自転車のマークについて
輸入自転車には余り貼られていませんが、国産メーカーの自転車やママチャリに貼られているマークについて解説します。
自転車の安全基準として参考になるのが、車体に貼付されている「自転車マーク」です。自転車マークとは、自転車の安全性を保証するとともに、製品に対する責任を明確にするもの。さらに製造上のトラブルで事故が起こった場合、製品の補償や賠償措置が受けられるという、保険的な役割もあります。
自転車マークの中で、シティ車に深い関わりのあるものは、主にBAAマーク、SGマーク、JISマークの3つです。
いずれもメーカー出荷時に貼られるものです。
以下にマークの特徴を記載します。
✅BAAマーク
マーク貼付のタイミング:メーカー出荷時
マーク交付団体:一般社団法人自転車協会
マークの説明
消費者の安全を第一に、業界自主基準である「自転車安全基準」を制定し、更に環境負荷物質使用削減も取り入れ、安全・安心だけでなく環境にも配慮した製品を目指している。これらの基準に適合した自転車に貼付されているのが、「自転車協会認証」BICYCLE ASSOCIATION ( JAPAN ) APPROVEDマーク。
✅SGマーク
マーク貼付のタイミング:メーカー出荷時
マーク交付団体:一般社団法人製品安全協会
マークの説明
対象製品ごとに安全性に関するSG基準が定められ、その基準に適合した製品に貼付されるマーク。同郷会では自転車を含む各種消費生活用製品の安全性を認証している。また、対人賠償責任保険が付いており、自転車の有効期限の目安は購入日から5年間。
✅JISマーク
マーク貼付のタイミング:メーカー出荷時
マーク交付団体:工業標準化法によるJIS認証取得者
マークの説明:
国に登録された機関(登録認証機関)から認証を受けた事業者が、認証を受けた製品またはその包装等に表示することにより、その製品が該当するJIS規格に適合していることを示すマーク。現在、登録認証機関には、一般財団法人日本車両検査協会、一般財団法人日本品質保証機構などがある。
上記3種類のマークと少し正確が違うのがTSマークです。自転車店で貼られるものです。1年間有効で毎年整備をすると貼られるもので、上記の3つのマークがあってTSマークがあると安全で毎年整備された自転車ということになります。
✅TSマーク
マーク貼付のタイミング:自転車安全整備店での点検時
マーク交付団体:
公益財団法人日本交通管理技術協会
マークの説明:
道路交通法例に定められた大きさ、構造、性能等の基準に適合した安全な普通自転車の目印で、同協会に自転車安全整備店として登録された自転車店の自転車安全整備士により、点検・整備を受けたことを示すマーク。TSマークには青色マークと赤色マークの二種類あり、傷害保険と賠償責任保険が付いています。
上記のマークは、自転車を購入する際に安全な自転車かどうかを判断する目安になりますが、実際のところ自転車メーカーは試験をして合格するとマークの発行団体から大量にマークを購入して貼って出荷していますので、試験を製造ロットごとにしたわけではありません。
海外の輸入自転車は、自社試験で確認したり、第三者試験を実施することが多く、余り意味がないという判断で貼っていないことが多いわけです。
自転車のJIS規格について
自転車のJIS規格で主なものに下記があります。
✅JIS D9301 :2019(一般自転車)
小分類: スポーティ車、シティ車、小径車、実用車、子供車
✅JISD9304:2019 (スポーツ用自転車) 小分類: マウンテンバイク(MTB)、ロードレーサー
✅JIS D9115:2018 (電動アシスト自転車)
ここで気をつけたいのは、一般自転車とスポーツ用自転車の規格の違いです。スポーツ用自転車は過酷な環境で使用されるため、特にフレームの衝撃試験、強度試験の負荷がスポーツ用自転車は強く(厳しい)なっています。
自転車専門店に行くとスポーツ用自転車と一般自転車は明確に分けて販売されています。価格もスポーツ用の方が高いです。
ここで気をつけたいのは、一般自転車にも小分類でスポーティ車、シティー車があることです。一方、スポーツ用自転車のマウンテンバイクとロードレーサーがあります。
特にクロスバイクはロードバイクとMTBの中間とされていて、一般自転車のスポーティ車で試験を通していることが多いです。
クロスバイクの価格が安いのは、試験が易しいからなのです。
また、MTBはサスペンションがあるのが特徴ですが、サスペンションがあるのでMTBだと思って購入したら実は一般車のスポーティ車だったりすることが多いことです。
自転車販売店ではどの規格を通っているか確認していないところも多く【なんちゃってMTB】を買ってしまうことも多いようです。
ご存知の通り自転車はパーツの固まりでメーカーも部品メーカーから部品を購入して最終製品を組み立てて出荷します。
ペダル、リフレクター、ブレーキ、ホイールなどにもJIS規格があります。
これらを全てクリアーしないとJIS規格をクリアーしたとは言えません。
実は販売されている自転車の中には、JIS試験を抜き打ちで行うと試験に落ちてしまう自転車が多いのも事実です。(本当のこと言ってごめんなさい)
自転車は価格と見た目だけで選ぶのではなく、なんちゃって自転車を購入しないように規格を理解して購入することとお勧めします。
当社はHeroの自転車を販売していますが、規格とJIS試験の証明書を明示して試験をパスした自転車のみを販売していますので、ご安心ください。