○〇551の4『自然と人間の歴史・日本篇』ベーシックインカム(BI)(制度設計は可能か、社会保障給付を問う)

2019-02-24 21:23:01 | Weblog

551の4『自然と人間の歴史・日本篇』ベーシックインカム(BI)(制度設計は可能か、社会保障給付を問う)

 前段でみたように、BIに対し狭い意味での反対論ではないが、「社会実験している例はあるものの、導入した国はまだなく、うまくいくかどうかわからない」との声も聴かれる。「それならやめよう」ないし「当面は模様眺め」とするのでなければ、その場合は具体的な検討を行う人が出てきて然るべきだろう。

 とはいえ、この制度をわが国で導入するには、既存の制度との調整が必要だろう。一説には、世の中の大方の人たちは、ゆくゆくは年金や生活保護などを一本化して、この中に社会保障関係を統合していくというプランを掲げる。そうなると、現在の社会保障関係費が丸ごとBIに集約されることになるのであろうか。

 この点については、「小さな政府」論者なども興味を示しているようだ。そこで、話を分かりやすくするために、以下に我が国の社会保障関係費の現況のあらましを紹介しておこう。

 試しに、2019年2月時点で明らかになっている2017年度(平成29年度)の社会保障給付の総額は、120.4兆円だという、その内訳だが、「介護・福祉その他」に24.8兆円、そのうち介護には10.6兆円。「医療」に38.9兆円。年金に56.7兆円となっているという

 これに対する財源としては、114.9兆円プラス資産収入の5.5兆円の合計が120.4兆円だという。そして、かかる114.9兆円のうち公費で賄うのが46.3兆円であり、その内訳は地方税等負担での13.6兆円と、政府サイドの負担での32.7兆円(国債発行での13.6兆円と国の税収19.1兆円との合計)だ。それに、保険料として68.6兆円が加わる(以上、端数が一致しない場合もある)。

(続く)


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