気 楽 荘

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アーロン・エルキンズ

2014年12月30日 | 「 ぶんこ 」
今年、お気に入りの作家に加わったのが
アーロン・エルキンズ。
スケルトン探偵と呼ばれる(本人は嫌がっている)
形質人類学教授ギデオン・オリバーの
活躍する物を11冊読んだ。

最初に読んだのはミステリアス・プレス社刊「古い骨」。
(ただし、これは昨年暮れに読んだのだが)
モンサンミッシェルがミステリの
舞台の一部に使われているのを
「面白そう」と思って読んだ。
骨を観察することで、その人物の
身長や体格、生前、どんな病気を患っていたか、
どんな生活をしていたかを鮮やかに解説してくれる
オリバー教授のキャラクターに好感を持った。
だが、事件の謎解きは、劇的な感じはなく、
読後、「こんなもんかな」といった感じだった。

その後、大型古本店の格安コーナーに
並んでいるので、「呪い!」「暗い森」と
読み進むにつれ、形質人類学者としての
能力以上に、そのキャラクターや
脇を固める登場人物とのやり取りが
ギデオンの魅力を深めてくれていく。
すると、読み終わった後に、
「次が読みたい」と思うようになってしまう。
普通は、同じ作家の作品を続けて読んでいると
「次はちょっと違う作家の物を・・・」と思うのだが、
つい、ストックしている本に
いそいそとカバーをつけていたりする。

それぞれの話でギデオンの脇を固める登場人物達、
ギデオンの恩師でもあるゴ-ルドスタインや
ハワイ出身のFBI捜査官のジョン・ロウ。
「安く旅する」ガイドブックの嘱託編集者のフィル・ボヤジャン。
そして、前妻を亡くしたギデオンの
喪失感を埋め、彼の推理の聞き役、
アドバイザーとして活躍?する愛妻ジュリー。
事件の舞台となる地での捜査担当官も
フランスのジョリ警部や
イタリアのカラヴァーレ大佐など
非常に個性的で頼もしい人物だったりする。
(上記の人物が一冊の中にまとめて登場するわけではないし、
ゴールドスタインは「死者の心臓」では故人となっているが
彼の提唱した「インチキ相互関連の法則」はたびたび、
彼の教えとして登場する)

事件の渦中の登場人物も一癖二癖ある人物だったり、
ギデオンの旧知の人物だったり、ジョンの身内だったり
中々面白い。

個人的には、最愛のジュリーとの出会いとして
重要なはずの「暗い森」はちょっとしんどいと感じたのだが、
それ以外なら、どれから読んでも楽しめると思う。が、
話が進むと増していくギデオンのキャラクターを
楽しむ為には、出版順に読んでいく方がいいのかもしれない。
ミステリアル・プレス社の刊行の作品が尽きたら
ハヤカワミステリ文庫へ進むとよいでしょう。

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