『どろろ』（其の二）⇒アニメ

2007-02-13 | ワンダーゾーンの世界

『どろろ』（１９６９年）

■放送年１９６９年
■放送局：フジテレビ系
■総監督：杉井ギサブロー
■演　出：出崎統、富野喜幸、高橋良輔、杉山卓他
■声　優：百鬼丸＝野沢那智、どろろ＝松島みのり

ＣＳ放送で映画「どろろ」の公開に連動する番組としてアニメ版「どろろ」を流していた。この「どろろ」、ボクにとって思いがけず幸運な出会いとなった。それは手塚治の偉大さをあらためて知ったことはもちろん。一つの作品とし見てもかなり完成度が高いアニメとなっていたからだ。たかがアニメと言うなかれ、観るとグイグイその魅力に引き込まれてしまうこと間違いない。

そしてこのボクがべた誉めするアニメ版「どろろ」の何といっても最高なところは主題歌である。歌のインパクトは強烈だ。人を喰ったような“どろろ”の反骨精神を表わしている意味不明な歌詞と軽快なメロディー、それが一転し百鬼丸を心象を表現しているかのような曲調に変化する。緩急のつけ方もすばらしくノリもいい。これ以上の“どろろ”の世界観を表わした歌があるのだろうか。それに打ちのめされた。

子供の頃（８才の時ですね）も何度かこのアニメは見ていたのだが、今回それを再見し主題歌を聞き
その記憶も甦ってきたが、当時はその曲のよさはわからなかった。４０も半ばを過ぎた歳、つまりオジサンになって聞くとこれは凄いと。最近耳にした音楽の中でも最高の位置づけを与えたいくらいの存在感がある。そのくらい気分がよくなり心に入ってくる“どろろ”の主題歌であった。（テレビから流れる歌をメモ、合ってるかどうか）

「どろろの歌」
＜作詞：鈴木良武、作曲：冨田勲、歌：藤田淑子＞

♪ほげほげたらたらほげたらほん
　ほげほげたらたらほげたらぴー
　ほけほけ侍へなへな
　とろとろ侍ヘらヘら
　へろへろ侍ヘんらんら
　めろめろ侍ヘんらんら
　赤い夕日に　照り映えて
　燃える鎧に　燃える馬
　天下めざして　突き進む
　とぼけちゃいけねぇ　知ってるぜ！
　お前みんな　ほげたらだ！！
　ほげほげたらたらほげたらぽん♪

♪ほげほげたらたらほげたらほん
　ほげほげたらたらほげたらぴー
　ふにゃふにゃほげたらへなへな
　ほきゃほきゃほげたらヘらへら
　ひょろひょろほげたらヘんらへら
　へろへろほげたらへんらへら
　青く果てない　空の下
　いばらの道を　踏み越えて
　これも世のため　人のため
　とぼけちゃいけねぇ　知ってるぜ！
　お前みんな　ほげたらだ！！
　ほげほげたらたらほげたらぽん♪

ここ数日間一日の終わり、つまりビール片手にアニメ版「どろろ」を見ながら寝床につくということを続けている。百鬼丸の呪われた運命に心痛め、妖怪に立ち向かうその勇気にエールを送り、反骨精神とヒューマニズムにあふれたどろろの行動に感動と喝采を送る。

アニメの創りも工夫がなされており、良質な時代劇映画を観ているような気分にさせてくれる。そして終わりはどろろのメロディーが流れしめてくれる。エンタテイメントとして良質なこのアニメ作品を観ているとその日のストレスを解消してくれるようで寝入りも気分がいい。おかげで仕事の効率もはかどっているのだ（のつもり）。