かのあゆブログ

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タッチスクリーン端末向けWindowsでも振り返ってみる

2015-02-14 13:23:57 | Windows Phone 8

WindowsのモバイルOSといえば今は「Windows Phone(Windows 10 Phone)」のことを指しますが、さらに昔を振り返るとその先祖として「PalmSize PC」「Pocket PC」というWindows CEベースのOSが存在しています。

Windows 10 Phone Tecnical Preview版が出たので各モバイル向けWindowsのホームスクリーンでも振り返ってみたいと思います。

*Windows Mobile 5.0以前のスクリーンショットがすでに紛失しているため、Windows Mobile 5.0、および6.0、Windows Phoneのスクリーンショット以外は英語版Wikipediaの記事、PalmSize PCのスクリーンショットはこちらから引用しています。

  • PalmSize PC 1.x(98年 Windows CE 2.xベース)
    pspc
    すでにキーボード搭載PDA向けに「Handheld PC」というセットが存在したWindows CEですが、2.0になって当時その優れたUI・コンセプトなどから人気を得ていた3COM社のPDA「Palm Pilot(Palm)」に対抗するためにキーボード非搭載端末向けにリリースしたのが「PalmSize PC」です。当初は「Palm PC」と呼ばれていたのですが、3COMから提訴されかけたために「PalmSize PC」に名称変更されました。
    基本UIはデスクトップ版Windowsに準じたものになっていますが、いわゆる「デスクトップ」は存在せず、PIMアプリであるOutlookのToday画面がホームスクリーンになっています。
    このころはまだWEBブラウザは非搭載でオフラインで観覧する専用の「チャンネルビューア」が代わりに搭載されていました。ただ日本国内ではあまり対応しているサイトが少なかった記憶があります。またファイルは各アプリで管理させるというコンセプトからかファイルエクスプローラも非搭載でした。
    Windows CE 2.11ベースに切り替わり、カラーに対応したマイナーアップデート版「PalmSize PC 1.2」がのちにリリースされています。
    搭載端末:CASIO CASSIOPEIA E-55、E-500、Compaq Presario 213など
  • Windows Powerd PocketPC 2000(00年 Windows CE 3.0ベース)
    Pocket_PC_2000
    2000年にはWindows CE 3.0ベースに変更された初代PocketPCが登場。「OutlookのToday画面がメインスクリーン」なのは基本変わりませんが、UIが大幅に変更され、デスクトップ版Windowsと違うフラットUIを採用し、スタートメニューの位置も丈夫に移動するなど画面が小さいPDAにより最適化されたUIになったのが特徴。また前バージョンではアドオン扱いだったWindows Media Player 1.1が標準搭載されるようになり、新たにファイル管理ソフトのエクスプローラー、WEBブラウザのPocket Interent Explorer、Officeドキュメントを簡易編集できるPocket Officeが追加されるなど、機能面でも大幅に進化したバージョンです。
    個人的にPDA端末に手を出したのがこのバージョンのPocketPCからなのでいろいろと思い入れ深いです。
    ちなみにTodayスクリーンはプラグイン式で今でいうウィジェットみたいなものを張り付けることも可能になっていました。
    搭載端末:NTT DoCoMo G-FORT、CASIO CASIOPEIA E-700、HP Jornada 545&548、Compaq iPAQ h3700など
  • Windows Powerd PocketPC 2002(02年 Windows CE 3.0ベース)
    Pocket_PC_2002_Screenshot
    2002年にはアイコンデザインを当時のデスクトップ向け最新OSであったWindows XPのものと共通化した改良版「PocketPC 2002」がリリース。本バージョンで新たにテーマ機能が追加され、Todayスクリーンの壁紙を変更できるようになりました。
    OSの機能自体は標準搭載のマルチメディアプレイヤーが動画再生できるようになったWindows Media Player 8.0に入れ替わったことを除けば前バージョンPocketPC 2000と大差はないものの、以前のバージョンまで複数CPU(MIPS、ARM、SH)に対応したものをARMに統一したのは本バージョンが初となります。
    それゆえMIPS/SH搭載機は本バージョンへのROMアップグレードが不可能でちょっと寂しい思いをしたものですが…
    ちなみに今となっては信じられないかもしれませんが、このころのOSアップデートは有償でした。フラッシュROM搭載以前のWindows CE機はメーカーに本体を送ってROMを書き換えたりする作業が必要だったり…
    日本では登場しませんでしたがスマートフォン向けに電話通話機能を追加した「For Phone Edition」が追加されたのも本バージョンが初となります。
    搭載端末:NTT DoCoMo Musea、CASIO CASSIOPEIA E-2000/E-3000、NEC PocketGear、hp iPAQ h1920など多数
  • Windows Mobile Software PocketPC 2003/Second Edition(03年/04年(SE)Windows CE.net 4.1ベース)150px-PPC2003_001
    2003年にはOSベースがWindows CE 3.0からWindows CE.net 4.1に変更されたWindows Mobile 2003が登場。「Windows Mobile」名称がつかわれだしたのもこのバージョンが初となります。
    基本機能はそれまで同期ソフト「ActiveSync」で独自形式に変換する必要があったOfficeドキュメントが無変換で観覧できるようになったことを除けばほぼPockertPC 2002と変わらないもののOSレベルで無線LANやBluetoothなどの無線接続に対応したのが特徴となっています。無線内蔵端末が増えたのもこのころでしたね…
    また2004年にリリースされたマイナーアップデート版「Windows Mobile 2003 Second Edition」では横画面切り替えにも対応し、VGA解像度(640x480)に対応しました。
    搭載端末:hp iPAQ h1937/rx3715 Mobile Media Companion、Dell Axim x3/x30/x30vなど
  • Windows Mobile 5.0(05年Windows CE 5.0ベース)
20080516101926
2005年にはOSベースがWindows CE 5.0に変更されたWindows Mobile 5.0が登場。ここにきてUIに手が加わり、画面下にソフトキーが追加されました。
日本では2005年末にウィルコムが日本初のWindows Mobile搭載スマートフォン端末「W-ZERO3 WS003SH」が登場し、この端末にも搭載されていたことから「このバージョン使っていたよ!!」という人も多いのではないでしょうか。
地味にExcel Mobileが旧バージョンより強化され、グラフ作成機能に対応していたりWord Mobileが図の表示(挿入は不可能。これはWindows Phone 8.1までずっと受け継がれています)もできるようになっています。
搭載端末:Sharp W-ZERO3/W-ZERO3[es]、hp iPAQ hx2490など
  • Windows Mobile 6.0/6.1/6.5(2007年 Windows CE 5.0ベース)
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    2007年にはアイコンデザインをVista風に変更したWindows Mobile 6.0、およびそのマイナーアップデート版6.1が、続く2008年には2007年に発表された初代iPhoneを意識したような「Titanium」Todayスクリーンに変更(これもプラグインなので旧来のTodayスクリーンに戻すことも可能)され、ブラウザがPC版IE6ベースに変更され、タッチスクリーンにある程度最適化したWindows Phone 6.5.xがリリースされました。本バージョンがWindows Mobile系最終バージョンとなります。
    搭載端末:Sharp Advanced W-ZERO3[es]、Toshiba T-01A/X02T、HTC Z、touch Diamond、Shift(VIstaとのデュアルブート機で本バージョンベースの独自OS。手を加えるとWindows Mobile 6.0モードとして切り替え可能)、hp iPAQ 112 Classic Handheldなど
    すでに基本設計的にも機能的にも旧態化していたのもあり、コンバージョンの直接的な後継として開発していたWindows Mobile 7.0、コードネーム”Photon”をキャンセルして2010年に別のOSとして再スタートを切ったのが
  • Windows Phone 7.x(2010年 Windows CEベース)
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    2010年に登場したWindows Phone Seriea 7です。ベースOSこそ従来と変わらずWindows CEベースとなっていますが、それまでのWindows Mobileの資産は一切切り捨て、アプリケーションはストアで許可されたもののみ導入可能な仕様に変更されています。
    またMicrosoftのマルチメディアプレイヤー「Zune HD」に先行して搭載されたタイルUI、「Metro(のちにModernに名称変更」UIを搭載したのも本バージョンが初で、のちにこのUIはデスクトップ向けWindows 8にも採用されています。
    Windows Phone 7.0の時点では日本語非対応でしたが、2011年に登場したコードネーム”Mango”ことWindows Phone 7.5にロケールとして日本語が追加され、日本初にして日本最後のWindows Phone端末IS12Tが登場しました。
    のちにWindows Phone 8のタイルサイズ変更機能が追加されたWindows Phone 7.8がリリースされています。
    搭載端末:IS12Tのみ
  • Windows Phone 8.x(2013年)
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    続く2013年にはWindows Phone 8.0が登場。OSのカーネルがデスクトップ版Windows 8と同じNT6.2カーネルに変更され、れっきとした「NTファミリーの一員」に仲間入りしたのはこのバージョンが初です。さらにWindows Phone 8.1では共通のストアアプリが動作する「ユニバーサルアプリ」もサポートし、PC版Windowsでもスマートフォン向けWindowsでも共通のアプリが動作するようになりました。
  • Windows 10 Phone(2015年)
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    そしてついに携帯端末向けWindowsも本家Windowsに統合され、「Windows 10のエディションの一つ」という扱いに変更されました。本バージョンではOS標準アプリもユニバーサルアプリ化され、IEに代わる新ブラウザ「Spartan」が新たに搭載される予定となっています。

Windows 10 For Phoneの新機能について簡単に紹介してみる

2015-02-14 01:18:51 | Windows Phone 8

今バージョンから「Windows Phone」名称が消滅し、デスクトップ向けと同じ名称の「Windows 10」となったスマートフォン向けWindows。すでにWindows Phone 8からカーネルをWindows 8と共通化し、Windows Phone 8.1ではデスクトップ版Windows 8.1と同じストアアプリが動作するユニバーサルアプリに対応するなど、デスクトップ版Windowsとの共通化がすすめられてきましたが、今回から本当にスマートフォン版も「Windows 10」そのものに統合された形になります。

とはいえPC向けのWindows 10がそのまま移植されているわけではなく、スマートフォン向けに最適化された機能のみを搭載したサブセット版、簡単に言ってしまえばAppleのOS XとiOSと同じ関係であり、ぶっちゃけいってしまえば「実質Windows Phone 9そのもの」です。

とはいえWindows Phone 8.1から進められてきたユニバーサルアプリの対応がWindows 10 Phoneではさらに進められ、OSに含まれているプリインストールアプリもPC向けWindows 10と共通化されました。具体的に言えば

フォトアプリ

Microsoft Office For Universal Apps(Word/Excel/PowerPoint)

Outlookアプリ

XBOXコンパニオンアプリ

カレンダーアプリ

ミュージックアプリ

Spartan(新ブラウザ)

がデスクトップ版Windows 10と完全に共通のアプリとなり、デスクトップ、タブレット、スマートフォンそれぞれの画面に最適化される形でまったく同じアプリが動作することになります。

ただし昨日公開された最初のビルドではフォトアプリ以外は未実装で暫定的にWindows Phone 8.1と全く同じアプリが収録されていますが、今後の更新ビルドでユニバーサルアプリに置き換わっていく形になっていくと思われます。

ということで今回のビルドに搭載されているアプリを簡単に紹介したいと思います。

  • スタート画面

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    スタート画面自体は前バージョンWindows Phone 8.1と変わらず、フォルダにも対応したModern スタートメニューなのですが、本バージョンからようやく背景に壁紙を設定することができるようになりました。
    Windows Phone 8.1ではタイルを透過させて壁紙を設定できるようになっていましたが、Windows 10 Phoneでは全体に壁紙を設定できるようになっています。
  • アクションセンター(通知領域)
    先行して搭載されていたAndroidやiOSに遅れてようやくWindows Phone 8.1から実装された通知領域(アクションセンター)ですが、Windows 10では通知領域の項目が増えてより使い勝手がよくなっています。
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  • デスクトップ版Windows 10と共通化したフォトアプリ
    今ビルドでは唯一更新された標準アプリで、デスクトップ版Windows 10にプリインストールされてるものと全く同じフォトアプリが搭載されています。機能的にはWindows Phone 8.1のフォトアプリよりも強化されているようですが、アルバム機能やフォルダ機能などは現時点では未実装となっており、あとからストア経由で更新版が利用できるようになるとのことです。
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  • デスクトップ版Windows 10と共通化した検索アプリ
    検索ボタンで呼び出せる検索アプリもデスクトップ版Windows 10と共通化し、従来のBingでのインターネット検索だけでなく、デバイス内のデータも一括検索できるようになりました。言語設定が英語だとWindows Phone 8.1同様音声アシスタンス機能のコルタナも利用可能となります。
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  • 新しく生まれ変わったエクスプローラー
    Windows Phone 7.x~8.xまでは従来のWindows Mobileとは異なり「ファイルは各アプリでアクセスさせるからファイル管理アプリなど不要」という考えからかファイル管理アプリは一切搭載されていませんでした。Windows Phoneのご先祖ともいえるWindows CE PalmSize PCでも同じような考えからファイル管理アプリは搭載されていなかったためある意味原点に立ち返ったとも言えますが、外部ストレージがサポートされたWindows Phone 8以降では非常に不便すぎたこともあってかストアで公式「ファイル」アプリがリリースされましたが、さらにWindows 10 PhoneではUIが更新されてよりPCと同じ感覚でファイルを管理できる「エクスプローラー」アプリが標準で搭載されるようになりました。
    もちろんWindows Mobile以前のようにシステムファイルにアクセスできるわけではありませんが基本PCのエクスプローラと同じ感覚でファイルを管理できるようになりました。操作感覚的にWindows Phone 8.1用「ファイル」アプリより非常に直感的でわかりやすいです。
    興味深いのはmicroSDカードが「microSDカード」として認識されているのではなく「Dドライブ」として認識されていることでしょうか。まだ公開されていない「For Small Tablets」でもデスクトップUIは搭載されずWindows 10 Phoneに近いものになるとのことからこれもユニバーサルアプリなのかもしれませんね。(当然ストアでこのエクスプローラアプリは公開されていません)
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  • UIが変更された設定アプリ
    設定アプリもUIが変更され、デスクトップ版WIndows 10同様各種設定がカテゴリ別に分類されるように変更されています。wp_ss_20150213_0007

そのほか今回のビルドでは残念ながら搭載されていないユニバーサルアプリ版Officeや新ブラウザ「Spartan」などはMicrosoftが昨日TP版リリースと同時に公開した紹介動画で確認可能です。当然これらの機能も今後の更新で実装される予定なので期待したいところですね!!