有名な絵画や彫刻が誰の所有か、
どこの国のなんという美術館にあるか、
気にしたことはない。
だが、その所有権が不当に取得されたと聞くと
やはり、正当な所有者に返されるべきだと思う。
亡くなった姉の遺品から出てきた手紙によって、
ある絵画を取り返す決意をしたマリアは、
知り合いの息子で弁護士のランディに相談。
正にその時、オーストリアが
戦時中の略奪美術品の返還を行うという事を知る。
その美術品のタイトルを聞き
「それは無理だ」と断ったランディだったが、
それの価値を知り、駄目もとでと
オーストリアへ出向くことを承諾する。
ただし、それにはマリアも同行するという条件付。
だが、ユダヤ人迫害のなか、両親と分かれて
死ぬような思いをして脱出したあの国へ帰ることは
マリアにとっては美術品を取り戻すよりつらい事だったが、
逡巡の末、同行し、審問会に出ることに同意した。
審問会が終わり、会場を出たところで
目つきの悪い男に声を掛けられる。
「過去のことは忘れるんだ、ホロコーストのこともな」
その言葉に呆然と立ち尽くすマリア・・・。
審問会の結果はクリムトの絵画
「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」を含む
絵画は返還されないというもの。
その先に進むには180万ドルの供託金を
出して、裁判を起こさねばならない。
小さなブティックを経営しているマリアには
到底出せる金額ではなく、
二人はあきらめて帰国した。
帰国したランディは出国前の駄目もと程度の
考えが、あの地で感じた、
自分の祖父達の受けた迫害の様子を感じ、
マリアの叔母であるアデーレに対する思いを知り、
何とかしようと動き出す。
オーストリアでの裁判は無理だが、
いくつかの条件が当てはまるときには
アメリカでの裁判が可能であることに
気がついたランディはマリアに裁判を起こすよう
説得するが、マリアはすでに諦めてしまったかのよう。
マリアに内緒で訴訟の手続きをしたランディの気持ちに
根負けしたマリアはもう一度、
大切な叔母の思い出のつまった肖像画の奪還に立ち上がる。
この映画、観たいと思いつつ、
行く機会を逃してしまったと思っていた。
正月休みに何を観るかと調べていたら
シネ・リーブルでやっているのに気がつき
観に行って来た。
実話の映画化だから結果は分かっているので
裁判やその他はそれほど興奮するようなものではなかったが
(最高裁での裁判官がマリアたちの
味方のように見えたのは小気味良かったが)
マリアたちユダヤ人が受けた迫害の様子がなんとも・・・。
(残虐な行為とかは描写されていないが)
審問会の後のマリアにかけられた男の台詞
など、あの異常な潮流の中でおこった非人道的な行為が
再び起こることもあるのではないか感じて
いやーな気にさせられたり、
メイドが女主人のワードローブを勝手にあさり、
それが見つかると
「警察をよべば?もっとも呼ばなくてもすぐに来るでしょうけど」と
うそぶくとか、
面識もない者がユダヤ人だからと「ユダヤ人の○○野郎」と
ののしるところや、
勝手に犯罪者の嫌疑をかけられ、財産を略奪されるなど
そして、映画では描かれないがその先にまっていたのは
と連想させられるところが・・・。
(もちろん、映画はそれを強調したりはしていないし、
あくまでもマリアの記憶にのこる当時の様子として描かれています)
長くなったが、とにかく観逃すことがなくてよかった作品でした。
どこの国のなんという美術館にあるか、
気にしたことはない。
だが、その所有権が不当に取得されたと聞くと
やはり、正当な所有者に返されるべきだと思う。
亡くなった姉の遺品から出てきた手紙によって、
ある絵画を取り返す決意をしたマリアは、
知り合いの息子で弁護士のランディに相談。
正にその時、オーストリアが
戦時中の略奪美術品の返還を行うという事を知る。
その美術品のタイトルを聞き
「それは無理だ」と断ったランディだったが、
それの価値を知り、駄目もとでと
オーストリアへ出向くことを承諾する。
ただし、それにはマリアも同行するという条件付。
だが、ユダヤ人迫害のなか、両親と分かれて
死ぬような思いをして脱出したあの国へ帰ることは
マリアにとっては美術品を取り戻すよりつらい事だったが、
逡巡の末、同行し、審問会に出ることに同意した。
審問会が終わり、会場を出たところで
目つきの悪い男に声を掛けられる。
「過去のことは忘れるんだ、ホロコーストのこともな」
その言葉に呆然と立ち尽くすマリア・・・。
審問会の結果はクリムトの絵画
「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」を含む
絵画は返還されないというもの。
その先に進むには180万ドルの供託金を
出して、裁判を起こさねばならない。
小さなブティックを経営しているマリアには
到底出せる金額ではなく、
二人はあきらめて帰国した。
帰国したランディは出国前の駄目もと程度の
考えが、あの地で感じた、
自分の祖父達の受けた迫害の様子を感じ、
マリアの叔母であるアデーレに対する思いを知り、
何とかしようと動き出す。
オーストリアでの裁判は無理だが、
いくつかの条件が当てはまるときには
アメリカでの裁判が可能であることに
気がついたランディはマリアに裁判を起こすよう
説得するが、マリアはすでに諦めてしまったかのよう。
マリアに内緒で訴訟の手続きをしたランディの気持ちに
根負けしたマリアはもう一度、
大切な叔母の思い出のつまった肖像画の奪還に立ち上がる。
この映画、観たいと思いつつ、
行く機会を逃してしまったと思っていた。
正月休みに何を観るかと調べていたら
シネ・リーブルでやっているのに気がつき
観に行って来た。
実話の映画化だから結果は分かっているので
裁判やその他はそれほど興奮するようなものではなかったが
(最高裁での裁判官がマリアたちの
味方のように見えたのは小気味良かったが)
マリアたちユダヤ人が受けた迫害の様子がなんとも・・・。
(残虐な行為とかは描写されていないが)
審問会の後のマリアにかけられた男の台詞
など、あの異常な潮流の中でおこった非人道的な行為が
再び起こることもあるのではないか感じて
いやーな気にさせられたり、
メイドが女主人のワードローブを勝手にあさり、
それが見つかると
「警察をよべば?もっとも呼ばなくてもすぐに来るでしょうけど」と
うそぶくとか、
面識もない者がユダヤ人だからと「ユダヤ人の○○野郎」と
ののしるところや、
勝手に犯罪者の嫌疑をかけられ、財産を略奪されるなど
そして、映画では描かれないがその先にまっていたのは
と連想させられるところが・・・。
(もちろん、映画はそれを強調したりはしていないし、
あくまでもマリアの記憶にのこる当時の様子として描かれています)
長くなったが、とにかく観逃すことがなくてよかった作品でした。