大手私鉄各線をはじめ、日本国内の定期旅客営業を行っている鉄道各線に関しては、今年開業した路線などを除くと、大半の路線・区間を乗車しているMAKIKYUですが、それでも近場で未乗だった路線に一昨日初めて乗車機会がありました。
この未乗だった路線が「相鉄厚木線」で、相鉄本線のかしわ台駅~海老名駅間の途中にある相模国分信号所~厚木操車場(神奈川県海老名市:通称偽厚木駅に隣接)の2.2㎞、通常は回送列車などが走るのみ、現在定期旅客営業は行っていない路線です。
そのため近場に住んでいて線路を見る機会が多くても、相鉄関係者などでもない限りは、まず乗車機会がない路線ですが、一昨日は普段旅客列車が走らない厚木線において、特別に臨時で3往復の旅客列車が運行され、この内の1往復にMAKIKYUは乗車、晴れて厚木線乗車を達成したものでした。
厚木線乗車体験に関しては、事前に相鉄各駅などに告知掲示も出ており、この告知掲示における写真は、個人的には相鉄の他車両に比べると…という印象の10000系が用いられていましたので、路線に関しては関心をそそる一方で、車両面に関しては余り期待していない状況でした。
ちなみに厚木線乗車体験列車はかしわ台~厚木間で運行、両先頭車は先着順定員制、厚木線の終端・厚木操車場では乗降不可能な状況ながらも、当日有効の1日乗車券(期間限定で発売)を所持していれば、誰でも乗車できる状況でしたので、運行日に休みなどが確保できれば、近場の人間は比較的容易に足を運べる状況で、3往復運行でしたので、「厚木線乗車体験○号」という案内も行われていました。
充当車両は相鉄名物と言っても過言ではない直角カルダン駆動を採用したアルミ車ではなかったものの、最新鋭11000系の「そうにゃん」ラッピング編成が用いられ、フルカラーLEDによる行先表示でもそうにゃんが表示されるなど、告知掲示の写真で用いられる10000系に比べると、華があると感じたものでした。
両先頭車は先着順定員制という事もあり、混雑が想定される事からMAKIKYUは中間の電動車乗車を選択しましたが、列車の性質故に先頭車との車両境の扉には「これより先の車両への移動はご遠慮ください。」という告知が出ていたのも印象的でした。
MAKIKYUが乗車した厚木線体験乗車列車がかしわ台駅を出発すると、暫くは乗り慣れた相鉄本線を走り、相模国分信号所で減速→乗車体験の目玉とも言える厚木線へゆっくりと入線しますが、信号所ではそうにゃんが乗客を見送り、車内放送でもこの旨が案内される状況でした。
厚木線に入ると本線とは異なる単線、相鉄の電車で単線区間に乗車するのは初めてでしたが、同線乗車によって国内大手私鉄各社での単線区間乗車も達成できました。
(同じ神奈川県内を走る1社に限れば、上下線が離れ単線状態になっている区間を除くと、単線区間への乗車は僅かな距離しかない他鉄道との連絡線と、実質的には自社線と大差ない状況ながらも、名目上は系列子会社が運行している路線だけしか単線区間の乗車歴がないのですが…)
小田急の線路を跨いだ後はJR相模線とほぼ並行する状況ですので、車窓自体は見慣れた光景でしたが、相鉄の電車内から眺める小田急の海老名車両基地や、相模線の電車などは少々新鮮と感じたものでした。
厚木操車場では乗降ホームなどが整備されていない事もあり、折り返し時間も車内待機でドアは閉じたままでしたが、留置線が何線も並び、閑散とした雰囲気の中で1編成だけが停車しているというのは少々異様な光景と感じたものです。
厚木操車場停車中には厚木線体験乗車列車の乗車記念証配布もあり、1日乗車券購入だけで乗車できる列車にしては、結構なサービスぶりと感じたものでした。
(一日乗車券のそうにゃんスタンプは、厚木線乗車体験列車への乗車時に係員が押印したものです)
厚木操車場発車時には、相模国分信号所で乗車体験列車を見送ったそうにゃんがまたも乗客を見送り、相模国分信号所ではトラックの姿も見受けられた事から、そうにゃんはトラックでわざわざ10分程度の間に移動したのか、それとも複数体のそうにゃんが存在し、別のそうにゃんが現れたのかも気になる所です。
(余談ながら復路では、相模国分信号所でそうにゃんの姿は見かけませんでした)
厚木操車場からのかしわ台方面行は、厚木行よりも早い速度で厚木線内を快調に走り本線に合流、始発駅のかしわ台駅に戻り乗車体験終了でしたが、海老名車両基地脇を通った際には、車庫内に停車している様々な装いの車両に加え、本線を丁度小田急の花形・VSEが並行して走る状況で、レールファンならどちらに乗ろうか迷いそうな光景が展開されたのも注目と感じたものでした。
一昨日の厚木線体験乗車列車は「そうにゃん」ラッピング編成の充当やそうにゃんによる見送りに加え、車内放送でもそうにゃんがゆるキャラグランプリに参加しており、そうにゃんへの応援・投票を盛んに呼びかけ、車内掲示も見受けられるなど、厚木線体験乗車という大ネタで集客を図り、沿線外におけるそうにゃんの周知徹底も目論んでいるのでは…と感じたものでした。
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とはいえサングラスを付け、マントを羽織った気味の悪い某大手私鉄のパンダなどに比べれば、そうにゃんは遥かに愛嬌もあると感じます。
レールファンだけでなく様々な客層が楽しめる乗車体験を企画するという点でも、そうにゃんの登場は決して悪くないかと思いますので、そうにゃんの宣伝と共に普段はなかなか乗車できない厚木線体験乗車という企画を催した相鉄には謝意を示すと共に、今後もこの様な企画で沿線や近隣住民をはじめ、レールファンを喜ばせる企画を催して頂ければ…と感じたものでした。
また厚木線乗車体験列車の運行日には、発着駅のかしわ駅で硬券入場券を発売、1枚購入に付き特別記念券とポストカードを1枚サービスするという企画もあり、こちらも結構な公表を博し発売枚数制限が行われるなど、注目と感じたものでした。