昨年何度か取り上げました寝台特急・はやぶさ/富士号に関する記事ですが、今日はその続編として、MAKIKYUが一月程前に乗車したB寝台個室「ソロ」に関して取り上げたいと思います。
「ソロ」とは1人用のB寝台個室の呼称(最近は異なるものもありますが…)で、はやぶさ/富士号をはじめとして、幾つかの寝台列車に連結されています。
大半は一般の寝台車両からの改造車で、個室の配列や車両定員数などは列車によって幾つかのバリエーションが存在していますが、はやぶさ/富士号の「ソロ」は個室の1階・2階が枕木方向に入り組んでおり、外観も片側の窓割が非常に特徴的です。
定員は1両で僅か18人となっており、これは幾つかのバリエーションが存在するソロの中でも定員が少なく、占有空間が広い部類に入りますし、鍵のかかる個室だけあって空調や照明をはじめ、目覚ましや車内放送の有無(これは如何にも列車ならではといった感が…)まで設定できる様になっています。
この設備を、定員32名程度の2段寝台が向かい合わせ配置で並ぶB寝台開放室と同じ寝台料金で利用できますので、まあ決して安いとは言えない乗車券+特急券+寝台料金の合計額や、B寝台料金がビジネスホテル1泊分程度に相当する事などを考えると、むしろこの個室で妥当な料金という所なのかもしれませんが、一人旅であればかなり乗り得感があります。
(閉所恐怖症の方や、乗り合わせた乗客との触れ合いを楽しみたい方は別ですが…)
ただソロ自体がはやぶさ/富士号それぞれに1両ずつ(以前記した通り、客車は両列車で共通運用されますので、一方のみを禁煙にするのは難しいです)しか連結されていませんので、個室でさほどの害はないとはいえ、喫煙車のみとなっている事と、通路部分が開放室と異なり、折り畳み式の座席が設置されていない事は、この車両の数少ない難点と言えます。
また車両自体の痛みが目立つ事や、列車設定時刻や車内設備などソフト面での問題点などもありますが、夕方出発してから翌朝目的地に着くまで、車内で気の向くがままにゆっくりと過ごせる寝台列車の旅は格別で、現在首都圏~九州方面を結ぶ唯一の定期寝台列車でもあるはやぶさ/富士号が来年で廃止というのは非常に惜しく、せめて臨時列車でも良いので一本位はこの様な列車が残存して欲しいと感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?
写真はソロ客車の外観(既公開画像)と個室が並ぶ車内通路、ソロ個室(2階:乗車した1階の写真は撮り忘れてしまいました)と個室内設定(JR九州の標記入りとなっている点は注目)です。
北斗星号の減便は、青函トンネルの北海道新幹線工事に関連して、工事間合いを確保する意味合いもあるかと思いますので、他の銀河号などの廃止とは意味合いが異なりますが、北海道方面への寝台列車は他方面と異なり比較的好調であるだけに、列車廃止分は余剰車両(特に個室)の既存列車への増結や、一編成しかないカシオペアの運休日に列車を設定するなどの背策を期待したいものです。
また九州方面寝台列車の現状は芳しくなく、来年で廃止と言われているはやぶさ/富士号の芳しくない状況の一端(利用低調なA寝台個室)を、今日の記事でも取り上げていますが、昔ながらの形態をいつまでも続けていては、一部の年配者やレールファンはともかくとして、大多数を占める一般客からは受け入れられるはずがなく、抜本的なテコ入れが不可欠かと思います。
そちらもコメントで記されている様に、臨時列車としての設定で良いかと思いますし、各列車廃止で余剰となった個室車両を集めた寝台列車を九州方面に一本程度は…と思いますし、その様な列車が実現するのであれば、併食設備の設置までは難しいにしても、時間を急ぐ乗客は皆無に等しい列車になりますので、駅弁購入タイムの設定(下り列車の場合は静岡県内の何処かで10分程度の停車時間を設定)なども期待したいものです。
また運行時間帯の関係もあって、特に首都圏で問題となる運転トラブルに対する対策としては、寝台列車の東京駅発着を止めて品川駅臨時列車ホームを活用する事や、貨物線への経路変更を行っても良いのではと感じています。
しかしながら、毎日のように人身事故や運転トラブルが続き、信用を失った日本の鉄道にこれを求めるのは、酷な話かもしれません。レールファンとしては、実に不本意な発言ではあるのですが・・・