「ロードバイクに最適なチェーンオイルは?」を解析してみました。
忙しい人の為に、結論から書きます。
<結論>
①平地ツーリングメインの人…軽い走りを得るべく、100~300cStのオイルを推奨します。これは、エンジンオイルの粘度と同等です。
②山岳ツーリングメインの人(高めの出力、低ケイデンス)…1000~2000cStのグリスを推奨します。
③ロードレース…体力温存の為、100~300cStのオイルを推奨しましょう。但し、チェーンは激しく摩耗しますので(=伸びる)、定期的な交換を必要とします。チェーン代がかかるのはあきらめましょう。
④トライアスロンの人(高めの出力で定常走行)…1000cStのオイル(高粘度オイル)、又はグリスを推奨します。
理想的なオイルは、「100cSt程度の低粘度で、油膜が切れる所は、極圧添加剤がカバーする」との考えのオイルだと思います。
ちなみにこの極圧剤は高価なので、オイルの値段は高くなってしまうのかもしれません。
保守的なオイル、メンテナンスフリーを謳うオイル程、粘度を高くするのではないでしょうか?(んで、極圧剤をケチって儲けるとか)
ちなみに、シマノのディラエースのグリスのちょう度は265~295です。やっぱりロードレース狙いなのですかね。(って、このグリスをチェーンに塗るのか?)
<解析方法>
チェーン内部のローラーとピンの、潤滑油粘度に対するローラーのフリクショントルクを算出。
計算方法は、面圧とローラ速度より、ローラー中の偏心率、ゾンマーフェルト数より、ギュンベルの条件(短軸)を使い、フリクショントルクを算出する(式の詳細は割愛)。
(油膜切れ後の固体接触状態のフリクションの計算も割愛)
この結果をグラフ化し、油膜切れを起こさない最低のオイル動粘度(グリスの場合ちょう度)を推定する。
<計算結果>
①平地ツーリング(200W、ケイデンス90rpm)
潤滑状態は厳しくない。よって高粘度オイルはフリクションが増えるだけであり、メリットなし。
100cSt程度の潤滑油が最適と思われる。尚、市販のエンジンオイルがこの粘度(100~300cSt)に相当する。
(↑左の線が水平になったところが油膜切れ)
②山岳ツーリング (300W、ケイデンス60rpm)
ケイデンスが低いことにより、やや潤滑状態は悪化。1000cSt程度の、やや高粘度のオイルを要する。
③ロードレース
スプリントなど概ね700W以上の高出力、且つガチャ踏みする場面(衝撃係数が大きくなる)では、3000~4000cStのグリスが必要になります。
しかし、こんなに粘度の大きいグリスは、スプリント意外では単なる抵抗にしかなりません。
④トライアスロン
一定出力で漕ぎ続けるだけなので、最も簡単です。1000cStできまりでしょう。
今度は、チェーンとチェーンリングに係る過重について、書いてみます。
あっ、ここに書いてあることは、全て私の趣味の計算でなので、やってみたらウソだったりしても、怨みっこなしですよ。
今日はここまで