁ?22.4%?

仮に、乱流発生の抑制やら、フレーム断面形状の改善やらで、CD値を下げるならば、例えば、CD0.3→0.245まで下げないとなりません。

机上の計算とはいえ、ちょっと、あり得ない数字ですね。


では、どうやってフレームの抵抗を22.4%も低減したのか?

多分、色んな「合わせ技」でしょうね。

例えば、高強度材をふんだんに使って、チューブを「きしめん」みたく投影面積の小さな形状にするとか、空気の流れを乱すコンポにカバーをするとか、コンポ自体のフリクション低減だって、抵抗の低減になりますし。

(↑ブレーキにカバーはこんなの)

感覚的には、フレームのCD値改善が5%、投影面積の改善が10%、カバーとかで3%、その他7.4%ってとこでしょうか?(根拠のない推測ですが…)


ともかく、言いたいのは、技術の進歩なんて、とっても「地味」なんですよ。
何年も頑張って研究を続けた成果が、0.5%とかって、ザラにあります。それでも、結果が出ただけ、大したものだと、評価されます。

よく深夜の通販番組とかでは、「なんと、2倍の効果!(当社比。人によって効果には差があります)」とかよく謳われてますが、エンジニアの世界では、んなことは、(殆ど)ありません。

「0.5%の効果の研究成果を10人が持ち寄って5%の効果にする」、それがエンジニアの世界です。


「1kmで1秒短縮」。一見他愛もない数字に見えますが、その裏には、沢山のエンジニア達の、長きに渡る努力の成果が出たのだと思うと、ぐっとくるものがありますよね。

もしツールのTTのゴールの観客席で、チーム関係者でもないのに、勝利に感涙する人がいたら、それはマシンの勝利を喜ぶエンジニアなのかもしれませんね。


「ツールで勝利したTTマシン!最先端技術と研究の塊!そんなマシンが、今ならたったの○○○万円!」なんて言われると…。そして、もうすぐボーナスだと考えると…。

ツール期間中、財布を握りしめて、自転車屋さんに行かれるときは、ご注意ください。(オイラだけ?)


今日はここまで