気 楽 荘

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星を継ぐもの

2015年01月22日 | 「 ぶんこ 」
昨年、アーロン・エルキンズと共に
自身のお気に入りの作家に登録されたのが
ジェイムズ・P・ホーガン。
SFファンの方達からしたら
「何を今さら」と思われるかも知れない。
代表作「星を継ぐもの」のタイトルは
中学か高校生の頃には認知していたが、
今のように、大型の古本屋など存在せず、
学生のおこずかいではなかなか購入し
読むところまで行かなかった。
その後、角川の映画とのタイアップ企画で
知った多くの作家の物を読むようになり、
その当時、興味のあった作品は
「いずれ機会があれば読むだろう」と忘れてしまった。

昨年の夏ごろ、大型古本店の格安コーナーで
「ガニメデの優しい巨人」をみつけ、
粗筋を確認したところ、それが、
「星を継ぐもの」の続編だと知り、
続編がこのコーナーに並ぶのなら
あれもあるだろうと、「ガニメデ・・・」を
購入し、別の店などを回って・・・。
だが、「探すと見つからない」の格言?のとおり、
見つけるまでに1ヶ月を要した。

で、ジェイムズ・P・ホーガン著、創元推理文庫
「星を継ぐもの」を読んだ。
最初は、行き帰りの電車の中で読むつもりだったのが、
ほとんど一気読みしてしまった。
もちろん、続編の「ガニメデ・・・」もそう、
さらに、三部作の最後「巨人たちの星」も、
古本屋を探し回って購入し続けて読んだ。
(最近、更に続編?スピンオフ?の「内なる宇宙」という
続編があるのを知って、下巻だけは購入済み)

地球の月で深紅の宇宙服を着た遺体が発見された。
だが、国連の月面基地に問い合わせても行方不明者はおらず、
さらに、チャーリーと名づけられた遺体は5万年前に死亡している
ことが明らかに・・・。
このあたりまでで、自分のツボをグイグイ刺激され
引き込まれていった。
その後、チャーリーが生きていた時代に、
地上に高度な文明が発達していたのなら
その痕跡が見つからないのはなぜか?とか
主人公であるヴィクター・ハント博士が
開発したトライマグニスコープによって
解析された、チャーリーのメモ帳の記載から
カレンダーと思われるものが見つかってからの
度量衡の発見やチャーリーの身体的特徴や
その精査による考察により、
チャーリーが地球以外の星で進化したという展開。
物語の敵役的扱いの生物学者クリスチャン・ダンチェッカー博士の
鉄壁な論理展開による、それはありえないという否定を
経て、全地球規模での論争。
そして、木星の衛星ガニメデでの完全な地球外生命体の
巨大宇宙船の発見で、一気にその謎が深まっていく。
巨大宇宙船には、かって、地球上に生息していた
動植物が積み込まれていた。
更に、地球人とはまったく異なる起源と進化を持った
異性人の遺体。これらとチャーリーのつながりは?
そして、佳境とも思われる謎解きが・・・。

簡単に書くとこうなんだが、自分の文章力では
この間の濃密な展開を書き記すことはできない。
ぜひ、興味を覚えた方には、読んでみることをお勧めしたい。

で、佳境と思えた謎のその先には
あっと驚く結末が用意されていた。
まぁ、この結末は現在の有力な定説からすると
「うーん」という感じだが、そこはSFなんだし
夢があっていいんじゃないかと思う。

続編の「ガニメデの・・・」では更に人類と
ガニメアンと呼ばれた異性人との
ファーストコンタクトや異なる起源と進化を経た
異性人と地球人の交流が、
万能コミニュニケーションツールと呼べる
ゾラックを通してほのぼのとした感じで
綴られるが、その間にも人類の進化が
なぜ進んだのかという謎や
母星を去っていったガニメアンたちの
行方はといった展開。
そして、自分が一番好きなエピローグでの
通信をめぐるやりとりなど非常に楽しく読めた。
そして、「星を継ぐもの」のラストで感じた疑問や
「ガニメデの優しい巨人」でのエピローグの締めくくりを
「巨人たちの星」で楽しむのだが、コチラは
すこし、これまでとは趣がちがう展開で
政治的な話が絡めてあって「ん?」という・・・。
でもまぁ、それなりに楽しめた。

今は、「揺籃の星」を読み始めている。
ストックには「造物主の掟」や
「内なる宇宙(下巻)」などもあり、
しばらくはJ・P・ホーガン作品を楽しめるだろう。

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