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■製作年:1969年
■監督:若松孝二
■出演:芦川絵里、谷川俊之、林美樹、大和屋竺、他
今日も、若松孝二監督のピンク映画時代の作品。タイトルの「処女ゲバゲバ」はあの大島渚監督が付けたものであるそうだ。この意味不明なタイトルがいい。なぜそんなタイトルがついたのか、その理由はわからないが、私が子供の頃大流行した伝説のナンセンス・ギャグ番組「ゲバゲバ90分」を想起させ、何となくですが、若松監督らしい感じがするのだ。それにタイトルと映画の内容も直接連動していないのもいい。意味不明な、でもいわくありげで、ぶっ飛んだ感じの響き。そして、この作品もピンク映画とは名ばかりと思えるラジカルな、ゴダールの映画を連想させるようなものだった。
そもそも映画の内容が、よくわからない作りになっている。なにかの寓意?ありえない意味不明な話が展開していく。途中、本音を言えば、かったるくなってしまうところもあったのだが、後半になってくると、その意味不明ながらも、抑えきれない情念、怒り、悲しみのようなものが突然フツフツと画面一杯に湧きあがってきて、最後はとてもユニークな展開を見せたのだ。それが衝撃的というか痛快なのだ。
つまりそこは、全身袋づくめの男がバットでボコボコに殴られ死んだはずなののに、グループのボスが登場し、十字架に張り付けにされた男の彼女を笑いものにしたら、死んだはずの男がヌーッとゾンビのように甦り、逆にボスたちを殺してしまう場面。そして、その男が十字架に張り付けされた女を抱きかかえながら、燃える十字架を後に去っていくラストシーンがくる。ここにどういう意味を読み取るかはさておき、映像として見ていてどこかスカッとカタルシス感を感じるものだった。感性に訴えかけてくるこの意味不明な、でも意味ありげな映像が、当時の若者に受け若松孝二は見逃せないぞとなったのかもしれないと思った。「処女ゲバゲバ」という映画は、まさしく<ゲバゲバ>なのだった。
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