○○540『自然と人間の歴史・日本篇』日朝平壌宣言(2002)

2018-06-18 21:04:48 | Weblog

540『自然と人間の歴史・日本篇』日朝平壌宣言(2002)

 2002年に交わされた、いわゆる日朝平壌宣言には、こうある。
 「日本国首相小泉純一郎と金正日朝鮮民主主義人民共和国国防委員長は、2002年9月17日、平壌で出会い会談を行った。
 両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した。
 1.双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした。
 双方は、相互の信頼関係に基づき、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む強い決意を表明した。
 2.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。
 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。(以下省略)
 かつて日本がサンフランシスコ平和条約(いわゆる「片面講和」)で韓国と交わした戦後処理ついて、当時の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)側は、これを痛烈に批判する。
 「朝鮮人民は、日本帝国主義者が朝鮮人民にあたえたすべての人的、物的被害にたいして賠償を要求すべき当然の権利をもっており、日本政府にはこれを履行すべき法的義務がある。
 したがって、「対日請求権の解決および経済協力の協定」を通じて、日本当局と朴正煕一味間にやりとりするのは私的な金銭の取引きにすぎず、決して賠償金の支払いではない。朝鮮民主主義人民共和国政府は、対日賠償請求権を保有するということを日本政府に重ねて警告する。」(「「韓日条約」と諸「協定」は無効であるー朝鮮民主主義人民共和国政府の声明」(1965年6月23日付け)
 以来、「東西の冷戦構造」の影響もあったりで、両国の間の国交は開かれないままに、いたずらに時が過ぎていった。
 そんな両国が、21世紀に入ってのこの時、はからずも顔を合わせることになった。そして確認されたのが、これにある「日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識」なのである。

(続く)

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