Today's agenda

通勤ローディ、たまにホビーレース

チェーンオイルは、一般高性能多目的油(100mlで40円程度)で十分かも

2012-04-21 06:16:54 | シマノ製品調査
チェーンオイルネタ、ファイナルです(多分)。また、長いので、お付き合い頂ける人だけ、読んでくださいな。


長いので、結論を先に書きます。


<結論>
チェーンオイルは、メーカの推奨により、一般市販されている「高性能多目的油(100mlで40~50円)」で、必要な性能は得られると考える。




チェーンオイルの件、あれから、気になって色々調べています。
「軽い走りを実現したい」との思いで、いろいろ高価で効果のある添加剤を入れたチェーンオイルが、世に中には多いようですが、殆どの製品紹介に書かれていないのが、そのデメリット。


例えば、多くのチェーンオイルに入っているのが、テフロン(PTFE)。
ある一定トルクまでは、その処理膜により摩擦係数低減があるけど、大トルク時は膜を維持できず効かないのが、そのデメリット。

ところが、この「大トルクの数字」がどこにも出てこない。例えば、「200W時の摩擦係数:××。400W時の摩擦係数:○○」とか。
一般ユーザにとっての問題は、「数字を出さない=評価していない」ダメなメーカと、「評価してるけど、配合量を真似されるのが嫌だから書けない」真面目なメーカが、市場では同列に見えてしまうこと。


要するに、どっちの謳い文句も「テフロン配合により低摩擦を実現!」になってしまう。
これじゃ、一般ユーザが「配合量がちゃんとしてないオイル」「過剰な謳い文句、ブランド名だで高価なオイル」を掴まされても仕方がない。(←でも新油効果(又はプラシーボ効果)でいいオイルだと感じてしまう ←その情報がネットで広まってしまう…)

もっと言うと、今や「テフロン配合」と書いたぐらいじゃ、正直売れない。
もっと過激な効果が出る添加剤を入れないと、商品としての差別化は図れない。特に(名もなき)弱小メーカは。(先のVerity SD20のボロンナイトライドとか)


では、その製品はダメなのか?


「個人的にはアリ」だと思うし、「一エンジニアの良識としては、商品として、難アリ」だと思います。
要は、扱い方を分かってる人が、リスクを承知の上で買える商品だと思うんですよ。つまり、「プロのレース用」に近い性質になっていくんです。(レース用=トラブルがあってもオウンリスクの世界)


ここで、「オイラ、毎日乗ってるから、リスクを背負いたくないなぁ…」なんて人は、どうすればいいか。


先にも書いた通り、チェーンの開発は、「シマノ」であり「椿本チエイン」です。
チェーンの設計が、必要とされる、又は許容されるオイルの性能を決めるので、それが、「メーカ純正オイル」として、発売されているハズです。

これですね。

PTFE配合のものと、そうでないもの。どちらも「100mlで840円」です。
PTFE配合の商品は、対市場用でしょう。値段が他社の半分ぐらいですので、どうせPTFEの効果しか期待しないのであれば、まぁまぁお買い得ですね。


でも、ここまでなら、他の方も調査済みのハズ。もっと突っ込んでいきましょう。

チェーンを開発した、椿本チエインの見解は?

分かり難いですが、これが、椿本チエインの見解です。

椿本チエインの設計におて、チェーンが必要とするオイルは、市販潤滑油で十分だと書いています。(例えば、0~40℃で使うのであれば、「JX日鉱日石のスーパーマルパスDX 68」とか)(←日石好きなので…)
調べると、値段は、どれも20Lで8000円~10000円程度。つまり、「100mlで40~50円」です。(でも、20Lペール缶売りなんだけどね)


これらの市販潤滑油、仕事柄よーく知ってますが、バカにできませんよ。例えばこちらを見てください。(7分ぐらい。ちょっと長い?)

椿本が推奨しているオイルなので、必要な添加剤は、既に入っているんですよ。
チェーンオイル屋さんにとっては「基油」扱いでも、メーカが必要とする性能的にはこれで必要十分で、この後に何かを入れるのは、「+αの性能を得る代わりにリスクを背負う」ことになるんです。
えっ?市販潤滑油でもテフロンは入れときたい? そんなの、オートバックスとかで売ってるじゃないですか。


これでも、市販されている「高性能を謳ったチェーンオイル(1000~2000円ぐらい?)」を買いますか?


私は、2種類用意することにします。この只の市販潤滑油と、超高性能の一発狙いのチェーンオイル。
もちろん高性能の方は、レースとかここ一発の使用の時だけで。(使用後、すぐに洗浄)



まぁ、色々書きましたが、これらは全て私の私見です。
それぞれの方の、それぞれのサイクルライフに合ったものが選べるといいですね。



今日はここまで


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mitsu)
2012-04-22 11:25:53
一大テーマになってしまいましたね。

(コンシューマ向)製品の正直な効能をまじめに書くのは
メーカー(営業)としては難しいのでしょうね。
ウソでないギリギリを狙ってくるでしょうし。

トルク(パワー)メータが普及すれば
シビアな評価がされていくでしょうから
メーカーもそうそういい加減なことはできなくなる可能性はありますが。
※チェン駆動の効率の悪さが表出するかも知れませんが。
 だからこその重要な潤滑材なんですよね。

ユーザーも埃の付着が少ないとかの評価軸もあるので
一概に潤滑性能一点張りの商品が良いのかってのもありますし。
ユーザーの視点は様々ですので仰るようにユーザーが気に入ったモノを使うのが一番のは確かですね。

さて、推奨の粘度って思ったより低いんですね。
もっと高い粘度を考えていました。

20L売りには閉口しますが、
試してみたいですね。
私の職場には期待薄なのですが
関連部署を当たってみようかな。

得るモノが多いテーマでした。
お疲れ様&ありがとうございました。

p.s.
試用記事も楽しみにしています(笑)
Unknown (Mr.H)
2012-04-23 01:28:50
mitsuさんへ

最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。

結局、味も素っ気もない論調になってしまいましたが、例えば、自転車便の経営書として、業務でロードバイクを走らせるなら、椿本の言っていることを鵜呑みにする気になるかもしれませんね。

一度、計算して椿本推奨粘度の妥当性を検証後、個人的に試してみようかと。

ご期待ください。(笑)
潤滑意識 (エコ的防衛隊)
2012-09-09 23:22:01
 最近は金属の材質で植物油でも高性能な潤滑性能をもつようになるパーツが売られ始めているらしいですけど、これって太陽光で電気を得てエコにする話と似ているような気がします。きっかけを作らないと大手潤滑油メーカーが真っ先に妨害しようとするテーマなんじゃないかな?
Unknown (Mr.H)
2012-09-10 07:15:09
はじめまして

いつもブログを見て頂き、ありがとうございます。

焼結の様な、内部にオイルを保持できる金属のことかしら?
もしこの金属が、ブレイクしそうになったら、潤滑油屋さんは、ネガティブキャンペーンを張って来るでしょうね。

結局、どっちが正しいではなく、どっちがメジャーかで勝者が決まる世界なので、仕方ないかもしれません。

また、よろしくお願いします。

コメントを投稿