Tony Wright, British Politics: A Very Short Introduction, 2nd Edition (Oxford University Press)
2014年04月29日 | 本
僕は現在イギリスで政治学を勉強していますが、別にイギリス政治を勉強しているわけではありません。
英語が「ただイギリスにいるだけではできるようにならない」のと同様に、ただイギリスで政治学を勉強しているだけではイギリス政治は分かりません。
でも、せっかくイギリスにいるのにイギリスの政治の仕組みが全く分からないまま日本に帰るのももったいない。
そう思って、Tony Wright, British Politics: A Very Short Introduction, 2nd Edition (Oxford University Press, 2013)を読んでみることにしました。この本はまだ翻訳はなさそうです。(もしあったらごめんなさい。)
著者は1997年から2010年まで労働党の議員さんだっただけでなく、イギリス政治についての本もいくつか出している研究者(UCLの教授)。
その経験と知識を活かして、学問的な話の中に、実際に著者が議員だったときの体験談(議会の暗黙ルールを知らなくて苦労した話とか、そんなに知りたいわけでもなかったことについて質問主意書みたいなものを出してみたときの話とか。)も散りばめられています。
内側から見たイギリス政治とアカデミズムを通して見たイギリス政治がうまく組み合わさって、とても読みやすく、面白かったです。
本書ではイギリス政治の「伝統的」なあり方やそれを可能にした条件はもちろん論じられますが、それよりも近年の動向、特にブレア政権による「憲法革命」やキャメロン政権(保守党と自由民主党の連立政権)の成立によってその「伝統的」なあり方がどのような変容を迫られているかを論じることに力点が置かれているように感じられました。
末尾にはFurther readingとして50冊の本(古典から「著者が単に好きな本」まで)が挙げられていて、本書の次にどの本を読むか考える際に大変役に立ちそうです。
これだけの薄さでイギリス政治の概要をいきいきと教えてくれる本はなかなかなさそうなので、日本語に翻訳されても良いような気がします。
イギリス政治についての知識がほぼゼロだった僕にとっては、とても良い入門書でした。
ほとんど内容を紹介できていませんが、試験勉強もしたいのでこのへんで。
(投稿者:Ren)
英語が「ただイギリスにいるだけではできるようにならない」のと同様に、ただイギリスで政治学を勉強しているだけではイギリス政治は分かりません。
でも、せっかくイギリスにいるのにイギリスの政治の仕組みが全く分からないまま日本に帰るのももったいない。
そう思って、Tony Wright, British Politics: A Very Short Introduction, 2nd Edition (Oxford University Press, 2013)を読んでみることにしました。この本はまだ翻訳はなさそうです。(もしあったらごめんなさい。)
著者は1997年から2010年まで労働党の議員さんだっただけでなく、イギリス政治についての本もいくつか出している研究者(UCLの教授)。
その経験と知識を活かして、学問的な話の中に、実際に著者が議員だったときの体験談(議会の暗黙ルールを知らなくて苦労した話とか、そんなに知りたいわけでもなかったことについて質問主意書みたいなものを出してみたときの話とか。)も散りばめられています。
内側から見たイギリス政治とアカデミズムを通して見たイギリス政治がうまく組み合わさって、とても読みやすく、面白かったです。
本書ではイギリス政治の「伝統的」なあり方やそれを可能にした条件はもちろん論じられますが、それよりも近年の動向、特にブレア政権による「憲法革命」やキャメロン政権(保守党と自由民主党の連立政権)の成立によってその「伝統的」なあり方がどのような変容を迫られているかを論じることに力点が置かれているように感じられました。
末尾にはFurther readingとして50冊の本(古典から「著者が単に好きな本」まで)が挙げられていて、本書の次にどの本を読むか考える際に大変役に立ちそうです。
これだけの薄さでイギリス政治の概要をいきいきと教えてくれる本はなかなかなさそうなので、日本語に翻訳されても良いような気がします。
イギリス政治についての知識がほぼゼロだった僕にとっては、とても良い入門書でした。
ほとんど内容を紹介できていませんが、試験勉強もしたいのでこのへんで。
(投稿者:Ren)
コメントをいただいているのに気付くのが遅れ、返信がおそくなりましたことをお詫び申しげます。岩崎先生にご覧いただけているとは光栄です。紹介させていただいた本に興味を持っていただける方がいらっしゃることは大変励みになります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。