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ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

独断と偏見によるラフマニノフ

2006-07-12 21:16:14 | 日記
いよいよ明日関大スケートリンクの柿落としってことなので、慌ただしくなる前にさくっと行っちゃいます。私的高橋大輔暴走感想一応、ラスト。
今までのよりは軽いノリになると思いますが、やっぱりスケートとはほとんど関係ありません。あと、私はクラシック音楽にもあんまり詳しくありません。
そして「のだめカンタービレ」は、たまたま知人から借りて6巻くらいまで読んだあと、ついうっかりCDブックを衝動買いしてしまってました。
例によって痛いです。

***

という訳で。
高橋くんのフリーでの曲が「ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番」と聞いた瞬間思ったのは、「ああ、千秋先輩が弾いてたヤツね」でした。ごめんなさい。
本格的にハマったのがうかつにもトリノ閉幕後だったので、実際の演技は中々見る機会もなく、のだめのCD聞いて「これで滑ってたのかー」とか思ってたんですが、実はどうもピンと来なかったんです。

(ちなみに、「のだめ」のラフマニノフの場面はなかなか良いです。序盤しか読んでない私が言うのもなんですが、序盤の屈指の名シーンなのではないでしょうか。個人的には、その前の「ラプソディ・イン・ブルー」のシーンも好きなんですけどね。峰くん好きだし。ていうか、CD買ったのも「ラプソディ・イン・ブルー」が目的だったし)

そして先日、ジャパンオープンで初めて高橋くんの滑るラフマニノフを見たんですが。
不思議なことにそれ以来、頭からこの曲が離れなくなりました。
本当に、仕事中とかにふと気が付くと頭の中で音楽が流れて、「なんだろう、この曲?」と思ってちょっと考えてみて、「あ、そうか、ラフマニノフだ」っていう感じ。
本当に不思議なんですが、そこに滑っている高橋くんの姿はないのです。なのにそれまで何回聞いても印象に残らなかった音楽が、突然くっきりと鮮明になったんですよ。
でも、彼のスケートって、基本的にそうなんですよね。具体的にこう動いてた、こんな技をやったっていうことよりまず先に、イメージが意識の中に飛び込んで来る。
ていうか、そのイメージで感覚を刺激されるのが快感で、敢えて細かい動きを追いかけようっていう気に最初はなかなかならなくてですね、それでもって中毒になるのです。

かくして中毒になり、リピートしまくり(HDDレコーダー買って本当に良かった)、そして気付いたこと。
最後のステップの所、あれってオーケストラが主題を演奏してる所へ、ピアノの音が絡んでるんですよね。クラシックの世界で何て言うのかは分かりませんが、ブラスバンドでもそう言えば、ああいう編曲があったな、と思い出しました。
中学生の時実はブラバンでフルート吹いてたんですが、金管楽器が主題を演奏している所へ、高音かつハイテンポなメロディで絡んで行く訳です。正直しんどいパートですが、それだけに上手くハマればめっちゃ気持ちいいんですよ。
それをね、思い出したんです。
最後のあのステップは、本当にピアノの音と一緒になって、オーケストラの旋律と戯れているように見える。そうやって滑ってる高橋くんに意識のフォーカスを当てると、まるで自分がピアノを弾いて、オーケストラと絡んでるような気がしてすごく気持ち良い。

その時初めて私は、のだめの気持ちが分かったような気がしましたよ。
千秋先輩のラフマニノフを聞いた瞬間衝動的にピアノの所へ駆けてって、「自分もオーケストラと一緒にやりたい!」ってゴネた時の気持ちが。
大ちゃん、ズルい。
私だってできることならあんな風に、音楽と分かり合いたい。
そういう訳で、最近無性にフルートが吹きたくて仕方ないのは、多分高橋大輔のせいです。マンションで吹いたら顰蹙だろうな。

ちなみに。あの演技の振付けでなにげに一番のお気に入りは、最後のステップの一番最初に「ぴょん」って飛ぶ所です。なんか「行くぜ!」って言ってるような気がして、そこから始まる怒濤のステップへの期待に胸がわくわくしちゃうんですよね。

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実はまだちょっと、語りたいことはあるんですよね。
書くべきかどうか迷ったんですが、やっぱり自分の気持ちを整理するにはきっちり言葉にするのが一番なので、その内気が乗ったら書くと思います。
でもその前に、関大リンク柿落としとドリームオンアイスが控えているのです。

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拍手へのお返事。
クリックして貰えただけでも嬉しいですし、増してコメントを貰えると励みになりますので、すみませんなんてことは全然ないです。
実際、難しい状況に放り込まれて大変だったと思いますが、立ち直ってくれて本当に良かった。でないと私は、彼を知らないまま終わる所でした。

独断と偏見によるノクターン(その2)

2006-07-12 00:07:20 | 日記
なんだか、フィギュアスケートの周辺も賑やかになって来ましたね。思えば去年まで、夏場にスケートのことを気にするなんて全然なかったんですが。
……というわけで、私的高橋大輔暴走感想の第3弾。「ノクターン」に関して、前回とはちょっと違う視点で語りたい部分があったのでもう一度。
しつこいようですがほとんどスケートとは関係ありません。
自分の感覚を信じられるかどうかとかそういう話です。
くどいようですが痛いですほんとに。

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前回のは、あくまで私のファーストインプレッション、高橋くんのことはおろか、フィギュアスケートそれ自体なーんもわからない状態での感想がメインでした(実はこれに関しても、まだまだ語り足りないことはあるんですが)。
で、今回なんですが。あれから色々本屋さんとネットで関連資料を読み漁った結果、またちょっと違う見方も出て来たのでその辺の話です。

ダイヤモンド・アイスの特別取材でも、「ノクターン」がスランプ脱出のきっかけになったことに触れられてましたね(前にも書いたけど、単なる選手の紹介じゃなくて、ちゃんとショーでの演技に繋げてる所が偉いと思います@関テレ)。

そういう訳で改めて、04-05シーズンより前、所謂『シニアに上がった後、伸び悩んでいた時期』について調べてみると、なんていうかこう。
怪我とかと違ってメンタルな問題って外からは見えにくいし本人もきっと何も言わないだろうけど、これ、実際には傍で見てる以上に追い詰められてたんじゃないのかなあという気がしました。
ただでさえ難しい年頃の、しかも普通以上に感受性の強い男の子抱えて、周りの人たちもさぞ大変だったことと思いますが、やっぱり一番しんどかったのは本人でしょうね。
理性では分かってるのに気持ちが付いて来ないって状況で、「やらなきゃ」っていう義務感に追い込まれてたんじゃないかと。本当は、こういう感覚でやってるタイプこそ、「やりたい」っていう本人の気持ちが一番大切なんじゃないかと思うんですが。

そんな中、自分で好きな曲を選んで、自分が踊りたいように自分で振付けしたノクターンで、久しぶりに「やりたい」という気持ちを取り戻したのかなあ、と思いました。
私が初めて見た時、そんなことは何ひとつ知らなかったけど、なんだかすごく「自由に」滑ってると感じたのは、決して気のせいではなかったのかなと。
そう思ってもう一回「ノクターン」を見返してみると、なんだか、自分を見失って病んでいた魂が自己を回復して息を吹き返す、その過程を見ているようにも思えます。

そしてもう一つ。
感性で生きてる人に取って、自信を失くすことによって自分の感性も信じられなくなるっていうのが一番辛いんじゃないかと思うんですよね。
自分の感性に従って、納得して決めたことじゃないと気持ちは動かないのに、その自分の感性が信じられないとなると、なんかもう身動きが取れなくなりそうです。
だけど、自分の感性で作りあげた「ノクターン」が他の人たちに受け入れて貰えた(これは御本人がインタビューで語ってました)。それはつまり、自分の感性が受け入れられたということな訳で、それによって、自分の感性に対する信頼を回復できたのではないかなと思います。

Cutting Edgeで興味深かったのは、モロゾフさんに振付けを頼んだ理由も、本人の「いいかも」っていう直感が決め手になったっていう部分。
多分、モロゾフさんに対しても、「自分が直感で選んだ振付け師なんだ」ってこともあって、前向きな気持ちで向き合えたってところがあるんじゃないでしょうか。
そしてそれが結果上手く行ってることで、「やっぱり自分の直感は正しかったんだ」っていう好循環があるのかなと、そう思った次第です。

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あー……なんか、アレですね。
この文章読み返して見たら我ながら、他人の気持ちを勝手に想像して書いてますね。
信じないで下さいね。あくまで私の妄想ですから。