萌えてばかりもいられない!

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教育とは

2012-06-11 05:42:49 | 日々の疑問
一昨日は久々に大学の先生を中心に勉強会をしようと、OB・OGが企画してくれた会に参加した。

参加した中では、下から数えて2・3番目で、私は一番若い部類に入る。

講師を務めてくださった方には、鮮烈な業務体験の話を色々と教えてもらえた。

次々と日本の中での各国のブランドを確立してきた女性の先輩と、証券、銀行を経て、現在独立されて投資アドバイザーの会社を作られている男性の先輩とから話を聞けた。

定年を迎えられた先輩方からは、全てにおいてフォローの風を受けてきた自分達に対して、この先の未来は暗い。なんとか提案をしろと講師を含めた皆に叱咤が飛ぶ。

気になったのは、やはり金持ちが日本から出て行ってしまうこと。200億円以上稼いだ事業主は、家族と共にロンドンに永住してしまったのだそうだ。イギリスは他国で稼いだ所得に一切の税金をかけないそうなので、シンガポールも同様に、多額の資産を持って、土地なりをシンガポールで購入すれば、永住権、国籍を取ることができるようで、こちらも大盛況。。。。ケイマンを普通に(いかがわしくではなく)口座を持つなんてのは序の口のようで、資産家が相続税、所得税の有利に働く国に移民を始めているという。
自己紹介では、どうしても子供にアメリカの教育環境を与えたくて、夫のいるアメリカに渡ってしまったと先生に報告する先輩も居た。

資産家を日本に呼び込む政策がありかなしかは少し微妙な結論だったが、投資が下手糞だとか、M&Aに展望がないとか、所詮合併、共同出資、全ては人と人の所業。日本の組織の冗漫なたらい回しにも批判続出だが、明るい未来を作るために、頑張ろうと会は締め括られた。

先生はそれを受けて、まず安住財務大臣のことに触れた。
社会科学部と商学部に跨ってゼミを運営されていた先生は、両部のゼミ生が一堂に会することを心から喜んだ。商学部の我々からは、社会科学部のゼミとはどのような面子なのかまるで分からなかった。勿論、向こうからも我々の活動は分からなかったであろう。

社学での同ゼミ出身の安住財務大臣は、最近先生の家を訪れたのだそうだ。
昔話だろうが、安住という名前を”あんじゅ”と先生は呼んでいたそうだ。

そこで、あんな変な名前の奴も大臣になれるんだから、お前等だって大臣になれると叱咤した。

そして、嘆きは自分の後継者のことだった。
ゼミの出身者で大学院に進み、教授になったものは数少ない。

先生はそれが後悔だったそうだ。

その後は今の大学の運営についてで、当時常任理事だった先生は学生との揉め事が起こる度に駆り出されたことが嫌で仕方なかったそうだ。

そして、最近の学生スポーツに話が及ぶと、ヘラヘラと負けて帰ってくることが不甲斐ないらしく、「授業に出てなくたって、"優”を出したれ。」と息巻いていた。あれは、「学校の名前を背負ってるという」立場だそうで、それを使命にして大学に入れた学生に、「授業に出ろ」ってのは酷だと言うのである。

まぁそういうのは学校経営の分野ですので、意見や反論は出なかったですけど、みんなで退官されてからもお元気に話をされる先生の姿を見入っていた。


3次会では諸先輩方に交じって、お話に加えてもらった。どうしても話は先生の話になる。教育についてだ。後継者が欲しいって、実は数人はいるのだが、こういう会に出てこないことを気に病んでいらっしゃるのかもしれなかった。。。

もう一つの話題は、日本の人口が明治維新の頃の4,000万人を切るくらいまで減るという話題についても併せて、、、何故少子化が起きるのか?一因は教育の高額化なのではないかという話題にも話が及んだ。


私は最近読んだ、コラムの話をした。生物は遺伝情報だけで、子々孫々に「世代間の情報伝達」をしていくが、人間だけは、二つの経路を持つ。人間の持つもう一本のスタンダードが「記録と教育」だという話だ。

複線化になると、情報伝達や進化のスピードが早まるものの、ダブルスタンダードは碌なことはないと危惧している。スピードが速すぎると破滅に向かってしまうという(ちょっと飛躍しているかもしれないけど)危惧だ。生命進化はその情報の入れ方如何では、とてもついていけないことが引き金になるというのだ。

結論は、”教育の全力投球”以外に救いの道は無いというものだった。

大学院への進学を申し出た先輩もいたが、先生はそのとき、「お金がかかるから、安易にその道に進むのは辞めた方がいい」と云われたのだそうだ。今の先生の後悔はそこにあるのかもしれない。それに、お金がかかるという現状の中にいらっしゃったせいで、その分野に加担していることになってしまったのかもと類推した。

でもこうしてゼミ生が卒業後に集まってくることが望ましいと思っての発言だったのだろう。「自分がしてきたことは研究ではなく、正しく教育だったのだなぁと思う」と締め括られていた先生の言葉を、先輩方と一緒に感慨に耽った。


話は転々とし、また会える日まで!と会は散会した。

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