萌えてばかりもいられない!

そんなに色々なことにやたらと深い造詣などいだけないから適当に綴っていこうかしらん

楠木正成(下)、大楠公の立ち位置ってちょっと難しい。

2012-10-16 06:56:29 | プチ萌え
中世のものを初めて、おそらく初めて読んだため、人物・歴史の流れの混沌具合がどうもしっくり来ない(来なかった)のであったが、今ではその複雑な雰囲気を感じ取る素地は出来たような気がする。

まず、建武の新政ってダメダメだということ。

足利尊氏が従い、最後は見放すに至る後醍醐天皇観、そのものが全てである。

で、楠木正成は?

足利・新田で執り行われた倒幕で、また護吉親王(大塔宮)が後醍醐天皇と確執してしまう辺りで、自分の描いていた未来を描けず、かつては共同して動いていた他の悪党(この悪党という出自が。。。。ねぇ)を後醍醐天皇守護の下、仕方なく討伐を執り行っている辺りに悲哀が滲む。


死地に赴かんとする、その前に無心で建立しようとする寺の中の小屋で弟、正季と語り合い、この小説は終了する。


まず、楠木正成の立ち位置をしっかりと書くと、


①領地安堵を掲げられている鎌倉武士とは違い、その管理から逃れ、武装集団を小分けにして管理している豪族、悪党と称される集団。

②倒幕を悪党の手でなし、散らばっているその悪党達の利害を一致させることは難しいものの、幕府を倒し、朝廷軍を組閣し、政治を軍事から切り離し、悪党となっている人々の暮らしやすい世界を構築しようとした。

③天皇を中心とした世界で成し得ると合点するも、護吉親王の篤実さをどこかで愛し、阿野廉子らに誑かされる後醍醐天皇をどこかで煙たく想う様になる。

④足利尊氏は、楠木正成が壮絶な籠城戦を繰り広げた(十数万の坂東武者対500人で半年)狙いは、尊氏が六波羅殲滅に乗り出すまでに赤松則村(円心)が悪党の手で武士集団を倒し、武士階級を根絶することが狙いであったと気付いてしまう。

⑤行きがかり上、最後まで後醍醐天皇に従う楠木正成であるが、足利尊氏を追い詰めても成敗しないのは、残った新田義貞に政治を任せても仕方なく、他の悪党の活路も赤松円心が拠る尊氏を中心とした武士社会がもう一度出現する以外、最後は考えられなくなる、、、という諦めの中で湊川を迎えるのであろうという。。。。結末

⑥悪党の生き方では、物流に目をつけて、利益を生み出す元を考える悪党の楠木正成像は、他の破天荒型歴史英雄とどこかで似通っている気がする。常識を疑い、現状を突破する、その考え方がそのものが。。。



吉川英治の私本太平記を読んだこともないし、他の話もよんだことがないので一切の像がないままこれを受け入れるべきなのかはまだ迷いが生じているというのが正直な感想です。
恐らくこうでも考えないとどこかで辻褄が合わないという線結びの像がこれだと思われます。
少し歴史観を培って、もう少し水を与え、その上で出来上がった像を受け入れようと思います。

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