MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

富士急行 6000系電車(2)~車内編

2012-03-08 | 鉄道[甲信越]

先月末に運行を開始し、先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げた富士急行の6000系電車ですが、JR九州や両備グループなどで多数の車両などのデザインを手がけた某デザイナーが絡むだけに、外観だけでなく内装もドーンと変化しています。

 
車内は座席モケット以外、製造当初から変化の少ない車両が多い205系においては、最も異色の存在に変化した車両と言っても過言ではなく、1車内に幾種もの柄が存在する座席モケットをはじめ、外観と同様に水色に塗られた客ドア、車両間貫通路に設けられた暖簾や、吊り輪に木材を使用したつり革などは、非常に特徴的で目を引くものです。


横浜線や八高線など比較的至近で同種車両が活躍し、これらの路線に乗り慣れた乗客が富士急行線を利用した際にも、ただの払い下げ車両ではなく、それなりのインパクトを感じる車両に仕上げられているのでは…と感じたもので、広告枠にこの車両のイラストが幾種も掲出されている点も、観光客などが利用した際に楽しめる仕掛けと言えます。

 
床がフローリング仕上げに改められており、ドア付近には若干の段差が出来ているのも大きな特徴で、外観上素人目には先頭車化改造車である事が分かり難い富士山方先頭車も、乗務員室仕切り扉の位置が中央に設けられ、上下で扉位置が異なる事は、如何にも後に改装した車両である事を強く印象付ける雰囲気があります。

また車椅子スペースの設置をはじめ、半自動ドアスイッチとドアチャイム設置、ドア上にLEDによる次駅案内などの文字表示装置が設置され、英語放送入りの自動放送も流れるなど、地域性や現代のニーズに応じた機能面での強化も行われています。

ドアチャイムや自動放送、全角6文字分のLED文字表示装置などは、JRの中でも富士急行線と直通運転を行っている会社の車両を連想させる雰囲気があり、その一方で内装は同じデザイナーが絡むJR九州を思わせる雰囲気がありますので、全く様相の異なるJR2社が融合したかの様に錯覚させられます。

この様に見た目の雰囲気は、205系→6000系に形式を改めると共に、内外共に大きく変化していますが、20m級4ドア車の3両編成で輸送力車両とも言え、「COMMUTER TRAIN」と名乗っているだけに、オールロングシートの座席など、接客設備面では典型的な通勤型車両と言える205系の原型を踏襲している部分も多く、収容力重視の車両と言った雰囲気も感じられます。

某デザイナーが手がけた車両では、富士急で活躍中の「富士登山電車」をはじめ、幾つもの鉄道で良く見られる本棚やベビーサークルなどの実用性とは程遠い装備はなく、座席自体もモケット以外は205系時代を踏襲しており、化粧板も205系原型を概ね踏襲するなど、個性が強過ぎる車両を次々と世に送り出す某デザイナーの絡む車両にしては、実用本位な印象を受けたものです。

この6000系は元々JR線を走っていた車両だけに、物理的にはJR線を走らせる事もさほど難しくないかと思いますので、大月からJR線に乗り入れての運行を行い、本家205系と並ぶ事で進化ぶりを実感できる機会が巡って来る事にも期待したい所で、また205系は廃車解体するにはまだ…という感もありますので、今後富士急以外の私鉄やJR会社間での移籍劇が続くのかも気になる所です。