ソニー、細胞解析を倍速で
8月に新装置発売
2015/6/18 3:30 日経朝刊
ソニーは17日、細胞の解析を現在販売されている装置より約2倍の速さでできる新製品を8月に発売すると発表した。価格は約1700万円から。研究機関や製薬会社に売り込む。再生医療や創薬の研究で多数の細胞を短時間に評価する需要が高まっているのに対応する。
解析装置の仕組みは、細胞入りの溶液を回路に流しレーザー光をあて、反射光の波長を解析することで細胞の種類や状態を判別する。溶液が多数並ぶサンプル容器をセットし吸引管で回路に順番に取り込むが、従来装置では前の測定の細胞が次の測定に混入することがあり、その確率を下げるのが難しかった。ソニーの新装置は混入率を0.1%以下に抑えることができ、解析の効率が高まるという。
ソニーは2010年に米ベンチャー企業を買収し、解析装置の主要機能の技術を取得。12年には映像分野のブルーレイ技術を応用した初の自社製品を発売した。測定した波長のデータを省略せずに分析する独自の解析技術も搭載している。