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対左美濃藤井システム以前

2006年02月14日 | 棋譜
藤井システムは、対穴熊と対左美濃の2種類がある。
どちらにも共通するのが、振飛車玉頭からの逆アタックで、そのために玉入場を保留する。

今回紹介するのは、玉入場の保留という発想がない時代の左美濃対策。
私も以前愛用していて、この棋譜はモデルケースでした

1990年8月1日、順位戦の大島-櫛田戦より。
第1図が基本系だが、引き角に対しあっけなく△2二飛と効かされるし、4枚美濃にされるしで、現代感覚では相当損に見える
だが櫛田流は2二飛+6五歩型がポイント。どう捌くか追ってみたい。
      
第1図以下:▲5七角△5一角▲3七桂△7三角▲2七飛△3五歩(途中図)
▲同歩△4二飛▲2四歩△4六歩▲同歩△同角▲4三歩△同飛▲4四歩△同飛▲4五歩△5七角成▲同金△2四飛(第2図)

第1図から居飛車は▲5七角と自重。仮に▲3五歩なら、△5一角▲3四歩△7三角▲3八飛△3ニ飛と捌く。
変化としては、上記△5一角に▲6四歩や、第1図の▲3七桂で▲4八角△7三角▲3七角などがある。
      
本譜は、途中図の△3五歩が急所。▲同角なら△3ニ飛~△3五飛~△4九角が狙い筋だが、本当の狙いは4四→2四ルートを作ること。第2図の△2四飛まで快心の捌きである
蛇足だが△5七角成に▲4四歩とは出来ない。△6七馬▲同銀△4九角で後手必勝となる。

第3図は、第2図から数手後の局面。

第3図以下:△5一金▲2一飛成△4一歩▲2四竜△3七飛成▲5八歩△6二金上(第4図)

△5一金~△4一歩が指のしなる受け方。時間を稼いで△3七飛成が実現しては振飛車優勢。
最終△6二金上も味が良く、櫛田の強さが出ていると思う。
      
本局は130手で櫛田勝ち。藤井システム以前には珍しいシステム化された対策でした。


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