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JR東海371系・あさぎり号運用から撤退~小田急線での活躍はもう間もなく見納めに

2011-10-18 | 小田急グループ

大手私鉄とJRの優等列車相互直通運転と言う、異色の特急列車として知られる小田急線~JR御殿場線直通運転の特急「あさぎり」号ですが、来年春にJRが使用している371系電車を、この運用から撤退させる事になり、ネット上のニュース記事やブログ等の個人サイトで多数取り上げられていますので、ご存知の方も居られるかと思います。
(371系のあさぎり号運用撤退に関してのニュース記事は、こちらをクリックするとご覧になれます)

371系は小田急側が同時期に製造したあさぎり号用の20000形RSEと、編成両数や車内設備などの仕様をある程度合わせつつも、RSEとはただの色違いではなく、様々な面で仕様の違いが見られるのが興味深いものです。

1編成しか存在しない事から、検査時などに時折RSEによる代走が行われるのも特徴で、様々な面で扱いが特殊な列車である上に、あさぎり号自体の小田急~JR直通需要が振るわず、小田急・JR東海共に御殿場線と競合関係にある東名高速道路で系列会社が高速バスを走らせ、運行本数や運賃などの面で見劣りする事も考えると、JR側のあさぎり号運行撤退は致し方ないのかもしれません。


個人的には小田急線内よりも、JR線内で乗車する機会の方が多かった車両ですが、小田急ファンのMAKIKYUとしても、個人的に気に入っていた車両の一つですので、来年春以降は写真の様な姿を見る事ができなくなるのも惜しい限りです。

ただ371系自体は登場から20年が経過し、そろそろ更新か置き換えの時期となる中で、あさぎり号撤退後に団体列車用に改装し、秋に再登場すると発表されているのはせめてもの救いです。

再登場の暁には、現在と同様のダブルデッカー2両を組み込んだ7両の堂々たる編成で再登場するのか、それとも短編成化されての再登場となるのかも気になる所ですが、来年秋の再登場時にどの様に姿を変えるのかも気になる所です。

あさぎり号自体は、来年春以降は昔の気動車やSSE車(旧3000形)時代に逆戻りするかの様に、小田急側の片乗り入れとなる模様ですが、RSE自体も371系と同世代の車両だけに、そう遠くない内に何らかの大きな動きがあると考えられ、RSEの今後の動向も気になります。

また現行の小田急側あさぎり号充当車両であるRSEのみで、今後あさぎり号を運行するとなれば、車両編成数(2編成)やあさぎり号の直通利用状況なども鑑み、運行本数の見直し(減少)は必須かと思います。

とはいえ御殿場線はただでさえ運行本数が少なく、神奈川県内では極めて不便な路線として突出する存在で、県境を跨ぐ区間は運転間隔が1時間以上開くことも当り前という状況、おまけにダイヤもパターン化されていないなど、非常に利用し難い状況です。
(一般車両のグレードだけならば、神奈川県内のJR線では他線よりかなり優れており、この点は評価できるのですが…)

来年春のあさぎり号からのJR側運行撤退時には、同時にダイヤ改正を行う事になるはずですが、あさぎり号の運行本数が減るならば、普通列車のテコ入れを行う事で補い、御殿場線全体の運行本数や輸送量を確保するなどの施策にも期待したいものです。
(一般車両を共用している身延線の災害復旧状況にもよりますが、土地柄や現行設備などを考えると、全線通し列車と国府津~山北間列車をそれぞれ毎時1本程度走らせ、昼間時間帯の完全パターンダイヤを構成する位は期待したいのですが…)


(お断り)371系自体はJR東海に所属する車両ですが、今回のあさぎり号撤退は小田急線における大事案である事もあり、「小田急グループ」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。