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通勤ローディ、たまにホビーレース

カンパ、レコードのダメな所

2012-03-31 00:03:30 | カンパ製品調査
「オイ、そろそろ復活してくれよ!」と自分に語りかける、入院9日目です。


「カンパのレコードを手にとってみて」シリーズ、最終話です。

仕事柄、イタリア人の設計者の方々と直接話をしてますが、得てして、欧米のホワイトカラーは優秀な方が多いですね。
とにかく、ロジカルで合理主義。話がし易い人種です。

もちろんカンパのコンポ設計者は存じ上げませんが、細部の設計にブレがないことから、ごく少人数で設計していると思います。(会って話がしたい!)

レコードEPSの設計には、美しさすら感じますが、何故か実物を手に取ると、二つ程違和感が残ります。


一つは、製品管理の悪さ。こちらを見てください。

シャフトの溝加工後の切子が残ったまま、Eリングを組んで、出荷されてきました。(出荷検査はしたのか?)
このままでは組めません。分解洗浄後に組み直しです。

欧米のエリートを養成する社会体系では、このモノ作りの土台が弱いんですよ。
いい設計もマトモに作れない。残念です。


もう一つの違和感は、電子化ユニットと機械部品の距離感。

「適合するも融合せず」って感じで、機能的な相乗効果が見られない。
例えば、パンタ式を辞めるってのもアリだと思う。
電機でしかできないとの答えになっていないコンポでは、商品企画上は失格。これじゃ、「電動コンポ」呼ばわりされても仕方がない。

これは感想ですが、形状的にも洗練させてなく、未だプロトタイプっぽい。
きっと、次のモデルが本命なんでしょう。(とりあえず出した感がある。…市場テストですな)


個人的な期待としては、「育てるコンポ」であって欲しい。
コントロールユニットのバージョンアップや、メカ部品のマイナーチェンジや。

もうカンパの設計者は、次の設計を進めている筈です。
どんな作品が出るのか(やっぱりフルAT?)、期待しています。


今日はここまで


カンパとシマノの違い (私見)

2012-03-31 00:02:55 | カンパ製品調査
「カンパのレコードを手に取ってみて」シリーズ、第4話です。(…シリーズだったの?)


よく「カンパはよく壊れる」と言われますが、本当にそうでしょうか?

製品をよく見てみると、これは「壊れる」ではなく「壊されている」んじゃないでしょうか?
でも、やっぱり悪いのは、カンパの方ですよ。こんなギリギリ設計、プロか、機械系のオタクでもなきゃ、ちゃんと管理できないでしょ!


でもねぇ、一方で、基本的には「オウン・リスク」だと思ってるんですよ。
「自分の物は自分の責任」が基本で、自分で整備すべきロードバイクなら尚更でしょう。
たとえ壊れた(壊した)としても、「あぁ、オイラやっちゃったなぁ」で済ます割り切りも必要だと思うんですよ。


でも、日本人は違う。
多分、世界一、工業製品が壊れることに煩い国です。
自分が悪かろうとなかろうと。


そんなコワイ日本の社会で生活する日本人製品設計者は、本能的に保守的でロバスト性の高い、つまり余裕度の大きい設計をしたがります。


その典型がシマノのコンポ。設計に攻めがない。

でも、ユーザーが変なコトをしても、例えば、マニュアルも見ず、トルク管理も手順も多少間違えても、壊されないような余裕度がありそうです。(推定)

シマノはあまりカーボン樹脂を使わない。
もちろん、国内のカーボン産業が荒廃してるってのはあるけど、樹脂の脆さ(限度のない疲労限、オゾン劣化、油脂劣化…)を恐れるぐらい理解してるからだと思うよ。(勝手な推測ですが)
「金属は安定してあるし、使いやすい。製造技術で苦労しても、それは社内管理できる」「それより、何をするか分からない一般ユーザーが恐い」そんな声が聞こえてきそうです。

もちろん、立派な製品戦略です。市場の信頼こそ絶対に失ってはいけないものです。


でもね、レース機材として見た場合、カンパの方が攻めた設計ができていると感じる。(だから高性能とは言わない)


後は、付き合う女の子と同じで、好みの問題かも。
メンテのミスを受け入れる「優しいシマノちゃん」か、手痛いしっぺ返しを食らう「ツンデレなカンパ嬢」か?


今回レコードを選んだのは、プロスペックを味わいたかっただけですが(速さ、軽さよりも)、メンテ、管理も含めて、ボルト1本にまで「ツンデレの愛」が感じられる幸せってのも、バイクの楽しみ方の一つかもしれませんね。
(やっぱ、ドM?)


今日はここまで




スーパーレコードとレコードの違い

2012-03-30 16:19:23 | カンパ製品調査
今度は妻がフロントディレイラーを持って来てくれた。やったね!(遺品になったりして…)


スーパーレコードとレコード、何が違うのか?
現物を見て、機械技術的観点から、その設計思想と、ターゲットとするユーザーを推察してみました。
因みに、多くのトッププロチームは、レコードの方を使っているようです。たまにエースだけ、スーパーレコードを使う事もあるようです。

何故でしょうか?


まず、リアディレイラー。
アイドラーの中のベアリング有無が違います。


流石はスーパーレコード、セラミックボールベアリングです。
ベアリングは摩擦係数を激減させます。レコードは0.07ぐらいに対し、スーパーレコードは0.0015ぐらいでしょう。(摩擦係数は値が低い方が高性能)

しかし、ベアリングにも欠点があります。極端にゴミに弱いのです。
ゴミによって内部摩耗が促進され、結果、うまく回らなくなります。

プロの機材として見た場合、毎日全員のベアリングを分解掃除って訳にもいきません。
レコードの滑り軸受けであれば、多少のゴミがあっても、すぐに致命的なことにはなりません。

一般ユーザーの場合、毎日そこまで過酷に使われる可能性は低いし、大体の場合、よく整備されてるので(汚いスーパーレコードってそうそう見ない)、ベアリングでも許容できる…と思ったのかしら?


次に、フロントディレイラーです。

違いは、ガイドの素材です。レコードは熱処理チタン、スーパーレコードはカーボン樹脂です。


アウターからインナーへの変速は、荷重は小さいものの、摺動摩耗が発生します。
スーパーレコードは軽さを取りましたね。カーボンの比重は、チタンの半分以下ですので、数グラムの軽量化に貢献してますね。(4gの軽量化…)
一方、レコードは、耐摩耗性を取りました。熱処理チタンの硬度はカーボン樹脂の比ではなく、一般に硬度は摩耗量に比例します。
推定ですが、比摩耗量は10倍は違うでしょう。

もちろん、ツアープロは耐久性の高いレコードで、距離を乗らない一般ユーザーはスーパーレコードてももつんじゃない?…っと思ったのかしら?


次にレバー。

もう、間違い探しみたいなもんで、レバー上部に軽量化穴があるのが、スーパーですね。(2gの軽量化…)
こんだけです。蛇足ですが、価格差は、15330円みたいです。


あとの電子化部品に仕様差、重量差はないようです。
コンポセットで見ると86gの重量差がありますが、そのうち67gはクランクとスプロケットですから。
スプロケットに関しては、以前書いた通り、面圧に余裕がなく、機械的特性に劣る材料での軽量化は、耐久性を落とすことになります。(クランクは何をして軽量化したんだろ?)


つまり、まとめると、以下の様な感じでしょうか?

・スーパーレコード:耐久性に劣るが、ワンデー毎に整備すれば高性能。

・レコード:ツアーレースでの使用を考慮した、タフなプロ仕様。


カンパは、レコードで製品機能は完成してるんですよ。既に「実用上の限界設計」だと思われます。
スーパーレコードは、軽量化の数字だけを求める市場要求を間に受けた営業からのプレッシャーに負けた設計者が、胃を痛めながら設計した「一発仕様」なのかもしれません。


…それでも貴方は、スーパーレコードを買いますか?


今日はここまで



部品の締付け

2012-03-29 11:42:25 | カンパ製品調査
治療は、今日から輸血開始。これでレース後のドーピングコントロールに引っかかってしまいます。(←んなもん、素人のレースにないでしょ)


カンパの取説を見てると、ワランティによく「締付けトルク」がでてきます。
カンパでなくとも、多くの自転車部品には書かれているんじゃないかしら?

もちろん、町のプロショップでは、トルクレンチを使って、数値的にこの値を管理して、組付けています。これが、プロショップの大きな安心です。(トルクレンチを使わない店は…プロとは呼べないゾ)


しかし、個人で組み替える部品(ステムの入替とか)、ヤフオクとかで手に入れた部品は、どうすればいいのでしょうか?
「とりあえず、緩まないように、しっかり強めに締める」とやりがちですが、ここに落とし穴が。


ロードバイクでよく使われるボルトは、「六角穴付きボルト」が殆どです。あのヘキサゴンレンチで締める頭の小さなボルトです。
ボルトは締められると、穴の中で僅に伸びることで、2つの部材を拘束します。「ボルトがよく伸びた(軸力が高い)方が、よく締まって緩みにくい」ことは事実ですので、しっかり締めたい気持ちはここから来るのでしょう。

しかし、ロードバイクの場合、さっきの「六角穴付きボルト」なんです。
「ボルトの強度一杯までは締められる」ではなく、気にすべきは「部品側のボルト穴の座面強度」の方なんです。

計算上、鉄のボルト、ネジ穴強度よりも、恐らくはアルミか樹脂であろう部品のボルト座面の方が、先に壊れます。ボルトが陥没し、そこを起点として、部品の破壊が進行します。特に高強度カーボンの場合は致命的です。


例えばコレ。
リアディレイラーのアイドラー。
「締付けトルクは2.7Nmだ」と。

表を見ると、カーボン部品に、座面が広く出っ張りもない皿形状のアルミボルト(M4)締結です。

裏はどうでしょう?

M4ボルトを2mmアルミ板(多分)に締めています。

機械系の方には分かると思いますが、手強い設計ですね。
皿ボルトは計算が難しく、リスクも大きい。裏板厚さも2mmはボルト締結には短過ぎ。
緩んだ時の被害を考えると、2.7Nmは強度上の締付け上限値だと考えるのが、妥当でしょう。
もちろん、トルクレンチで締め付けるのは必須です。


例えこんなつまらないボルト1本でも、危険が潜んでいるもんです。
取説をよく見て、部品を壊さない様に、作業しないとね。


今日はここまで

Campagnolo Record EPS

2012-03-27 22:54:37 | カンパ製品調査
まだ入院ちゅ。地味に悪化ちゅ。

んなことより、海外より、カンパEPSを取り寄せました。(レコード)
無論、「EPS非対応フレーム」に「自己責任」で「保証なし」で組む為です。
悲しいかな、今、EPSを外装で組む為には、この方法しかありません。


入院中なので、一個だけ、適当に持って来てもらったんです。
中身はリアディレイラーでした(当たり?)

今、取扱説明書を読んでますが、やはり保証条項の所が多いですね。

気になったのはコード。6芯も入っています。
何の制御/信号に使っているのやら?


過去に読んだカンパの特許からすると、この後、トルクメータとスピードセンサーを加え、個個のライダーが最適なギア比で走れるようなフルATコンポを狙うのではないでしょうか?

こうなると、意外な事に、エルゴパワーが消えます。(変速しなくていいので)
んで、昔のカンパみたく(詳しくないが)、あの芸術的なブレーキレバーが復活するのでしょうか?
となると、「カンパEPSって、実は美しさを求める鉄フレームとかツアラーを狙ってるのかしら…」なんて妄想しちゃいます。

無論、今は、商品戦略上、レーシングコンポでいくでしょうが、数年後が楽しみです。

もちろん、組み付けは退院後に「自分で」やります。(でも何週間後だ?)
微調整はオートだから、むしろ楽かも。問題はケーブル回しかな?

今日はここまで

トリノ、番外編

2012-03-27 06:49:59 | イタリア
イタリア出張、番外編です。

まず、トリノへは日本からの直行便はありません。
なので、今回もフランクフルト(ドイツ)で乗り換えしましたが、その空港内で食べたのがコレ。

フランクフルトソーセージ(名物?)です。
ピクルスもパンも巨大なので大きさが伝わりませが、長さ20cmぐらいあらますよ。ちなみに、これが最小サイズです。

そうそう、機内ではUSBも使えたんですね。(787機)


トリノからはこの電車に乗りました。僅か3両編成です。

中で、車掌さんから切符を買います。手書きです。

車内はこんな感じです。

なんと、自転車を載せる事をデフォルトとしています。

終点(Torino Dora)です。かなり寂しい駅です。


降りてから見かけたのが、この路駐自転車。おっと、トリノが地元のGIOSじゃないですか。


街中では相変わらず、駐車する為に、押し合ってます。


何故か、イタリア軍?


市内のエジプト博物館。なぜエジプト?


何かの建物。



ホテルに着いて、この冊子をめくっていると、日本人の名前が。


タケミツ?サド・ユタカ?
よく知りませんが、外国で日本人の名前を見かけるだけで、嬉しいもんですね。

今日はここまで










トリノの自転車乗り2

2012-03-26 23:38:27 | イタリア
入院4日目。内臓アウトだけど頭はクリア。
よってヒマ。だけどネタもない。

なので、トリノの友達の自転車紹介の続きを。

まずこちら。シングルギア。

町を流す時に使うそうです。ちゃんと前後ブレーキはついてますよ。(って法律が違うけど)

ホイールはディープリムです。

チェーンはピカピカ。オーナーさんの愛が伝わってきます。

次は、ニューマシン。KOBH60.1です。

ドクマ60.1の兄弟車なのですが、リアバックが全然違います。

フロントも違うのね。

試乗させて貰いましたが、パッと乗っただけだとよく分かりませんね。よく進みますが、当たり前ですよね。

感動したのは、こっちの方です。スラムのコンポ。APEXです。

変速のカッチリ感がスゴくいいです。スラムって、レバー1本でアップダウンの変速するので不安でしたが、まぁ、これならアリかもしれません。ただ、やっぱり間違えそう…。

オマケで、この方の車です。

FIATパンダです。
イタリアではよく見かける車ですが、何故か最近使われた形跡がない。
聞くと、冬場もチャリ通しているので、あまり乗らないとのこと。

「えーと、1ヶ月前まで、雪が積っていて、-20℃だったじゃん」と聞くと、
「あぁ、寒かった」「でもスパイクタイヤのお陰で、会社に行けたよ」だってサ…。

絶句です。
「今年、愛知県は寒かった」なんて言ってる自分が恥ずかしいです。

このあと、BARで「トレーラーを引いて2000mの山を上った」だの「3000mぐらいまで上がると、ちょっとしんどい」とかの武勇伝を一方的に聞かされて(イタリア人ってなんでこんなに喋り好きなの?)、お別れ。
イイ奴らでした。

最後に近所の名所に連れていってくれましたが、ココがなんの名所なのか未だに分からず。



オマケ。
帰りの地下鉄のホームで見た広告。…ナニコレ?



今日はここまで







入院なう

2012-03-23 23:26:51 | 日記
トリノから帰ったばかりですが、いきなり体を壊して入院してます。

イタリア出張の無理が祟ったかと思いましたが、医者曰く「数字的にもっと前から壊れてた」とのこと。
ヘタレな体に今更ガッカリですが、仕事もその他もミッションコンプリートできたので、まぁヨシとします。

そんな初日の病院食がこちら。

えっ?こんだけ?一昨日まで、こんなのだったのに。

いっそ、イタリアで入院したら、よかったのかしら?

あっ、4月のレース、出るないじゃん!
…泣きます。orz

今日はここまで

帰ってきました。

2012-03-22 19:49:44 | 日記
「イタリア人って、あんなに飛ばして事故らないのかしら?」が疑問でした。

が、やっぱり。オカマです。



会社のイタリア事務所から空港まで、トリノ市内を通るのですが、ナビがアホで、えらい路地を通るハメに。
情緒はあるけど、急いでいるんだけど…。





情緒の極めつけは、桜です。トリノでも結構みかけます。
ただ、日本みたく並木道にはなっていませんね。
あと、どう見てもソメイヨシノではありませんが、なんなんでしょ?


なんとか飛行機に間に合い、帰国。座席をアップグレードしてもらえたので、快適でした。



一応、肝心の仕事の方の方もバッチリ。
事務所の社長とも「今度は自転車持ってこいよ!走りに行こうゼ!」ってお誘いを頂いたので、次回は業務命令として、自転車を持っていかないとね。

次回は五月がイイなぁ。

今日はここまで

ガセッタ

2012-03-21 09:02:23 | イタリア
先日のミラノーサンレモ、サイモン・ジェランス(オーストラリア)が勝ちましたが、地元イタリアのスポーツ新聞の記事が面白い。

「ニーバリが…」
勝者のジェランスの名前がナシ。さすが、イタリアの地元紙。地元贔屓、全開です。

ただ、ライバル選手のカヴェンディッシュの脱落はしっかりと報道。

イタリア人には楽しい新聞なのかも。

今日はここまで