laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

久々のダブルヘッダーその2

2019-01-25 | kabukiza

は歌舞伎座夜の部。昼よりはまだマシだったかなあ。とはいえ、良かった!とは口が裂けても言えない出来で。

太十

播磨屋のガチ古典。悪いはずはないので楽しみにしていたのに・・・

播磨屋登場前にがっつり寝てしまいました。戦犯は十次郎の幸四郎と初菊の米吉。

米吉はまあまだ若輩者だから大目に見るとしてもwおい!幸四郎!おまえ染五郎じゃなくて幸四郎だろ。しっかりしろよ。名前が大きくなったら、芸風までおおざっぱになったのかい。本来白塗り二枚目ニンだったんじゃないのかい。天下一の二枚目役者、梅玉さんで見たかったなあ・・・

なんか幸四郎になってからの幸四郎(ややこしや)、ワタクシ怒ってばかりいるような気がする。たいていの人は襲名で良くなるもんだけどねえ。

がっかりして寝込んで起きたら光秀が竹槍で母親突き刺した後だった・・・

皐月の東蔵さんも、なんか迫力不足で(病み上がりだったからかな)後半もいまいちでした。

ったくもう!

 

勢獅子

 

一月も末に見たのでめでたさも半減ですがま、綺麗で楽しくていい感じだったかな。

ただ、芯の踊り手が芝翫はともかく梅玉さんってのが。いや、梅玉さんが悪いんじゃなくて、あの滑稽で軽い踊りを梅玉さんにさせる方が悪い。「老人いじめ」という台詞が脳裏をよぎってしまった。梅玉さん、昼の部の一條大蔵でも吉岡鬼次郎という、動きの激しい役で一杯一杯だったし。せめてどっちかは幸四郎がやれよ!と思ってしまった。で、前の項でも書いたように、十次郎を梅玉さんで。

若手では鷹之資が踊れるのはもちろんだけど、福之助がいい踊りをみせていて。さすが踊りはあそこの息子たち全員しっかりしてる。芝翫さん(もちろん先代)もお喜びでしょう。福之助の太ももが鷹之資と同じくらい太いのも好ましかった。どこかの誰かの細くなってしまった太ももを偲んだりして・・・

 

お土砂

 

結構楽しみにしてたのだけど。前半は猿之助の愛嬌が足りず(音羽屋の上品な愛嬌が好きでねぇ)。特筆すべきは松江。ああいう役ってやりやすいのかしらwいや、失礼。松江史上最大の拍手を浴びていたのではなかろうか。あと、由次郎さんを本当に久しぶりに拝見できたのもよかった。猿さん、弱者にやさしいのかもw

大問題の七之助。前半はとても良かったのだけど後半の人形振りが・・・あそこまで露骨に素足の見える人形振り初めてだwこれは七之助だけの責任ではなく後見も悪い。いてうくん、國久さん、反省してください。

人形っぽく見せようとしてカクカクした動きになるのはいいのだが、そうすると七之助は男になってしまう。女の人形ではなく、男の人形が踊ってるように見えてしまう。これが致命的だと思う。

舞台がはねて「きれいだったわねぇ・・」という客の声があちこちから聞こえてきて「見る目のない人は幸せだなあ」と思ったことは誰にも言えない。っていいながらここに書いてますけどw


久々のダブルヘッダーその1

2019-01-25 | spectacles

ぼーっとしてたら寝坊して遅刻。ではありますが一応日本橋千穐楽。

場所も日本橋三越。

かなり良かったです。

何より元春猿さん。個人的にはクリコのお孝最高!と思ってるので(今も思ってるけど)、春猿さんどうなの?って不安というより先入観アリアリだったのだけれど、クリコに習ったという割にはwクリコっぽくなく、いい意味でオリジナル、春猿さんならではのお孝になってた。気風がよくて強がってるけど、実はめっちゃ弱い。惚れたら命がけ。強さと弱さのバランスが、凄くくっきり出てて。一つ間違うと嫌な女や馬鹿な女に見えてしまう(ま、実際そうなんだけどね)お孝が、とても可愛く見えました。

お孝が可愛く見えたのは元段ちゃんの葛木との相性がいいのもあると思う。クリコとの日本橋のときには、何を考えているのかいまいち不明でぼーっとしてた印象wだったのが、春猿さんとだと、ちゃんと愛してる女に裏切られ、しかも相手の男の情けなさに自分の価値観まで崩されての嘆き、みたいなものがちゃんと見えてくる。

段ちゃんに関してはいいまだに歌舞伎やってくれないかなあと思うのですが、春猿さんはこれはもう新派の方がぴったり合ってるかも。このコンビで新派第三?黄金期来ないかしらねぇ。無理かもしれないけど。プチ黄金期でもいい。

高橋恵子、さすがに老いた感はあるけれど、たくまざるファムファタル・清葉の硬質な美しさはしっかり出ていた。これ、新派の女優で出来る人、ちょっといないなあ。どうしてもなら瀬戸真純だけど。弱すぎる。

熊の田島守とか、児玉なんとかさんとか弾性も含めて脇役はけっこう芸達者が揃っているので、あと1-2人、スター性のある専属俳優が出てくれば、ますます面白くなると思うんだけど。

まずは6月に篠井さん客演での公演があるらしいので楽しみに待ちます。