僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

大きくなったら

2006年08月02日 | SF小説ハートマン
幼児教室のお勉強は、吉田先生との面接練習だった。
「もうすぐ試験だからね、今日は面接の練習をしましょう。お名前を呼ばれたら一人ずつ来てください。」
 
「宇宙君ですね。それでは質問します。最近お母様に誉められたことはありますか?」
「はい、あります。」

「どうして誉められたのですか?」
「テストの成績が良かったからです。」

「うーん、それもいいけど、他にも何かないかな?」
「はい。お手伝いをよくしてくれるねって、誉められます。」

「そうですか、それはいいことだね。・・・宇宙君なかなか調子いいぞ。」

先生にも誉められてボクはちょっといい気持になった。ハートマンの微笑みが目に浮かんだ。「ボク、絶対頑張るよ。いつか必ず仲間になる。」そう心に誓った。

「それでは次の質問をします。大きくなったら何になりたいですか?大きな声でね…。」
「はい、大きくなったらハートマンになります!」
「なにーー!?ちょいとひ、ろ、し、くん。」

吉田先生は天井を見上げて頭をふらふらさせた。
「だめだこりゃ。」  つづく
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