報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

年次改革要望書2005はまだか?!

2005年11月20日 17時46分33秒 | □年次改革要望書
毎年、日米間で律儀に10月に交換されていた「年次改革要望者」が、今年はまだ見あたらない。

アメリカ大使館のサイトで、公開されていないということは、まだ交換されていないのだろう。日米間に何か問題が発生したのだろうか。いや、そんなことはない。ついこの間の16日に、ブッシュ大統領は、京都で小泉首相と会ったばかりだ。なぜ今年はまだ「年次改革要望書」の交換が、行われていないのだろうか。

「年次改革要望書」は、毎年欠かさず10月に交換されてきた。一応確認しておこう。米国大使館では、「規制改革要望書」となっている。正式名称は「規制撤廃および競争政策に関する日米間の強化されたイニシアティブに基づく日本政府への米国政府年次要望書」である。

2004年規制改革要望書(2004年10月14日)
2003年規制改革要望書(2003年10月24日)
2002年規制改革要望書(2002年10月23日)
2001年規制改革要望書 (2001年10月14日)
2000年規制改革要望書 (2000年10月12日)
規制撤廃、競争政策、透明性及びその他の政府慣行に関する要望書 (1999年10月6日) 規制撤廃、競争政策、透明性及びその他の政府慣行に関する要望書 (1998年10月7日)


アメリカ大使館 政策関連文書 経済・通商関連ページ
http://japan.usembassy.gov/j/policy/tpolicyj-econ.html
アメリカ大使館 政策関連文書 過去の文書ページ
http://japan.usembassy.gov/j/policy/tpolicyj-old.html#Anchor95883

このように、律儀に10月中に交換されてきた。それが、今年は、すでに11月だというのに、まだ、アメリカ大使館のサイト上に見られない。どうしたのだろうか。「年次改革要望書」は、今年一躍脚光を浴びることになった。「郵政民営化」法案の是非をめぐる議論の中で、「年次改革要望書」はネット上で頻繁に取上げられるようになった。

そして多くの人々が驚愕した。これは、ほとんど内政干渉と言ってもよい文書なのだ。しかもその内容が、実際に具体化されてきたのだから。いまでは、「年次改革要望書」は、アメリカのための日本改造計画書と広く認識されている。

「年次改革要望書」は、ネット上では頻繁に取上げられ、議論されてきたが、新聞、雑誌、テレビなどのマス媒体ではほとんど取上げられていない。ネット上で、広範に議論されている内容を、マスメディアがまったくといっていいほど取り上げないというのは、不自然で意図的なものを感じる。メディアは、ネット上でのペット(モナー)の著作権問題については取上げるのに。日本政府にとって、「年次改革要望書」は国民には知られたくない文書ということなのだろう。したがって、マスメディアもひたすら無視し続けてきた。

しかし、ネットを通じて、すでに国民の間にかなり認知されていることは間違いない。もし、今年も、例年通り10月に「年次改革要望書」が交換され、アメリカ大使館のサイトで公開されれば、大勢が一斉に取上げ、さらに議論は盛り上がるだろう。日本政府は、それを恐れたに違いない。これ以上、「年次改革要望書」の認知が広がることを避けたいのだ。

毎年、その内容はほとんど同じなのだから、今年も、絶対に交換しなければならないという類のものではない。過去の文書を参考に、どんどん「改革」を進めればいいというに過ぎない。

この「年次改革要望書」については、関岡英之氏の『拒否できない日本』というすぐれた著書がある。この本は現在でも版が進んでいるベストセラーなのだが、アマゾン・ドット・コムでは、一年以上取り扱いの休止状態が続いていた。ユースドは扱われていたが、定価735円の現存する新書に3000円の値が付けられていた。ネット上では、”米国資本のアマゾンは関岡氏の著書を読ませたくないのでは?”と静かな話題となった。ネット・メディアがアマゾンに取材したせいか、いつのまにかアマゾンは、『拒否できない日本』を復活させている。3000円のユースドも姿を消した。アマゾンの努力(?)も空しく、『拒否できない日本』は、いま、アマゾンの 売上ランキングで144位と大健闘している。

認知度の高まってしまった「年次改革要望書」は、もはや交換されることはないかもしれない。
しかし、今後も、「年次改革要望書」に基づいて、日本は「改造」され続けるのは間違いないだろう。


「年次改革要望書」は下記にて公開されています。
アメリカ大使館 政策関連文書 経済・通商関連ページ
http://japan.usembassy.gov/j/policy/tpolicyj-econ.html

『拒否できない日本』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166603760/250-3464907-1713032

「アマゾン・ドット・コムが読ませたくない本?」
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/e/3fdb5d9923df7ae123d15534fda75859