英国在住で、日本に来た英国人が、
帰国前に、
「料理のまずい国に帰らないといけないことに落ち込んでいる」
と言っているという記事をネットで見つけた。
「日本の食事は英国とは比べものにならないほどうまい」
というその方、
来日して初日に焼肉屋に行って、そこで食べた和牛の感想は、
「英国でも和牛を出している店はあるが
あれはまがいものだ。
彼らは嘘をついている」と。
この感想を語る配信は
英語で書かれた英語圏視聴者に向けたものであったため、
リップサービスでもないようだ。
私自身の経験でも、
イギリスでおいしいものを食べた記憶がない。
有名な、フィッシュ・アンド・チップスは、
白身魚を油で揚げ、フライドポテトを添えたもので、
揚げただけで、これでも料理か?
と思ったほどだ。
サンドイッチのパンもパサパサで、
日本の食パンのようなものはないらしい。
ていうか、外国を旅行してしみじみ思うことは、
日本の料理の美味しさ。
その原因を様々考えてみたが、
一つには、食材の豊富さ。
海と山に囲まれた土地が、
海の幸、山の幸を提供する。
中東を旅行した時など、
毎回同じような食事で、
食材の幅の狭さをなげいたものだ。
シルクロードを旅行した時など、
海の幸が出たのは、たったの1回だった。
それに四季の移り変わりが加わり、
季節ごとの旬の料理が存在する。
南北に細長い日本は、
奇跡の国だと思う。
それと、日本人特有の創意工夫。
どんな材料でも、
おいしく仕上げてしまう。
イタリア料理でも、中華料理でも。
ローマで食べたスパゲティは、
ぐちゃぐちゃで、
これが本場のパスタか、と驚いたものだ。
なにしろ、飲食店がひしめき、
おいしくなければ生き残れない環境が
料理の腕を磨いたのだと思う。
立ち食いそばの店さえ、おいしいのだから。
それと、地方ごとの料理の豊富さ。
テレビ東京の「運転手さん、うまい店に連れてって」
という番組を見ると、
各地でおいしい料理があふれていることが分かる。
ある人は、日本の食事がおいしいのは、
日本人が「おいしい」と感ずる
舌のレンジがごく狭いからだと言った。
なるほど、アメリカで旅行すると、
こんなのを日常的に食べているのだから、
アメリカ人は味音痴なのだな、と分かる。
学ばないのも不思議。
日本に来てアメリカ人が驚くのは、
菓子のうまさと豊富さ。
アイスの種類の多さ。
それらに驚いても、取り入れない。
アメリカのスーパーに行って分かるが、
お菓子の種類の貧弱さは驚くほどだ。
種類の少ないポテトチップス。
アイスも質より量のバケツみたいな容器に入っている。
英国の料理のまずさ、を綴ったネットの記事。
そのコメントがまた素晴らしい。
中には、文化論や歴史論まで立ち入った卓見もある。
○文化の違いだから仕方がないけど、
やっぱり日本は食べるということへの向き合い方が違うと思う。
メイン、副菜、汁物と、栄養バランス考えて作るし、
食する、ことが生まれたときから当たり前ですもんね。
外国の食卓風景とか見ると、
一品ドーン! みたいなのが結構ある。
作る方は大変なところもありますが、
日本人としてとても自慢できる部分だと思う。
○イギリスに留学した知り合いが、
ホームステイ先で丸ごとのゆでた野菜がそのまま出てきたといっていた。
イギリス人も日本人も別に能力差があるわけではないので、
手間をかけて美味しいものを作ろうとすれば
同じように美味しい料理ができるはず。
しかし、家庭料理に時間と労力を割いて美味しくしようという文化がないと
手間を省いて栄養を取ればいいと
ろくでもないものが出てくることになる。
飲食店もまずい家庭料理よりましであればいいとなると
全体に料理の質が下がるのかも。
○昔聞いた話では、
イギリスでは安くてまずい店と
高くて美味い店があった場合、
殆どの確率で安くてまずい店が残ると聞いたことがあります。
料理の味よりも値段や自宅からの距離など
別のものに重点が置かれる為、
結果的に味が落ちるのだそうです。
近年では海外旅行に行った国民が美味しいお店を作ったり、
国外の飲食チェーン店がイギリスに出店されているので、
どんどん改善されていっているそうなので
そのうちこのようなこともなくなるのでしょうね。
だとしても、うなぎゼリーとか作る国民ですから何とも言えませんけども…
○文化というか宗教の影響が大きい。
同じキリスト教でもプロテスタントのイギリスやドイツは
「清貧」が美徳なので贅沢は禁止。
故に食事も最低限食べれることに感謝する生活をしてきた。
カトリックのフランス、イタリア、スペイン等では、
食事はマナーを学ぶ重要なものとされたので
美味しく食べる為の料理が発展した。
特にフランスでは革命により
王族や貴族に抱えられてきた料理人が解放され、
市中にリストランテを開いたため、
美味しい食べ物を食べる文化が発展進化した。
日本は今でこそ飽食だが、
米が食べれれば満足な時代が長かった。
肉食も仏教の影響で進まなかった。
日本に肉食が一般的になり、洋食が日本食の一部になったのは最近のことですね。
○おそらくだけど、日本はコンビニで買えるような
いわゆる「安い食事」の水準が高いのだと思う。
イギリスのそういう簡易的な食事はかなり不味いと聞いた。
美味しいものは高いお金を出せば食べられるらしい。
日本は安くて美味しいものがたくさんあるので、庶民にはありがたい。
○日本人に生まれたということは相当幸せだということです。
海外で暮らすと、日本人は日本食が恋しくなり、
でも美味しい店がないので、皆、料理がうまくなります。
私は下手だったけど。
アメリカに人生半数以上暮らしていましたが、
チェーン店ばかりで美味しくないので
夫の料理が上達しました。
食べられるベーカリーがない、スイーツがない。
イギリスもそんな感じです。
ただ、イギリスは移民の多い国なので、
インド料理やトルコ料理店はかなり美味しい店がたくさんある。
イギリス人でもそちらの国の料理を食べることで
いくらか食生活が豊かになるかもしれません。
○夫の仕事でイギリスに5年住んだけど、
確かに日本とは食文化が全然違うね。
私は一通りの料理は出来るレベルくらいで
料理上手というほどでは無かったけど、
ご近所さんお招きして和食を振る舞ったらすごく褒めてもらえた。
多分人生で一番褒められたんじゃないかな(笑) 。
それがきっかけでプチ料理教室みたいなのしたり
ホームパーティしたりして、料理のレパートリーも親しい友人も増えた。
帰国すると分かった時に、
あなたのご飯が食べられなくなるなんて…と泣かれたよ。
世界には美味しい物いっぱいあるけど、
日本はトップレベルでご飯が美味しいと思う。
イギリスは紅茶は本当に美味しいし
種類も沢山あるしお茶菓子も美味しい。
文化的に料理よりもそっちに力いれてるんだと思う。
○イギリス料理が美味しくないのは、
歴史的には産業革命が大きかったと言われてますね。
産業革命の結果、家族総出で働くことになり、
家事、特に料理に時間をかけることが出来なくなったため、
というのが現在主流の学説だったはず。
もしイギリスの料理が美味しくないとしたら、
それは食事を楽しむ余裕さえ無くさせた当時の富裕層のせいなのですよ…
○向う(海外) も美味い物はあるけど、総じて高いよね。
手っ取り早く安く済ませるか、
美味くて時間と金を掛るかの二択になってしまう。
日本は店が生き甲斐で好きでしてるってのが結構あり、
それなりにレベルも高く値段もお手頃、
地方でも客が気軽に食べに行く文化があるけど…
海外と比較すると珍しいかも。
出張で仲良くなった米人エンジニアが来日した際、
地元のお好み焼き屋さんに連れってたら、
目の前でおばちゃんが焼いてくれる、
ビール入れてくれて、さらに美味くて…
で本人はチップ払う!と言いだしたけど、
おばちゃんはお代以上は貰わない主義で拒否で、
自分が仕事でも無いのに会計で通訳する羽目になるわ、
面倒だった事がある。
○アメリカとかEUに頻繁に行くけど、確かに不味いね。
と言うか口に合わない。
アメリカの田舎に住んでた時は、
自分自身で作る料理が一番美味しかった。
なぜぬるいスープにのび切った麺に
冷たい具材が乗ったラーメンが
20ドルするから不思議で仕方なかった。
厨房に乗り込みたい気分だった。
まあNYあたり行けば結構美味しい店もあったな。
日本の料理に慣れてしまうと、
もう海外旅行時に食事の楽しみはあんまないかな。
非常食に持って行くカップ麺が一番美味い。
○イギリスって基本痩せた土地だから、
地政学的に不味い飯の文化があるんだよな。
まずい飯に慣れてればそうなるわな。
飯がまずいと言われてるアメリカさんは、
欲望を否定しないから、
濃い味油だくで慣れれば、割と旨いところあるしな。
○イギリス料理にももちろん美味しいものはあります。
が、普通の家庭料理や街の料理屋さんでは
確かに日本ほど美味しいとは思えませんね。
フランス人の知人が同じく知人のイギリス人に、料理が不味いとからかうと、
イギリスにはウスターソースという最高の調味料があったから
料理を工夫する必要が無かった。
と、自慢して言ったので、
私が日本にも大昔からソイソースと言う万能の調味料が有るが、
日本人はさらに美味しい料理を日々追求しているよ。
と言ったら黙ってしまいました。