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京王れーるランド視察(車両展示編)

2013-12-02 | 博物館・保存施設等

MAKIKYUは先月、10月にリニューアルオープンしたばかりの「京王れーるランド」を訪問し、京王れーるランド視察に関す記事も公開していますが、今日はその続編記事として、同館の車両展示に関して取り上げたいと思います。

京王れーるランドは多摩動物公園駅直結の立地で、規模的には中規模程度と言った印象ですが、保存車両展示は屋内とは別に設けられた車両展示場での展示(バス1台を除く)となっています。

車両展示場へ足を運ぶ際には、屋内展示場内から直接足を運ぶ事はできず、至近距離ながらも一旦屋内展示場を出場してから、車両展示場へ向かう事になります。

入館券は購入当日中であれば両者共に共通入館できるものの、東京の一部地下鉄駅における他線乗り換え時の如く、構造上一時出場しなくてはならない状況となっており、この事もあってか入館券購入当日は双方をフリー入館(入出上回数の制限なし)となっているのも大きな特徴です。

MAKIKYUは屋内展示を一通り見学した後に、車両展示場の見学に赴いたのですが、屋外展示場は一応白い屋根が設けられているものの、展示車両の撮影にも比較的配慮されていると感じ、この点は大規模な展示を行いながらも、展示車両の撮影には…と感じる某巨大博物館などももう少し…と感じるものです。

展示車両は京王線6000系・井の頭線3000系・京王線5000系・京王線2010系・京王線2400形の5両で、比較的近年まで活躍していた京王線車両2形式が井の頭線車両を挟む光景は、両者で線路幅が異なり、現役時代では物理的にまずありえない京王れーるランドならではの光景とも言えます。
(3000系と5000系(形式は変更となっていますが…)の並びや、5000系に挟まれた3000系という姿であれば、伊予の地において日常茶飯事の光景なのですが…)

 
最も古い2400系は如何にも古豪という印象、MAKIKYUはこの車両だけは古過ぎて馴染みがありませんが、比較的近年まで現役で活躍していた、銚子電気鉄道の古豪デハ801号などを連想させる雰囲気を受けたものでした。
(両者で軌道幅や車体長などは異なりますが、片開き3扉の客ドアや3枚窓の前面、板張りの床である事に加え、導入年代が近い事や製造メーカーなどに共通点があります)

他の車両は京王線における営業運行では全廃となったものの、事業用や地方私鉄譲渡車などで現役稼動車両も存在し、京王線におけるグリーン車の記憶こそMAKIKYUは…という状況ですが、どれも個人的にはそれなりに馴染みある存在と感じます。

2400系と共に2010系・5000系も車内見学可能になっている一方で、3000系と6000系の車内見学は基本的に不可能となっており、同行していた知人は少々残念がっていましたが、6000系は現役の営業車両が存在しない事も踏まえると、期日限定での車内見学などを今後検討しても…と感じたものでした。


2010系に関しては京王れーるランドの保存車両だけでなく、車齢半世紀程度に至る状況における、地方私鉄間でのまさかの再譲渡劇もあり、結構な古参車ながら今日でも現役稼動車両が存在し、それも京王れーるランドのある東京都と隣接し、京王線の現役車両も乗り入れる機会がある県で活躍しています。

首都圏に身を置くMAKIKYUとしては、その気になれば日帰りでの訪問・乗車も可能で、現に彼の地を訪問して乗車した事もありますが、こちらは冷房化やワンマン運転対応など数々の改造を経て活躍しています。


これに対し京王れーるランド保存車両は、京王線での引退が比較的早く、保存車両として君臨している年月の方が長い事もあってか、非冷房車のままで天井が比較的すっきりとしており、余り手を加えられていない点などが異なります。


5000系も地方私鉄譲渡車は大改装を経て移籍した車両が多く、中には座席配置まで改めた編成もあり、譲渡先が多岐に及ぶ事から、現役稼動車両のバリエーションも豊富で、MAKIKYUにとっては地方活躍車の方が御馴染み…という状況です。


しかしながら大規模なテコ入れをされていない姿で特殊な馬車軌の台車を装備、そしてアイボリーにエンジの細帯と言う往年の姿が見られるのは京王れーるランドの保存車だけ(塗装だけなら譲渡先でリバイバル塗装車も登場していますが…)で、5000系に馴染みのある京王ファンの方にとっては、格別の存在かと思います。


3000系は後年大規模なリニューアルが施行された車両で、近年伊予の地に活躍舞台を改めた車両と類似した雰囲気ですので、大規模リニューアルの施行対象から外れ、地方で第2の活躍をしている車両に比べると、登場当時の姿からは…という所ですが、比較的近年の活躍ぶりを知る方にとっては、こちらも親しみを感じる存在かと思います。


6000系は一世代前の主力車両だけあり、あっという間にその姿が…という印象がありますが、屋内展示でもカットボディが2両存在するだけに、どれか1両は一昔前のエンジ細帯の装いにしても…と感じたものでした。


車両展示場ではこれら5両の保存車両展示の他に、ミニSLならぬミニ電車が外周を運行しており、こちらは1乗車100円ながらも、1周するだけの僅かな乗車となっており、今後リニューアルオープン熱気が冷めて入場者数が位置付いてきたら、平日はもう1周…と言った
取り組みがあっても良いかもしれません。

京王電鉄は特別料金を要する優等列車用車両を持たず、それに近い花形的存在の特別仕様車(京急2100系や京阪8000系、西鉄8000系など)もなく、大手私鉄では唯一営業運行車の全てがオールロングシートの通勤型車両のみであるなど、やや華やかさには欠ける面と感じる面もありますが、それにも関わらず退役から結構な年月を経た車両を幾つも保存し、そして今日一般公開に漕ぎ着けた辺りは大したものだと思います。

首都圏大手私鉄では、既に幾つかの大手私鉄において博物館を運営していますが、博物館(ネット上のみに存在するバーチャル博物館を除く)を持たない大手私鉄の中には、通常非公開となっている保存車両を多数保有する事業者も存在しますので、京王れーるランドの運営が軌道に乗り、これに触発される事業者が現れる事にも期待したいと感じたものでした。



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