SakuraとRenのイギリスライフ

美味しいものとお散歩が大好きな二人ののんびりな日常 in イギリス

ウィーン旅行記(4・完)

2011年11月07日 | 旅行
Renです。かなり間が空いてしまいましたが、ウィーン旅行記を書きます。
そろそろウィーンに行ってから3ヶ月が経とうとしてしまっているのに、いつまでもこの話題ばっかり書いているわけにもいかない(し、そろそろ記憶もだいぶ曖昧になってきた)ので、今日で一旦この話はおしまいにしようと思います。
今日はウィーンに行くにあたって、「予習」した本の中から、特に参考になったと思う本をごく簡単にご紹介したいと思います。


○広瀬佳一・今井顕編著『ウィーン・オーストリアを知るための57章【第2版】』(明石書店、2011年)

オーストリアの歴史や政治制度、経済から文化まで、様々な分野についてバランス良い解説を提供してくれます。
また、2011年4月に出版されたばっかりなので、最新の動向が反映されています。
ガイドブックを読んでいてもなかなか手に入らない「ウィーンのいま」についての知識があったおかげで、ウィーンをより深く味わうことができたように思います。
ガイドブック以外に読む本を1冊を選ぶとしたら、この本がいいんじゃないかなと思います。


○饗庭孝男・加藤雅彦・小宮正安・檜山哲彦・西原稔・伊藤哲夫・平田達治『ウィーン――多民族文化のフーガ』(大修館書店、2010年)

建築や音楽、文学等といった文化の側面からウィーンを紹介する好著です。
この本が注目するポイントはウィーンが多民族文化の都であったという点。
多様な文化がここに流れ込む中で、それらが融合しヨーロッパの文化をリードしていくことになった様子を様々な専門分野の執筆者によって描いていきます。
ウィーンといえばやっぱり文化だよね、という人におすすめです。


○田口晃『ウィーン――都市の近代』(岩波新書、2008年)

ウィーンという都市がどのように形成されてきたか、近代に焦点をあてて、政治史のアプローチで解き明かす本です。
「サブカルチャー」というヨーロッパ政治史の概念がほとんど何の説明もなしにいきなり登場していて、こういう分野をあまり知らない人には不親切なのではないかなと思ったりもするのですが、この都市(や都市政策)をめぐるちょっと前の政治が大変活き活きと描かれています。
実はウィーンには過去の偉大な市長さんの銅像があったりもするので、この本を読んでおくと、「あ、これこれをしたあの人だ」って楽しめたりするんじゃないかなと思います。
この本は、政治や歴史に興味のある人におすすめだと思います。
歴史に興味のある人には、江村洋『ハプスブルク家』(講談社現代新書、1990年)も入門書として良いと思います。


せっかく旅行に行くのだから、ガイドブックだけしか読まないというのはもったいないと思います。
旅行先についてより深く知った上で旅行すると、観るポイントがそれまでとは違ってくると思いますし、こういう機会を利用して普段読まない本を読むことは自分の世界を広げることにもつながって一石二鳥ではないかと思います。
これまでの旅行記ではウィーンについての周辺的な情報ばかり書いてしまったように思いますが、上に書いた本は本質的な内容を紹介してくれていますので、ウィーンに行こうかなと思う方は上記の本も読んでみてもいいんじゃないかなと思います。


(投稿者:Ren)