♦️908『自然と人間の歴史・世界篇』地球温暖化の影響は如何に(およその姿)  

2020-03-10 23:14:14 | Weblog

908『自然と人間の歴史・世界篇』地球温暖化の影響は如何に(およその姿)
 

 地球温暖化の本質については、例えば、こう言われる。

 「1950年までの気候変化、66%以上の確率で、火山噴火と太陽放射量の変化が原因だといえる。だが、20世紀なかば以降に観測された世界平均気温の上昇については、90%以上の確率で、人類の活動に由来する温室効果ガスの増加が原因だといえる。」(IPCCの第4次報告書)

 これを前提にしつつ、今や、地球温暖化関係の事象を研究する機関の間では、様々な条件を入れての予測シミュレーションが花盛りらしい。それらの中のある例では、全地球上で平均した地表付近気温は21世紀の間に約摂氏4度も上昇するという。
 この温度上昇幅をどう見るかについては、「温暖化幅は気候モデルごとに若干異なり、摂氏4度という上昇幅は IPCC 第4次評価報告書に記載された予測シミュレーションの中では大きい部類に属する」(東京大学大気海洋研究所気候システム研究所「気候の温暖化に伴う黒潮の変化」2012年8月21日付け、インターネットにて配信のものから引用)のだと解説される。

 では、温暖化によりどのような影響が見込まれるのだろうか。その1としては、温暖化で、海の水が増え、陸地が減る。南極や北極、高い山などにある氷や氷河が溶けたものが海へと流れたり、水の体積膨張により海の水が増えてしまう。ただし、温室効果ガスが今後、南極海に深刻な影響を与えるのは、ほんの「数百年の時間スケール」の間だけ、という説もある。
 前者の見解によると、海の水が増えると、海の水位が上がって、低い場所にある土地や小さな島などは海に沈んでしまう。世界中の都市の相当部分が海面上昇に見舞われるという。

 その2としては、温暖化で動物や植物が少なくなる。このうち、極地に暮らす生き物は、存立基盤がなくなる。植物への影響では、海の水位が上がって低地が減ることで、植生の変化が起こる。両者の連関でいうと、低地の森の中に住んでいた動物たちの住む場所がなくなってしまうのではないか。

 ほかにも、サンゴ礁のように、それが被害を受けることで、そこに生息する魚の類いの生存条件がなくなりかねない。例えば、オーストラリアの北東沿岸には、総面積約34万5千平方キロメートルものサンゴ礁があって、このグレートバリアリーフと呼ばれるエリアには、約900もの島々が点在する。サンゴの礁の種類は350位もあり、世界中の3分の1にもあたるという。

 ところが、ここで温暖化とエルニーニョ現象が続いており、広大なエリアでサンゴの白化現象が起こっていたり、そのサンゴを食するヒトデの大量発生も起こっているとのことだ(例えば、一般ユースホステル協会「ホステルマガジン」2019年秋号にて紹介)。


 その3としては、温暖化があと押しすることで自然災害が増える。氷がとけ海水温が上昇することで、雲ができ方や風の吹きかた、海流が変わる。大雨や洪水、台風、暴風雨が増える、その対極では干ばつ、などが起こる。

 これらのうち、海流に変化が生じるというのは、かなり複雑な作用の重なりになるのであろう。風の動きが、海流の有り方に大きくものをいう話はよく聞かれるが、海水そのものの性質によるところも取り沙汰されているようだ、
 それというには、グリーンランドや南極で冷やされた海水は、その分比重が重くなり、より暖かくて軽い海水の下に沈み込む。その作用で、海流が某か促進されよう。海流によってかき混ぜられて酸素が方々に隅行き渡ることにより、魚が呼吸をし、そこそこの場所で棲めるようになっている。

 ここに比重というのは、1気圧で摂氏4度の状態と当該の海水の比率であり、この状態が密度1.0グラム毎立方メートルに最も近い値になる。もう少し砕いていうと、水は温度や周囲の気圧によって体積が変化してしまう、そうなると、比重の計算に必要な密度も変わってしまうので、正確な値が測定できなくなるからだ。
 そういう次第で、一説には、もし地球温暖化によりいつか南北両極の氷がなくなると、巡り巡って海に生きる生き物たちに酸素が送り届けられなく事態が起こるかもしれないという。

 その4として、病気、特に伝染病が増える。気温が上がる場所が増えることで、伝染病が増える。特に、蚊など媒介生物の活動が盛んになる。公害のあるところ
 その5として、少なくなる食べ物がある。温度が上昇することで、乾燥地帯が増えたり、逆に台風や洪水が増えて田んぼや畑が使えなくなる場合もあり、双方で作物の収穫が減る場合があろう。

(続く)

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