laisser faire,laisser passer

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秀山?

2023-09-07 | kabukiza

秀山祭昼の部見て来ました。

この日は俳優祭の発売日だったりして、個人的には秀山より祭はそっちだったw

というのはともかくとして、秀山祭というわりにはうんうん、吉右衛門で一杯見たよなあというほどの演目が少なかったような。吉右衛門といえば熊谷陣屋とか関の扉とか重厚な時代物と思ってたんだけど。。まあ金閣寺はそうだけどね。でも久吉のヒトだったよねぇ大膳あまり印象にない。土蜘については一回くらいしか見た覚えがないし。清正はまあ、白鸚さんができる演目ってことで選んだんだろうけど。

初代のほうのレパートリーについては無知なのだけど、二代目は完全な初代リスペクトのヒトだと思うのでほぼ被ってるんじゃという推測です。違ってたらごめん。

というわけで演目に関して???ではあるのだけど、個人的には勘ちゃんの久吉、久々なのでそれだけで、満足。とにかく勘ちゃんが丸本物やってくれるだけで最近では涎が垂れてしまう。それほど希少。

金閣寺

…といいながら俳優祭のほうのチケット取りで途中退席。
勘ちゃんの見せ場は見逃さなかったけど!ふふふ。
前半、なんだか大膳の歌六さんとの相性が良くない?大好きな二人なのに碁を闘う場面とか、そこまで楽しくなかった。
碁笥の見得とかまあ格好良くて当たり前なんだけど、これまで見てきた勘九郞久吉のかっこよさから進化してないような気がして・・・ああ、やっぱり丸本物から遠ざかってるとちょっと衰えちゃうのかなあなどと一抹の寂しさ。

後半の大膳家臣たちとの立ち回りがめちゃめちゃ格好良かった!「歌舞伎の立ち回りは舞踊である」と言われるのだけれど、ここまで所作ごととして完成された立ち回りを久しぶりに見た気がする。勘ちゃんの踊り手としての技量ももちろんだけど、家臣のみなさんもちゃんと所作ができてないと成立しない立ち回り。いてうさんが殺陣師?なのかな?とにかく素晴らしかったです。

全体としての芝居の感想は次回、全部ちゃんと見てから(たぶん)書くと思うけど。歌六さんは大好きな役者さんだけど、大膳ではないかなあというのが今回のいちばんの感想。あと、コタがちゃんと綺麗な姫に見えて安心した。先月の酒呑童子と団子売り見ててずっと「緑」路線行くつもりなのかとちょっと不安になってたのでねw

そうそう、前半、照明室から米吉くんが見学。ライバル?コタの雪姫偵察か、父親の大膳応援か?

米吉雪姫ver.チケット買ってないのだけど父親にバワハラセクハラ三昧されるよねちゃんもちょっと見たくなった。幕見するかなあ…

土蜘

金閣寺からの土蜘って。いくら古典好きでも重いわあ。疲れたわあ。

土蜘久しぶりだったので(のでかどうかわからないけど)めっちゃ長く感じた。特に間狂言の部分。まあ勘ちゃんでてたのでまだ寝なかったけどw勘ちゃんもっと踊って欲しかったっす。
なんでこの役?(いちばん踊らない)と思ってちょっと調べてみたら勘九郞襲名のときにごちそうで播磨屋さんが付き合ってくれてた。お礼のつもりなのねきっと。
花道の出のときちょっとだけ踊るんだけどそれだけで美しくて。絡んでる米吉くんがうろうろしてるだけに見えてしまう。米吉、所作事もう少しやっておくれ!

頼光と四天王が化け物退治って、先月の酒呑童子と被ってしまって。なにより主役の方がちょっと高僧にも蜘蛛の化け物にも見えない感じで・・今月の座組なら勘ちゃん(二か月続けて頼光クインテットにやられるw)か松緑(国立とのかけもちじゃ無理か)なら良かったのに。秀山祭だから身内で!ってことなんだろうけどさ。

結局いちばん良かったのは前シテの魁春さん。お年寄りたちがどんどん衰えて行く中、きっちり能掛かりの踊りを見せてくれて、なんというか、ありがたかった。

二条城の清正

白鸚さんがほぼ自力で動けなくなってるというのは写真週刊誌?か何かの報道で目にしてはいた。
大病ではという噂もあったりして。今月早めにチケット取ったのはとにかく見ておきたかったから。

で、いろいろな意味で感動した。

たしかに動けてない。動けるという意味では最近の福助のほうがマシかもしれない。たった一度ひざまずく場面ではとりあえず自力でやってたけど、黒衣が後ろで何があっても支える!みたいな迫力もって支えてたし。

まあ動かなくても不自然ではない場面のみを切り取っているので芝居としては変じゃない。そして何より朗々たる台詞回しはまったく衰えてない。一度もつまりもしないし、先月月半ば過ぎても台詞が入ってなかった息子には彼のプロ根性を見習って欲しいなあ。。

年老いた加藤清正と悲劇の若殿秀頼ほぼ二人きりの台詞劇。秀頼をやった染五郎の技量にいささか不満はあるものの、この役に関しては染五郎と白鴎だからこそ意味があるわけで。

「爺、二十年も三十年も生きろよ」って実の孫に言われたらそりゃ頑張るわ。高麗屋さんご贔屓ならなみだ涙でございましょう…

それより、染五郎はとりあえず美形で売ってるんだからもう少し綺麗に見える工夫はしてほしかったなあ。白塗りが著しく似合わない。拵えのせいもあって若殿というより○か殿に見えてしまいました。

まあすべてを凌駕してしまう高麗屋の台詞の素晴らしさに尽きる一幕ではありました。動けるようにならないのかなあ。

シェイクスピアを髣髴させる彼の俊寛はもう一度見たい。


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