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JR西日本225系5100番台~幾つかの疑問を感じる阪和線用最新型車両

2016-09-02 | 鉄道[近畿・JR]

先月は遠出をはじめ、それ以外の要件も重なり「MAKIKYUのページ」更新も余りできない状況でしたが、遠出の際には初めて乗車した車両が幾つも…という状況で、今日はその一つ・225系5100番台車に関して取り上げたいと思います。

225系はJR西日本のアーバンネットワークにおける最新型の近郊型電車として増備が進む車両で、関西在住の方をはじめ、それ以外でも近年関西へ足を運ばれている方であれば、既に乗車した事がある方も少なくないと思います。

近年のJR西日本新型電車の標準仕様ともいえる0.5M方式による全電動車方式を採用、2両以上であれば1両単位で自在に編成組成が可能となっているのも大きな特徴で、この辺りはJR東日本などの新型電車とは対称的な設計思想が伺えます。

同系導入は2010年にはじまり、先代の223系とは編成単位での互換性がある事から、両者は共通運用され混結して運行する事も日常茶飯事となっていますが、東海道本線・山陽本線を中心に活躍するグループと、阪和線・紀勢本線を中心に活躍するグループでは、窓下の帯色や座席配置などが異なっており、通常運用では同一グループ同士での混結のみとなっています。

2グループの中でも阪和線・紀勢本線を中心に活躍する225系は、番台が+5000された「5000番台」として導入されており、帯色や座席配置などは先代223系の阪和線・紀勢本線を中心に活躍するグループに合わせられていますが、225系自体が今年導入された編成から大幅に仕様変更→100番台として区分された事から、阪和線・紀勢本線向けの最新車両も番号帯が+100された5100番台となっており、今夏に運用が開始されています。

この5100番台では100番台と同様に…

・先頭車前面が既存225系よりもやや丸みを帯びた形状に変更
 
(写真は阪和線・紀勢本線用225系、写真左側が最新車両5100番台/右側は既存5000番台です)

・種別/行先表示のフルカラーLED化&種別幕の廃止


・車内蛍光灯のLED化


などの仕様変更が行われています。

この阪和線・紀勢本線向けの223系は現在全て4両編成、225系も5000番台車は全て4両編成となっており、4両単独か2編成併結の8両いずれかの編成で運行していますが、5100番台は阪和線・紀勢本線向け既存223・225系各車両との併結も行う4両編成だけでなく、専ら単独運用となる6両編成が登場しているのも大きな特徴です。


また先に述べた100番台・5100番台における各種仕様変更は、広島地区の新鋭車両・227形の仕様を概ね踏襲したものと言っても過言ではないと感じたものですが、阪和線・紀勢本線向け車両特有の2+1配列座席である事に加え、外海に面した海岸沿いをはしる紀勢本線にも多用される事から、5100番台では補助椅子格納スペースを小変更した避難用梯子が備え付けられているのも大きな特徴です。

これ以外の227系との差異は塗装・編成構成と運用上の最高速度を除くと、車端部分がロングシートであるか否かと、車内案内表示装置がLED文字案内か大型LCDモニターなのかといったレベルですので、225系の別番台を名乗るよりは、227系の別番台にした方が良かったのでは…とも感じます。

ちなみにMAKIKYUは先月阪和線に乗車した際、阪和線・紀勢本線用にJR西日本が導入した3扉近郊型では初となる6両編成の車両には乗車していないものの、5100番台には関空/紀州時快速と区間快速で乗車機会がありました。

設備的には既存の225系などと大差ない車両と感じ、近郊型車両にしては上等な居住性などは大いに評価できるものでしたが、227系の仕様を踏襲した事もあってか、関西の電車ではJR・私鉄共によく見かける蛍光灯グローブは廃止され、またLED蛍光灯もグローブ付きに近い見付けではないため、天井見付けは既存の225系に比べるとやや簡素と感じたものでした。

阪和線・紀勢本線の快速系列車に関しては、これでも設備的には充分過ぎるレベルで、多過ぎる停車駅や退避・分割併合などでの途中駅停車時間の長さなど、列車設定上の問題が大きいと感じています。

また専ら区間快速以下の列車に充当される6両編成の導入意義は疑問に感じる所で、6両編成での大阪環状線乗入列車を設定するならまだしも、そうでなければ阪和線内の駅に3ドア車用のホームドアを設置するとしても、運用目的などを考慮すると全席クロスシートは逆に問題と感じる位、編成組替も容易な形式だけに、今後先頭車のみ増備して組成変更される可能性なども…と感じたものです。
(阪和線・紀勢本線では先代223系で大規模な編成の組成変更を実施、形態の揃わない車両が混成された編成も多数存在する状況ですので…)

阪和線各駅にホームドア設置を行わないのであれば、30N・40N工事などを施行していない103系を今後末永く使い続けるのは論外としても、大阪環状線から323系導入で余剰となる201系を転用するか、環状線に続いて323系を導入する事で、主に各駅停車充当となる6両編成は既存205系と併せてロングシート車運用にした方が得策と感じる位ですので…