白隠和尚のブログ

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巷説 "三途の川" を渡る (上)

2016-11-13 06:30:17 | 日記
あの世という概念は元々古代インドの民間信仰から生まれたらしい。
あの世は死後世界の思想として中国に渡り、道教と混交した後、平安時代に日本で広まったらしい。あの世には浄土(極楽)と地獄があるという仏教の教えが治世に利用されたようだ。

日本の民間信仰によれば、あの世は三途の川の向こうにあり、死人は皆この川を渡るのだが、怖いからといって渡りを躊躇うと魂は三千世界を
さ迷うことになるらしい。

三途の川は別名を三悪道ともいい、この世とあの世の境を流れる川だ。
三途の川は舟で渡る。岸辺を寨の河原と呼び、もう地獄の一丁目である。
船賃は六文、前払い制で鬼の年寄り夫婦が集金に駆け回っているらしい。この夫婦は死人が渡し賃を持っていないと見るや、衣服を剥ぎ取る
「剥ぎ取りババア」に変心すると江戸時代から恐れられている。子供の頃、私は遺族が棺の中の遺体に六文添えて、渡川の無事を願う姿を見た記憶がある。

さらに昔の伝承によると三途の川には渡し舟は無い時もあって、死人は歩いて渡った事になっている。
前世の行いの善い人は橋を渡ることが許されたが、少し罪の軽い罪人は
浅瀬を渡り、極悪人は深見を渡らねば行けなかった。

しかし本当に怖いのはこれから、向こう岸には閻魔様が鬼を従えて仁王立ちして待ち構えており、ここで最後のお裁きがある。

詩人、正岡子規は著作の中で[閻魔大王ならびに検事役で赤鬼と青鬼の尋問を受けた。そのお裁きは子規が地獄に来たら鬼達は子規をボールにして鉄棒で打ってやると宣告をうける]と茶番めいた話を書いている。

(下) に続く






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