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【cinema】『スターダスト』

2007-10-25 23:11:22 | cinema
'07.10.24 『スターダスト』@東商ホール(試写会)

「イギリスのウォールという壁に囲まれた村に育ったトリスタン。恋するヴィクトリアに振り向いて欲しい彼は、彼女の誕生日までに流れ星をプレゼントするため旅に出る。しかし、魔女、王位継承を狙う王子も流れ星を狙っていて・・・」という話。いわゆる冒険ファンタジー。以前、大好きな『ロード・オブ・ザ・リング』公開時に読んだ記事に、本当のファンタジーはむしろ残酷で大人向けであると書いてあった。確かにペローやグリムの童話なども、実際はすごく残酷だったりする。残酷なのがいいと言っているわけではない。ただ、本来の毒みたいなものが、子供向けに削られていってしまったことで、ファンタジー=子供向けという図式が出来上がってしまったように思う。もちろん子供向けに素晴らしい作品が作られることは大切なこと。でも、これは・・・。どっちでもないかな(笑)

話はとても分かりやすい。最初の30分でオチは分かる。あとはどれだけ映像や、そこに至る伏線で楽しませるかだと思う。チラシに「宮崎アニメの実写版を見ているようだ」と書いてあったけど、まさにそんな感じ。不思議な動力で動く空飛ぶ船とか、意外に心優しいその船長とか、稲妻を武器に使うとか、いかにも宮崎アニメに出てきそうな感じ。デザインもいい。流れ星が美しい女性の姿で現れて、素直で無邪気な反面、意外にたくましかったりする感じも、とってもアニメ的。原作は『もののけ姫』の英語版脚本を担当したニール・ゲイマン。影響あり?

出演者は意外に豪華。前出の心優しく女装癖のあるキャプテン・シェイクスピアはロバート・デ・ニーロ。デ・ニーロ特有の泣き笑い顔での大芝居。ダサくてひ弱いトリスタンを立派な青年に鍛える師匠的な役割もある。この辺りはサラリと流してコメディータッチで描かれる。ちょっと『チーム・アメリカ』のモンタージューを思い出した(笑) 今回の敵役の魔女ラミアはミシェル・ファイファー。『ヘアスプレー』に続きコメディー色の強い悪役だけど、この路線を狙っているのか? 昔は雰囲気のある美女役がお得意だったのに・・・。ストームホールドの王にピーター・オトゥール。ナレーションにイアン・マッケランなどイギリスの名優の名も。これまた敵役の王子セカンダスにはルパート・エベレット。かつての『アナザー・カントリー』の美貌(好みじゃないけど・・・)の面影が全くなかったのにはビックリ。でも、ラストの人形のような動きの演技は笑えた。

流れ星のクレア・デーンズは『ロミオとジュリエット』では美しかったけど・・・。でも、ただ美しいだけの美女よりも、少し個性的な感じが流れ星役というビックリな役どころにはいいのかも。脇のキャストに力を入れすぎたのか、主役トリスタンのチャーリー・コックスには全く華がない・・・。哀しいくらい華がない。こういうタイプの映画は役者の演技にはなかなか目が行かない。キャラクター自体が濃いから。トリスタンの最初のダメ男ぶりを最後まで払拭できずといった印象。イヴェイン(流れ星)の誤解を生む行動にしても「大人になれ!」ってアンタだろうと思うし(笑) まぁこれは役者の責任ではないけど。でも、スカッとした行動と思えなかったのは脚本のせいもあるけど、彼に説得力がないからと言ったら厳しすぎ? 約束を守りたかったというより、子供っぽい仕返しにしか見えなかった。

全体としてアニメ映画の実写化を見ているようだという印象。だったらアニメの方がよかったのかなぁ。でも、イギリスのアシュリッジの森(ハリポタの撮影でも有名)で撮影したという風景は美しかった。バビロンのロウソクで飛んでくるところとか、王子達の幽霊とかは楽しかった。城のデザインのやり過ぎ感もおもしろい。

子供が見たら楽しいのか、大人も楽しいのか・・・。う~ん・・・


『スターダスト』Official site

コメント
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