⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

マイクロソフト、カナダのAIベンチャー買収

2017年01月14日 | ロボット
米マイクロソフト、カナダのAIベンチャー買収
2017/1/14 7:33 日経

 【シリコンバレー=小川義也】米マイクロソフトは13日、「ディープラーニング(深層学習)」と呼ぶ人工知能(AI)の最新技術に強みを持つカナダのベンチャー企業、マルーバを買収すると発表した。マルーバの顧問で深層学習の第一人者、ヨシュア・ベンジオ氏をマイクロソフトの顧問に迎えることも明らかにした。AIの開発レースが過熱するなか、有力研究者を囲い込む動きが一段と活発になってきた。



 買収額や条件は明らかにしていない。マルーバはウオータールー大学でAIを学んだ学生2人が2011年にモントリオールで創業した。深層学習を活用した自然言語理解の分野に強みを持ち、投資家には韓国サムスン電子のベンチャーキャピタルなどがいる。

 買収後、マルーバはマイクロソフトが昨秋立ち上げた「AI研究グループ」に加わる。モントリオール大学教授でもあるベンジオ氏は、同グループを率いるハリー・シャム上級副社長に直接アドバイスすることになる。

 マイクロソフトは昨年12月、傘下のベンチャーキャピタルを通じてAI分野に特化したファンドを組成。第1弾として、モントリオールでAI関連ベンチャーを育成するインキュベーター、エレメントAIに出資した。エレメントAIはベンジオ氏らが昨秋設立した。

AI主役スマホ失速 米家電見本市開幕へ 音声操作、車にも

2017年01月06日 | ロボット
AI主役スマホ失速 米家電見本市開幕へ 音声操作、車にも
日本経済新聞 2017/1/5 2:30

 米ラスベガスで5日(米国時間)から開かれる世界最大の家電見本市「CES」の主役がめまぐるしく変わっている。3日に始まった報道陣向け公開では、人工知能(AI)の技術が台頭。自動運転で存在感を示す自動車大手もAIに急接近する。スマートフォン(スマホ)の勢いは早くも失速し、「家電」の枠を超えたハイテクの勢力争いは複雑さを増している。




 「あなたの声だけで家の中の家電を自由に動かせます」。CES会場で大きめの水筒のような装置を前に、中国レノボ・グループの説明員は得意げに話した。



 披露したのは「スマートアシスタント」。米アマゾン・ドット・コムのAIサービス「アレクサ」を搭載。利用者と会話し、無線で照明やテレビを操作する。1台129~179ドル(約1万5000~2万1000円)で、5月から米国や欧州で販売する計画だ。

 アマゾンも自らAI搭載自動応答端末「エコー」を2014年から販売。米グーグルはアマゾン対抗の応答端末を16年11月に発売した。こうした動きを受け、世界の家電大手もAIに接近する。

 米ワールプールは3日、今年から洗濯機など自社家電をアマゾンの「エコー」経由で操作を可能にすると発表し、先行する米ゼネラル・エレクトリック(GE)に追随した。韓国サムスン電子は米マイクロソフトのAI技術を生かしたスピーカーを今年発売する。韓国LG電子もAI対応家電をCESで公開する。

 米民生技術協会(CTA)チーフエコノミストのショーン・ドゥブラバック氏は「声が利用者との間をつなぐ次の重要な窓口になる」と語る。自動応答端末の市場が17年に前年比52%増の450万台、売り上げは36%増の約6億ドルに成長すると予測。「音声認識精度はすでに人間と同等だ」という。

 2000年代のCESの主役はテレビだった。画質や薄型・大型化を競う時代が続き、ソニーやパナソニック、シャープなど日本勢の存在感も高かった。10年ごろにスマホやタブレット(多機能携帯端末)に主役が交代した。

 だが潮目はすぐに変わる。CTAが3日発表したデジタル家電市場予測によると、16年のスマホの世界販売台数は前年比6%増の13億9900万台。10年から14年まで2ケタ成長だったが、伸びは失速。17年の伸び率は3%増とさらに鈍る。タブレットはすでに前年割れ。ウエアラブル端末も勢いが落ちている。

 入れ替わるように自動車の存在感は増している。10年の米フォード・モーターの基調講演から展示が増え、14年から自動車ショーの色合いが強まった。今回、自動車関連は昨年を上回る145社が出展。完成車9社のうち3社は日本勢で、日産自動車は初参加だ。10年ぶりに出展するホンダは自動運転機能に加え、人の喜怒哀楽に反応するAIを搭載した小型電気自動車(EV)のコンセプト車を披露する。

(ラスベガス=香月夏子、兼松雄一郎)


自動運転 保険で補償 東京海上が無料特約 来春、全契約者に

2016年11月05日 | ロボット
自動運転 保険で補償 東京海上が無料特約 来春、全契約者に
日本経済新聞 朝刊 1面 2016/11/8 3:30

 ハンドルやブレーキを自動操作する自動運転車の開発が進み、保険対応も課題になってきた。東京海上日動火災保険は2017年4月から、自動運転中の事故を自動車保険の補償対象に加える。自動車保険の契約や更新時に全契約者に無料の特約として提供、事故の被害者が長期間救済されない事態を避ける。自動運転を対象にした保険は国内初。自動運転の普及がビジネスモデルを変え始めている。



 自動運転は加速、操縦、ブレーキのうち1つの操作をシステムが担う「レベル1」と複数の操作をシステムが担う「レベル2」まで実用化している。レベル2には日産自動車の「セレナ」や米テスラモーターズの「モデルS」が該当する。

 緊急時にドライバーが対応する「レベル3」はまだ実用化していないが、東京海上はこのレベルまでを新保険の対象と想定。ドライバーが運転に関与しない完全自動運転の「レベル4」は実現しておらず、運転者の法的責任の位置づけも決まっていないため、東京海上も現時点で対象に含めていない。

 東京海上による補償は自動運転システムの欠陥などが判明している場合。事故原因が不明で、運転者に責任がなくても保険金を支払う。例えば、自動運転中にシステムの誤作動で走行中に急停止したり、急に制御不能になったりして事故が起きた場合や、無人の車がネットで遠隔操作されるハッキングで事故を起こした場合を想定している。

 自動運転では自動車会社や通信業者など事故責任の特定に時間がかかる。そこでまず運転者に保険金を払い被害者を救済する。東京海上がメーカーなどにまとめて賠償請求するので、運転者や被害者など個人の手間を省け、業者側も対応しやすくなる。

 運転者に過失がないケースでは保険金が支払われず、事故の被害者は自動車会社などに直接、損害賠償請求する可能性があった。個人が自動車メーカーなどに損害賠償を請求したり、裁判を起こしたりするには負担が大きい。ハッキングされた場合も請求先がソフトウエア会社など多岐にわたるため、個人では事実上不可能だ。

 一般的に事故を起こして自動車保険で補償した場合は契約者の等級が3段階落ちてしまい、次年度以降の保険料が高くなるが、特約での支払いになれば等級を落とさずに支払いを受けられる。

 事故が起きた場合に東京海上が運転者に保険金を支払うと、もともと事故の被害者が持っていた損害賠償請求権は運転者から東京海上に移る。東京海上が自動車メーカーなどへの損害賠償を請求する形をとる。

 自動車保険は国内損保の正味保険料収入の5割程度を占める主力商品だが、自動運転が普及すれば従来のビジネスモデルが大きく変わる。保険を活用した形で被害者の早期救済につながる仕組みをどう作るかが課題になっていた。


三浦九段、将棋ソフト使用か 竜王戦挑戦取り消し

2016年10月13日 | ロボット
三浦九段、将棋ソフト使用か 竜王戦挑戦取り消し
2016/10/12 22:09 日経

 日本将棋連盟(谷川浩司会長)は12日、15日に開幕する第29期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催)で挑戦者に決まっていた三浦弘行九段(42)を出場停止処分にしたと発表した。12日記者会見した将棋連盟の島朗常務理事は「公式戦の終盤で、一手ごとに離席するなど疑義を招く行為があった」と説明しており、将棋ソフトを利用したとの疑いが持たれている。三浦九段はソフト使用を否定している。

 将棋連盟は三浦九段を今年12月31日までの全公式戦について出場停止とした。渡辺明竜王(32)との竜王戦七番勝負には、挑戦者決定戦で三浦九段に敗れた丸山忠久九段(46)が繰り上がりで出場する。

 将棋連盟によると、三浦九段から事情を聞いたところ、疑念を持たれたままでは対局できないとして、全公式戦をいったん休場する意向を示したという。だが期限までに休場届が出されず、「タイトル戦の開催が迫っており、混乱を避けるため処分した」(島常務理事)。三浦九段は今後の対応について弁護士と相談するとしている。

 タイトル戦の開幕直前に挑戦者が出場停止になるのは異例。背景には将棋ソフトの棋力向上がある。今年4、5月の電王戦では"人間代表"の山崎隆之八段(35)がソフト代表のPONANZAに2連敗。ソフトの優位がはっきりしてきた。

 特に、終盤の詰む詰まないという局面では、ソフトの方が圧倒的に速くて正確だというのが将棋界の共通認識となっている。棋士の間では、対局中に隠れてソフトを使用している者がいるのではないかとの疑心暗鬼も広がっていた。

 将棋連盟はプロ公式戦で棋士がソフトを用いて対局する不正行為を防ぐ方策を検討。対局室へのスマートフォンなど電子機器の持ち込み禁止や、対局中の外出禁止という規制策を決め、5日に発表したばかりだった。

高級カーナビにとどめ グーグル車載ソフトの破壊力

2016年07月15日 | ロボット
高級カーナビにとどめ グーグル車載ソフトの破壊力
ジャーナリスト 石川 温
日経新聞 2016/7/15 6:30


 グーグルが7月13日から日本で提供を開始した車載用ソフト「アンドロイドオート」。アプリをインストールしたスマートフォン(スマホ)をアンドロイドオート対応自動車に接続すると、クルマやカーナビのディスプレーにスマホの内容を表示するというものだ。こう聞くと、単にカーナビがちょっと進化するだけに聞こえるが、そのインパクトはもっとはるかに大きなものだ。順調に普及が進めば、クルマ離れが進む若者の生活に浸透する可能性もある。

■「ながらスマホ」の事故を防ぐ




アンドロイドオートのアプリを搭載したスマホを接続すると、カーナビの画面がスマホのモノに変わる
 米国ではスマホの普及に合わせてクルマを運転しながら操作する人が増え、それが原因となった交通事故も急増して問題視する声が出ていた。そこで、グーグルと自動車メーカーが協力し、自動車を運転しながらでも操作しやすい画面の構成や操作画面を実現したのがアンドロイドオートだ。
 アンドロイドオートのコンセプトは2014年に発表され、最初に韓国の現代(ヒュンダイ)自動車が対応自動車を投入。その後、30カ国以上でアプリが提供されていた。これまで「日本市場への対応に苦労していた」(グーグル)が、日本語による音声入力や地図の品質が確保できたことで、当初の計画を前倒しする形でサービス提供を開始した。日本で発売されているホンダ・アコードやアウディ、フォルクスワーゲン、マセラッティの一部車種やパナソニックのカーナビ、日産自動車の純正カーナビなどが対応している。

 アンドロイドオートでは、グーグルマップを検索して目的地までナビゲーションしたり、グーグルが提供する音楽サービスを再生したり、アプリ開発会社が提供するアプリを起動させたりするといった使い方が可能となる。

 とにかく安全性を第一に考えており、スマホとクルマをケーブルでつなげば、スマホの画面は触らずに、車側の画面やマイク、コントローラーだけで操作できるのがウリだ。車種によってはハンドルなどに備え付けてあるボタンやコントローラーで操作し、音声を認識させて目的地を調べたり、周辺のガソリンスタンドや飲食店を検索したりできる。また、カーナビの画面を直接タッチしての操作できるものもある。ディスプレーに表示される内容も、クルマ向けに最適化してシンプルな構成になっている。

 ほとんどの場合、アンドロイドオートアプリの入ったスマホを対応のクルマに接続すると入力端子がUSBに切り替わり、あらかじめ備え付けているカーナビにアンドロイドオートの画面を表示するといった動きになっているようだ。ホンダでは「フローティングカーデータ」と呼ぶ走行車の走行データを集めてルート案内に生かす独自のサービスを提供しているが、スマホを接続していてもデータを使用する仕組みは背後で動き続けるという。


ベンツEクラスではハンドにあるマイクボタンを押すと話しかけて操作できる
■ハンドルやシフトレバーで操作
 筆者は、シリコンバレーで対応のメルセデス・ベンツEクラスに乗り一足先にアンドロイドオートを体験してきた。

 Eクラスではハンドル部分にマイクボタンを用意してあり、そこを押すとアンドロイドオートに話しかけることができる。ここで場所を告げれば目的地を検索してナビゲーションを開始できる。また、音楽を再生するといった操作も音声で指示できる。

 Eクラスで搭載しているカーナビの画面はタッチパネルではない。そのため、メニューの選択や決定といった操作はシフトレバー近くにあるコントローラーを回して行う。このあたりの操作方法はメーカーによって実装の仕方が異なるようだ。

 実際に使ってみると、普段から使い慣れているグーグルマップの情報だけに安心感がある。最近はカーナビでも地図データを更新するのが当たり前になりつつあるが、それでも常に最新の地図情報が提供されるグーグルマップを使うのは大きなメリットといえそうだ。



アンドロイドオートは世界中で40以上のメーカーが100機種以上に採用する
 日本では、すでに音楽配信サービス「AWA」がアンドロイドオート対応を明らかにしている。対応車種ではハンドルやシフトレバーから手を離さずに、簡単に好きな音楽を選んで聴けるようになるはずだ。今後、クルマと相性のいいアプリが続々とアンドロイドオートに対応してくれると期待したい。
■普及にはまだ時間がかかる

 現状、日本車であればアコード・ハイブリッド、輸入車はアウディならばQ7とQ4の全車種、マセラッティやフォルクスワーゲンなどがアンドロイドオートに対応する。どちらかといえば、純正カーナビにもお金をかけられる人たちが購入する車種ばかりだ。

 日産の純正カーナビやパナソニックのカーナビも、アンドロイドオートに対応するのは比較的ハイグレードのモデルのみだ。アンドロイドオートが本来ターゲットとしている「カーナビ代わりにスマホで使う」といったユーザーからはかけ離れている印象を受ける。

 例えば、クルマを購入する場合、高級カーナビではなくディスプレーと基本機能のみが使える安価なカーナビを装着し、普段はスマホをつないで道案内をするといった経済的な使い方をしたいユーザーにアンドロイドオートは向くだろう。

 各自動車メーカーやカーナビメーカーは「ハイエンドだけでなく、いずれはエントリークラスの車種にも広げていきたい」と言及している。やはりアンドロイドオートの主力ユーザーは、クルマにあまりお金をかけないユーザー層がターゲットになりそうだ。

 レンタカーもアンドロイドオートに対応してくれれば便利になりそうだ。たとえば、普段使っているスマホを接続すれば、あらかじめ自分で調べておいた目的地をすぐにグーグルマップで呼び出して道案内をしてもらうといった使い方が可能になる。海外旅行でレンタカーを借りる際も、外国語で操作して案内されるカーナビは使いづらくてしょうがないが、カーナビがアンドロイドオートに対応してくれていれば日本語で操作できて安心感もある。

 なお、グーグルは自動運転にも力を入れている。だが、今回のアンドロイドオートは自動運転とは全く別のチームが開発を進めているものであり、現状連携などはとれていないようだ。グーグルとしても、スマホをいつでもどこでも使ってもらうためのひとつの施策としてアンドロイドオートを展開しているだけにすぎない。

 現状は使える車種やカーナビが限定的であり、すぐに試して使ってみようと状況にないのが残念なところだ。そのため、アンドロイドオートが一気に普及することは難しいかもしれないが、将来的に対応するメーカーやカーナビが増えてくれば「いつものグーグルマップをナビとして使う」という習慣も根付いていくのかもしれない。

石川温(いしかわ・つつむ)
 月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜22時からの番組「スマホNo.1メディア」に出演中(radiko、ポッドキャストでも配信)。NHKのEテレで趣味どきっ!「はじめてのスマホ バッチリ使いこなそう」に講師として出演。ニコニコチャンネルにてメルマガ(http://ch.nicovideo.jp/226)も配信。ツイッターアカウントはhttp://twitter.com/iskw226

独アディダス社長「ロボで靴生産」 日本工場開設も示唆

2016年07月05日 | ロボット
独アディダス社長「ロボで靴生産」 日本工場開設も示唆
日経新聞 2016/7/5 0:42

 スポーツ用品の世界大手、独アディダスがビジネスモデルを大きく変えようとしている。柱となるのがロボットや3Dプリンターによるシューズの生産だ。日本経済新聞の取材に応じたヘルベルト・ハイナー社長は「この先の需要増にはロボットによる生産で対応する。欧米の消費地に生産が戻ってくる」と強調。2020年までの日本での工場開設も示唆した。運動アプリを使った健康管理サービスなどデジタル技術をてこに新規事業も拡大、業界首位の米ナイキに対抗する構えだ。

 アディダスは5月下旬、ロボットが靴を生産する「スピードファクトリー」を世界展開する計画を打ち出した。17年後半にドイツで、18年に米国で生産を始める。

 ハイナー社長は過去30年間、靴生産で欧州から撤退し、韓国、中国、ベトナムとアジアの人件費の安い国を転々としてきた歴史を振り返り、「人件費の高いドイツでも少ない人員でロボットの24時間生産ができるようになった。アジア生産の利点が薄らぐ」と強調した。

 靴は衣料品と並び労働集約型産業の象徴とされてきた。消費地である先進国への生産回帰というアディダスの決断は業界での一大転換点となる。

 「アジアでの生産では(消費地まで)輸送時間がかかる」とも指摘。「あらゆる産業の動きが速く、製品サイクルは短くなる。消費地に届く時間が今の6週間から、24時間で届けられる」

 アディダスは今、週1回のペースで靴の新製品を投入する。もともと靴は用途、色柄、サイズが多様で在庫が膨らみがち。消費地で生産する「地産地消」ができれば、納期を短縮し需要に応じたムダの少ない少量生産が可能になり、流行の変化にも即応できると説く。

 現在、年3億足に上る生産規模については「今後、年15%の需要増が見込める。アジアの生産能力は保ち、増加分の年4500万足を(ロボットによる)個別生産で対応する」と説明。「日本は当社にとり4番目に大きい市場。20年までには生産しているだろう」と日本にロボット工場を設けることも示唆した。

 デジタル技術を活用した3Dプリンターによる個別仕様の靴生産も視野に入れる。ハイナー氏は「3Dプリンターで靴底の生産を一部でしているが、現状はまだ高額だ」としながら、ロボット工場の「次の段階が3Dプリンター」とも述べた。

 誰でも靴が生産できるようになれば、アディダスが運営する大規模工場の意義が揺らぐ懸念もある。だがハイナー氏は「アディダスは個人に靴生産の権利やソフトを販売するようになる」と、むしろ「好機」との見通しを示した。

 3Dプリンターにとどまらず、デジタル技術をてこにさらなる事業拡大を図る。象徴が15年に買収したスマートフォン(スマホ)向け運動記録アプリを手掛けるランタスティック(オーストリア)だ。過去の運動履歴や消費カロリーを調べたり、友達同士でジョギングの結果を競ったりできる。世界で1800万人に上る頻繁に使う利用者をアディダス製品の顧客に取り込み、ナイキの同様のアプリに対抗する。

 ハイナー氏は、こうした健康管理サービスは最終消費者との接点を増やし、「スポーツ愛好者が当社製品を買うようになる」と相乗効果を指摘。アディダスの将来の事業モデルは携帯電話販売に加えアプリでも収益を上げる米アップルに近い形に進化していくという。

独アディダス社長「ロボで靴生産」 日本工場開設も示唆

2016年07月05日 | ロボット
独アディダス社長「ロボで靴生産」 日本工場開設も示唆
日経新聞 2016/7/5 0:42

 スポーツ用品の世界大手、独アディダスがビジネスモデルを大きく変えようとしている。柱となるのがロボットや3Dプリンターによるシューズの生産だ。日本経済新聞の取材に応じたヘルベルト・ハイナー社長は「この先の需要増にはロボットによる生産で対応する。欧米の消費地に生産が戻ってくる」と強調。2020年までの日本での工場開設も示唆した。運動アプリを使った健康管理サービスなどデジタル技術をてこに新規事業も拡大、業界首位の米ナイキに対抗する構えだ。

 アディダスは5月下旬、ロボットが靴を生産する「スピードファクトリー」を世界展開する計画を打ち出した。17年後半にドイツで、18年に米国で生産を始める。

 ハイナー社長は過去30年間、靴生産で欧州から撤退し、韓国、中国、ベトナムとアジアの人件費の安い国を転々としてきた歴史を振り返り、「人件費の高いドイツでも少ない人員でロボットの24時間生産ができるようになった。アジア生産の利点が薄らぐ」と強調した。

 靴は衣料品と並び労働集約型産業の象徴とされてきた。消費地である先進国への生産回帰というアディダスの決断は業界での一大転換点となる。

 「アジアでの生産では(消費地まで)輸送時間がかかる」とも指摘。「あらゆる産業の動きが速く、製品サイクルは短くなる。消費地に届く時間が今の6週間から、24時間で届けられる」

 アディダスは今、週1回のペースで靴の新製品を投入する。もともと靴は用途、色柄、サイズが多様で在庫が膨らみがち。消費地で生産する「地産地消」ができれば、納期を短縮し需要に応じたムダの少ない少量生産が可能になり、流行の変化にも即応できると説く。

 現在、年3億足に上る生産規模については「今後、年15%の需要増が見込める。アジアの生産能力は保ち、増加分の年4500万足を(ロボットによる)個別生産で対応する」と説明。「日本は当社にとり4番目に大きい市場。20年までには生産しているだろう」と日本にロボット工場を設けることも示唆した。

 デジタル技術を活用した3Dプリンターによる個別仕様の靴生産も視野に入れる。ハイナー氏は「3Dプリンターで靴底の生産を一部でしているが、現状はまだ高額だ」としながら、ロボット工場の「次の段階が3Dプリンター」とも述べた。

 誰でも靴が生産できるようになれば、アディダスが運営する大規模工場の意義が揺らぐ懸念もある。だがハイナー氏は「アディダスは個人に靴生産の権利やソフトを販売するようになる」と、むしろ「好機」との見通しを示した。

 3Dプリンターにとどまらず、デジタル技術をてこにさらなる事業拡大を図る。象徴が15年に買収したスマートフォン(スマホ)向け運動記録アプリを手掛けるランタスティック(オーストリア)だ。過去の運動履歴や消費カロリーを調べたり、友達同士でジョギングの結果を競ったりできる。世界で1800万人に上る頻繁に使う利用者をアディダス製品の顧客に取り込み、ナイキの同様のアプリに対抗する。

 ハイナー氏は、こうした健康管理サービスは最終消費者との接点を増やし、「スポーツ愛好者が当社製品を買うようになる」と相乗効果を指摘。アディダスの将来の事業モデルは携帯電話販売に加えアプリでも収益を上げる米アップルに近い形に進化していくという。

工場間の情報一元化 経産省・日立、IoT普及へ連携

2016年06月16日 | ロボット
工場間の情報一元化 経産省・日立、IoT普及へ連携
日本経済新聞 朝刊 2016/6/16 3:30

 経済産業省は日立製作所と、工場の生産・開発にまつわる情報を本社に一元化しやすくする仕組みをつくる。あらゆるモノがネットワークにつながるIoTを活用。工場設備に埋め込まれたセンサーから収集するデータの様式をそろえ、効率的に情報を解析できるようにする。他社にもノウハウを開放し、日本の製造業の底上げにつなげる。

 国内のメーカー各社は、現場で蓄積したデータを製品開発や経営判断にいかに素早く有効活用できるかを競争力向上のカギとしている。ただ、工場の機器がばらばらの様式を使っている場合、情報収集のために別の機器を買ったり、システムを開発したりする手間やコストが生じる。

 経産省と日立は工場データを効率的にやりとりするため、日立の工場にある機器や組み立てロボットの情報発信の様式を共通にする。稼働状況や機械の不具合などを素早く把握できるようにする。

 標準化したデータの流出や外部からの改ざんを防ぐため、データの暗号化や改ざんを検知する対策も作る。

 経産省は日立に対し約1億円を助成する。IoTを使いこなす企業の裾野を広げ、製造業の競争力向上につなげたい考え。次世代型の「スマート工場」と位置づけ、日立と作ったノウハウは他社にも有償で提供する計画だ。将来は日本の標準様式の国際標準への採用も目指すという。


IoT普及、産官で協力を イノベーション・エディター ジョン・ソーンヒル

2016年06月12日 | ロボット
IoT普及、産官で協力を
イノベーション・エディター ジョン・ソーンヒル
日本経済新聞 朝刊 日曜に考える (13ページ) 2016/6/12 3:30


 未来がこれほど刺激的なことはなかった。技術的進歩と経済的豊かさをもたらす新時代の到来はすぐそこだ。

 しかし、世界経済の成長率はこの8年中6年で過去20年の平均を下回り、生産性の伸び率は鈍化している。米国の著名インターネットアナリスト、メアリー・ミーカー氏が指摘したように、世界のネット利用者は約30億人と伸び悩み、スマートフォンの普及速度も落ちている。

 アメリカン・オンライン(AOL)の共同創業者、スティーブ・ケース氏は著書「ザ・サード・ウエーブ(第3の波)」で、ネットの普及でほぼすべての産業や生活が一変し、我々は歴史の転換点にいると論じた。あらゆるものがネットにつながる「IoT」の到来だ。

 第1の波では1980年代半ば、AOLなどの先駆的企業がネット技術を広げた。第2の波では米企業のグーグルやフェイスブックが検索・交流サイトを立ち上げ、スナップチャットやインスタグラムがアプリの可能性を広げた。始まったばかりの第3の波では、健康管理や教育、運輸などの産業を一変させるだろう。

 例えば、健康管理では我々はリアルタイムで健康データを追跡するセンサーを身につけることになりそうだ。データに異常が現れたら、我々や医師に知らせてくれる。治療を受ける方法だけでなく、医療制度全体が大幅に変わるだろう。

 だが、シリコンバレーの起業家は彼らだけでは第3の波に乗れない。政府や既存企業にも果たすべき役割がある。ケース氏は著書で「第3の波では関係者の協力が成功の必要条件」と述べている。

 起業家にとっては、政府がどんな政策をとるかがリスクであり障害にもなる。第3の波の恩恵を受ける産業は厳しい規制を受けている。自動運転車を例にとると、政府は普及を促進できる一方、一切認めないという対応もとれる。

 シリコンバレーではお金は美徳であり、政府は事業の障害だという考え方がある。逆に政府や市民には、巨大なデジタル企業が個人情報を悪用し、世論を操作し、脱税していると映る。まずは両者の溝を埋めるすべが必要だ。

(7日付)


グーグル、AIに非常停止ボタン 「暴走」阻止へ開発推進

2016年06月09日 | ロボット
グーグル、AIに非常停止ボタン
「暴走」阻止へ開発推進 日本経済新聞 朝刊 2016/6/9 3:30

 【シリコンバレー=小川義也】米グーグルが高度に発達した人工知能(AI)が暴走した場合に備えて、「非常停止ボタン」の開発を進めていることが明らかになった。AIをいつでも安全に停止できる仕組みをあらかじめ組み込む。急速に進化するAIの悪用への懸念や社会の不安に応える狙いがありそうだ。

 今年3月に世界トップクラスのプロ棋士を破った囲碁AI「アルファ碁」を開発したグーグル子会社、英ディープマインド・テクノロジーズの研究者と英オックスフォード大学の研究者のグループが仕組みを考案。このほどネット上で論文を公表した。

 具体的には「割り込みポリシー」と呼ぶプログラムをAIに組み込み、人間の指示に従わなかったり、人間に危害を加えようとしたりする場合に、その行動を強制的に停止・変更できるようにする。AIが非常停止ボタンを無効化しないよう、あたかも自分で判断したかのように"だます"のがポイントだという。

 研究グループによると、現存するいくつかのAIは安全に停止できるものの、「すべてのAIを安全かつ簡単に停止できるかは不透明」という。

 ディープマインドは2014年にグーグルによって買収される際、社内に倫理委員会を設置することを条件にするなど、AIの暴走リスクを意識した運営で知られる。