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【tv】100分de名著「松本清張SP 昭和史発掘」

2018-03-30 01:08:01 | tv

【tv】100分de名著「松本清張SP 昭和史発掘」

 

 

1回25分×4回で1つの作品を読み解く番組。3月は松本清張スペシャルということで、1回ずつ4作を読み解いていく。講師は原武史氏。第3回目は「昭和史発掘」。今回はちょっと政治色が強いのでTwitter投稿はやめておいた😌 ただ、Tweetして補足する形が書きやすいので、そういう感じで記事にしようと思う。


「昭和史発掘」全13巻 1964-1971年まで週刊文春に連載。226の裏側の真実を描いたノンフィクション。突然ノンフィクションに目覚めたわけではなく、そもそも関心があったものが開花した。当時の学者は文字で残されたものが全てという考え方であったが、清張はオーラルヒストリー=事件に関わった人々からの口述による記録を大切にした。清張の生きた時代は昭和初期から生きている人々がいた時代。

 

「昭和史発掘」(Wikipedia)については全く知らなかった。7年間連載されていたのね? まぁ週刊誌だから毎日連載している新聞とは違うけれど、7年間はスゴイね。オーラルヒストリーにこだわったということは、この作品については関係者に取材して書いたということなのかな?

 

226事件に力を入れる。全13巻の後半のほとんどを費やして描いている。515事件とセットにされやすいが、数十人によるテロだった515に対し、関わった人物が1,400人で組織だった計画の元に行われたクーデターであり全く違う。落語家の柳家小さん師匠が末端の兵隊として参加。細かいことは知らされておらず、実弾を渡されてビックリした。落語を披露するも全くウケず。

 

二・二六事件(Wikipedia) はもちろん知っている。たしか内海桂子師匠(Wikipedia)が当時仕事をしていて、物々しい雰囲気だったというようなことをTwitterで語っていらした気がした。柳家小さん師匠(Wikipedia)が参加していたというエピソードは、元落語家の伊集院光氏が語っていたこと。落語を披露っていうのはどこでしたんだろう? 兵士として集まった時? 

 

自身も五・一五事件(Wikipedia)とセットで考えてしまっていたけど、226は規模が全然違ってクーデターであるっていうのは興味深かった。

 

青年将校たちが決起。内大臣斎藤実(Wikipedia)、大蔵大臣高橋是清(Wikipedia)が死亡、侍従長鈴木貫太郎(Wikipedia)は重傷を負うが、総理大臣の岡田啓介(Wikipedia)は脱出した。青年将校たちはこの4名を国家に巣食う悪と考えた。警視庁を占拠。政治クーデター。何故なのか?

 

高橋是清が暗殺されたことは憶えてたけど、4人を襲撃したのね? 何故この4人を国家に巣食う悪だと思ったのだろう? その部分については説明がなかったし、そこ掘り下げるのは25分では時間が足りないのだろうね。それはWikipediaとか読み込んだら分かるのかしら? 

 

大正から昭和に変わり、天皇の姿を大きく見せるように画策した。昭和天皇を明治天皇の再来というカリスマ性を持たせた。君民一体(君=天皇、民=国民)を推し進める。直訴する人が増えた。女性、植民地出身者、被差別出身者。天皇は自分たちを分かってくれる。226将校たちも同じ? 天皇と国民の間を邪魔するもの(=君側の奸)があってはならない! 排除しなければならない!

 

天皇に直訴する人が増えたとのことだけど、もちろん文字通り直接会って訴えたわけではないと思うので、いったいどうやったのかしら? 思いつくのは目安箱的な? 君民一体についてはWikipediaはなかったのだけど、君臣共治(Wikipedia)と同じかな?  君側の奸についてはコチラ(君側の奸とは -日本語表現辞典 Weblio辞書)によると、君主の側で君主を操り悪政を行わせる人ってことなのね? 将校たちは4人をそう思っていたということなのか。

 

1936年2月26日早朝。80人の兵隊が皇居に向かう。皇居を占拠し天皇を自らのもとへ向かえるため。高橋是清を暗殺した中橋基明中尉(Wikipedia)率いる近衛兵第三連帯第七中隊。清張はこの中橋中尉の動きに注目。ある意味226の中心人物で、成功と挫折の象徴。

  

午前6時皇居到着。午前7時半坂下門の警備につく。成功目前だったが、警備につくまでに1時間半かかったことが明暗を分ける。宮城守衛隊司令官門間健太郎少佐が疑惑を抱き、部下を坂下門へ向かわせる。中橋中尉はまさに警視庁に向けて手旗信号を送ろうとしていた。警視庁では500名の兵隊たちが信号を待っていた。中橋中尉は引きずり降ろされ、手旗信号は未遂に終わる。従来は"待つ"  君側の奸を排除すれば天皇がホメてくれる。将校たちにも計画があり天皇を手中に収めようとしたのだと清張は考えた。皇居で皇軍同士が撃ち合う状況は避けたいと中橋中尉は躊躇した。

 

どうしても暗殺の方がショッキングだから、そちらに目が行きがちだけど、実際のほころびというのはこういう部分だったりするのね。何故警備につくまでに1時間半かかってしまったんだろう? 門間少佐が不審に思ったのは、時間がかかったこともそうだけれど、次々に暗殺の知らせが入って来ていたからだそうなので、この辺りの情報戦が明暗を分けたともいえるのかも。

 

しかし、この流れはドラマチックだね。暗殺という劇的な出来事よりも、こちらの方に注目する清張の気持ちも分かる。一見地味だけどかなりドラマチック。そして、皇居での撃ち合いを避けた中橋中尉の心の動きも興味深い。はやり天皇の存在は大きいということなのかな。

 

秩父宮の動きに注目。226発生当時、青森県弘前市にいた秩父宮は急遽東京へ戻る。決起将校である安藤輝三大尉(Wikipedia)と仲が良かった。黒幕と疑われるのもいとわず帰京したのは、安藤大尉に加勢しようとしていたのではないか? 事件を知り昭和天皇は激怒し、朕自ら討つと言った。秩父宮は貞明皇后と1時間密談。皇后は将校たちを擁護。秩父宮は将校たちに自決促す。貞明皇后は秩父宮をかわいがっていたという説。秩父宮がことを起こさないようにけん制したのではないか? タブーに踏み込む。

 

清張が描きたかったのはここなんだろうなと思う。実際、秩父宮(Wikipedia)と貞明皇后(Wikipedia)との間でどんな会話がなされたのか、昭和天皇(Wikipedia)よりも秩父宮をかわいがっていたのは事実なのかは不明なので、秩父宮の動きが何に基づいていたのかは分からないけど、クーデターの首謀者が昭和天皇ではなく、仲のいい秩父宮をかつごうと思っていても不思議はないわけで、そういう視点で見ると昭和天皇の胸中は穏やかではなかったはず。自分が知る昭和天皇はすでにご老人で、いつも穏やかだったから激怒したというイメージがわかなかったけれど、これが本当ならば激怒しただろうと思う。それにしても朕自ら討つは激しいね。本当なのかしら?

 

「昭和史発掘」の当時の世間の評価は? 学者たちは冷ややかな態度。フィクションを書いている人間だから。蔑みは清張の原動力。エリートではない。スゴイ観察力。書かずにはいられない。

 

皇室の内幕を憶測しているわけで、それこそタブー中のタブーだから、学者たちは冷ややかでしょうね。実際、上記のようなことがあったのかは不明で、おそらくこれからも解明されることはないと思うけれど、人々の動きを見逃さず、そこから湧き出た思いを書かずにはいられないという感じは分かる。

 

「昭和史発掘」の資料をもとに書いた未完の歴史小説「神々の乱心」が第4回目となる。

 

ということで、4回目も早く見なきゃ!!

 

100分de名著:毎週月曜日 午後10:25~10:50

100分de名著

 


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2 コメント

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ちょっと質問です (タムラ)
2020-06-09 00:46:20
先ほど、100分de名著の松本清張の会を見終えたところです。昭和史発掘で「中橋中尉」が警視庁に手旗信号を振る件がありますが、警視庁にはクーデターを起こした側、つまり中橋と同じ側の人々が待機していたということでしょうか??
返信する
Unknown (maru🎵)
2020-06-11 23:12:14
>タムラ サマ

お返事遅くなり申し訳ありません🙇‍♀️

ご質問の件、自分は中橋中尉と同じ側の人物が待機していたと解釈しました。
返信する

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