眠らない街

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対羽生戦を実現させて下さいっ!!

2009年05月19日 | 将棋
将棋の瀬川四段がフリークラスを脱出し、順位戦C級2組に昇級しました。

瀬川さんは、私が所属するNEC将棋部の師範で、サラリーマンからプロに編入した棋士。
「編入」の一言で書いたけど、当時(4年前)は、編入の制度自体がなかった。
アマチュアで実績を上げ、実績を上げるとプロの公式戦出場へのお呼びがかかる。
そこでプロ相手に好成績を収めた。収めてしまった。
元プロの卵で、年齢制限で退会した過去を持つ瀬川さん。
瀬川さんが、
「プロになりたかった」
「今でもプロになりたい」
・・・と昔の夢、今の夢を語ると、瀬川さんを慕うアマチュアの強豪の協力や、世論の後押しもあり、編入への門戸が開かれ、編入試験が特例で実施。
その編入試験に合格し、4年前晴れてプロの一員になった。

プロになってからも、フリークラス脱出という高いハードルがある。
今までのフリークラスは、知らない人にイメージし易い言葉で言うなら、「体験入店」みたいなもので、成績が悪いと「本採用」にならない。
今回の昇級で、本当の意味でプロとしての足固めが出来たと言える。

・・・と、将棋界を知らない方への説明でした。
正確な表現とは言えませんが、おおよそ上記のような流れ、状況だと思ってください。

さて、本題。
瀬川さんは、5月15日の対局で勝利し、C級2組昇級。
5月16日、NEC将棋部例会に師範として参加し、部員への指導。
その後の祝勝会兼打ち上げで、部員各位の手厚い祝福を受け、満面の笑みを受かべていました。
祝勝会の後半、瀬川さんの感想で、
「努力してもすぐには結果は出ないけど、努力しないとすぐに逆の結果が出てしまう」
というのが印象的でした。実感のこもった苦労して苦労して目標を成し遂げた人の言葉という感じがします。

以下は、私と瀬川さんの会話。
「瀬川さんは、羽生名人と公式戦で指したことがあるんですか?」
「いえ、まだないですね」
「A級の先生とは指したことがあるんですが・・・」
「でも、アマの頃の方がA級の先生との対局は多かったですね。久保さんとか久保さんとか」
瀬川さん、普段はクールで真面目な人ですが、お酒が入るとジョークやウケ狙いの言葉が多くなります。
「是非、近いうちに羽生名人と指して下さいよ!」

プロからすれば、羽生名人と指すのは大それたことではありません。
しかし、アマの頃の瀬川さんが「プロになりたい」という夢を持っていたのと同時に、
「公式戦で羽生名人と対局したい」
という夢を持っていたらどうだろう?
NEC将棋部の誇るアマ棋界トップ中のトップの清水上くん、加藤幸男くんの両名でも「公式戦で羽生名人と対局したい」という夢を語ったら、大半の人が夢のまま終わると思うだろう。
少なくともアマが抱く夢としては、実現確率がほとんどゼロのような夢。

瀬川さんが羽生名人との対局を実現し、
「アマチュアの頃からの「羽生名人と公式戦で対局する」という夢が叶いました」
とコメントしたら、この叶った夢はプロになるのと同等以上のドリームだよね。
夢の大きさから言えば、こっちの方が上なんじゃないか。

夢はデッカく!
近いうちに、羽生名人との対局を実現し、是非こうコメントして欲しいなーと思う。
実現確率がゼロのような夢、でも道は細いけど存在している。
サラリーマンが羽生名人と指すという夢が叶う瞬間を見たら、少しずつそういう夢を抱く者が増えるだろう。