laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

一回1300円!

2013-11-12 | spectacles

さらば八月の大地、三回目見てきました。何度見るんだ。
初日と楽を一階で、真ん中に三階で一回、のつもりだったのだけど、半額チケットぽちってみたらとちりなんか出てきやがったもので、前回の二度目を増やしたわけで、計四回。観劇欲だだ下がり中にしたら異例の回数。

だからといって気に入ってるかというとそうではないのが辛いところw

三回見ての結論は

バランスが悪い。
まず全体によくも悪くも山田洋次臭。それは当然といえば当然なのだけれど、映画では生きるかもしれない、細部にわたる演出のこだわりが、劇場、とくに演舞場のような大きな箱では生きてこないということ。
私は一階かぶりつきで二度も見てるから、脳内補填できるけれど、三階から見てみて、これじゃ三階には伝わらないな、と思う小道具使い、表情の小ささ、花道の使い方など、いろいろ分かった。
主義主張をするならもっと辛口に作りこむ手もあったとおもうのだけれど、結局甘い結末に無理やり持っていく商業演劇との齟齬も感じてしまった。
リンフォンやワンの今後ってきっと今までより辛いものになるんだよね。日本の満州帝国に与した人間が共産党政権下で無事に生きていけるとは思えない。
そういう匂いをまったく感じさせずに希望だけを見せて終わる・・・あの題材を採っておいてそれはどうなんだろう?
あと、壇れいが、綺麗ではあるんだけれど役者陣でやはり圧倒的に力不足。
美雨とリンフォンの恋愛エピソードはいらなかったんじゃないかな?そこをばっさりカットして(主演女優と理事長の関係に憤慨するリンフォン、だけで十分かと)、すっきり日中親善w友情と映画の物語、にしてしまえばあと20分くらいは縮められて、あの結末でもまあ納得いったんじゃなかろうか。

三階から見てよかったのは一幕目の撮影現場での勘九郎の動き。
俯瞰で見ると全景のなかで実に細かく助監督リンフォンが動き回り、あちこちに指示をとばしているのがよく見えて、映画撮影のなかで監督以上に彼が重要な立場であることが凄くよく理解できた。

あと、俯瞰だったからこそ気づいたのが後半結婚式のシーンで、中国人グループで笑ったり語ったりしてるとき、余興?みたいに勘九郎が扇をいじってるところ。
扇返し(ってんですかい?要返しではなくて、くるっと一回転させて取る、弥生ちゃんなんかがやってるやつ)を二回!
二度とも鮮やかに成功させていて。
コンナ芝居(失礼)しながらもお稽古してるのねwww
今回三階のB席だったので2600円。
扇返し二回見られたから、一回1300円。十分だ。
前半の女形芝居wも含めて、うん、元は取りました。ははは。はは。は。