毎日健康のために河原の土手をウオーキングしている。浅い川には、カワセミやセキレイ、マガモ、カルガモなどがいて楽しませてくれる。ところが一ヶ月ほど前からカルガモに混じって毛色の変わったカモ(上記写真)がいることに気がついた。家に帰ってインターネットの野鳥図鑑を調べても同種のカモが載っていないので名前もわからなかった。初め上流にいて、日が経つと次第に下流にいるようになった。なんだかカルガモの群れと一緒の時には楽しそうにみえるが、一匹の時、「クェッ、クェッ」と実に寂しくて悲しそうに鳴いている。「お友達がいないのか、仲間はずれにされたんか」、なんとなくそう声をかけたくなる。しばらくしてウオーキングの折り返し地点にまで下り、その後姿が見えなくなった。「もっと下流にくだったんだろうな」と、こちらもなんだか寂しくなっていた。ある日行き付けのスナックにカミさんを迎えに行くと、やはり河原をウオーキングしているお客と出会って、「ああ、あのカモね、ペットだったのが捨てられたのよ」、と話してくれた。お客の話によると、若い女性がペットとして飼っていたのを何らかの事情で飼えなくなって川に放したという。ペットだったので飛べないように羽が抜かれるか切られるかして飛べないらしい。それで初め上流にいたのが次第に下って行ったらしいのだ。どうりで一匹の時は悲しく鳴いていたはずだ。人なれして飼い主に慣れていたのが突然捨てられて寂しかったに違いない。それに他のカルガモのように飛べないし、種族が違って仲間はずれにもされているようだった。「今はもう橋よりぐっと下流に下っていたわよ」。下流にいくと次第に深くなっていくので、エサになる藻はあるだろうか。耳から「クエッ、クエッ」っと必死で泣き叫ぶカモの鳴き声が離れない。
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