晴、11度、68%
私の家にある家具は同じ所で作られたものばかりです。結婚して買い揃えたもの、この家に帰って来て必要に迫られ求めたもの、父母から受け継いだ家具たちです。父母から受け継いだ家具はほとんどが私の年齢より上の家具です。70歳、80歳でしょうか。手作りのみずめ桜で作られたこの家具たちは堅牢だと思っていました。家具の角にぶっつかると人間の方が青あざを作ります。引越しの運搬を手伝ってくださる方もプロの方ですら重たいとおっしゃいます。
この家に帰って来てよくよく見ると、座卓の木の継ぎ目が割れかかっていたり、食器棚の板戸に割れ目が入っています。使う分には支障がありません。木の家具は乾燥が一番の敵だと聞きます。水拭きを心がけています。
「ロッキングチェアー」も古い家具の一つです。子供の頃、勢いよく揺すっていると勢い余って椅子が前のめりになったこともありました。母が一人でこの家に住んでいた40年近く、「ロッキングチェアー」はいつも服が積まれていました。脱いだ服を椅子の上に放ってありました。私ももう喜んで揺する歳ではありませんでした。
受け継いでからは座敷の縁側部分に置きました。この座敷、冬の寒さは一入です。初夏から初秋にかけてこの「ロッキングチェアー」に腰掛けるようになりました。本を読む時、刺繍をする時、編み棒を持つ時。揺れて不安定ではありません。重さもありますが昔の家具ですので座面の高さが低く出来ています。もちろん時には揺らして座ります。
数日前、「ギシギシ」と音がしました。座面の敷物を取ると真二つに割れ目が入っています。秋に入り空気の乾燥が続いています。それにもういいお歳です。修理に出すにしても作り元まで送り返す運賃が必要です。考えた挙句、接着剤で私が直すことにしました。本職の方でも接着剤で直すと聞きます。ならばと「強力木工速乾接着剤」を買って来ました。接着剤がはみ出ます。うまく割れ目に入りません。薄いプラスチックの板を使いながら作業をしました。そのままにしていては割れ目が開きます。専門の人はここで「万力」のようなもので家具を締めるのだそうです。「さあどうやって締めようか?」小さな頭を使いました。
横倒しにして安定させその上に消火器を2本乗せました。消化器はかなり重たいものです。このまま放置することまる2日、すっかり固まっています。恐る恐る座って揺すりました。大丈夫!接着剤の痕跡が残っていますがいつかスレて無くなることを願います。椅子、しかも揺れる椅子です。素人修理ではいつまで持つやらわかりません。また割れたらまた直して使いましょう。「長年ご苦労様」