〈娘とお茶を〉
娘が買い物に誘ってくれたので一緒に出掛けた。
先ずスタバへ。久し振りにエスプレッソが飲みたいし、
入院中から励ましてくれた多くのスタッフの皆さんに元気な顔を見せたかった。
店の入口の列に並びひょいと後ろを見ると滅多に珈琲を飲まない娘も並んでいる。
此所に入るのは初めてのはず。
どうやら私がスタバの噂をするので自分でも覗いてみる気になったらしい。
女性スタッフは相変わらず美人揃い。
お嬢さんスタッフ、若奥さん風スタッフ、おばさんスタッフとそれぞれ目が合うと
「あら和尚さんお元気そうで・・・」と祝ってくれた。
お目当ての「笑顔のお母さん」とも再会出来た。
彼女は最初少し微笑んだがすぐ真顔になった。
3ヶ月前、普通だった私が今、酸素ボンベを曳き、
鼻チューブで呼吸する姿を目の当たりにして言葉を失っているように私にはみえた。
スタバを出てショッピングモールの中を歩く。
ボンベを載せた台車が邪魔で歩き難い。娘が店を変えようと言ってくれてほっとした。
私は自分が身体障害者であることを改めて実感した。
お わ り