錯乱坊の彷徨える日々

フィールドでの出会いに癒しを求めて…

犬の恩返し(桜島709回目の爆発的噴火)

2015年09月07日 | その他の生き物
ここは「鶴の恩返し」ならぬ「犬の恩返し」と言う、ちよっとふざけたようなお話ですが少しの間だけでも付き合いください。
で、その主人公となるのが、この犬です。
日が明けたので、一昨日の宵の口の事、桜島口から少し入った場所で桜島の噴火を狙ってました。
すると、この野良犬がトコ、トコ、トコと何処からともなくやって来たのです。
見ると、ご覧のように痩せコケたメス犬で乳房の具合から、何処かに子犬がいるような感じに見て取れました。
地元であれば車にキャットフードを乗せているのですが、遠征地である鹿児島では、それも無し。
そこで、ゴメンなぁ・・・
腹が減ってるんだろうけど、お前にあげるエサが無いんだよぉ!と、聞こえるように言った。
でも、この犬が離れようはしなかった。
まぁ、人間の言葉なんて理解できないだろうから、当然と言えば当然の事なんですけどね。
そんな時・・・
夜食に食べようと昼間のうちにコンビニで買っていたサンドイッチと“チーかま”(チーズかまぼこ)がある事を思い出しました。
そこでクーラーボックスに入っていた“チーかま”を、ちぎってあげた。
すると、パクパクと飲み込むように食べ、とうとう5本入っていた“チーかま”を全て食べてきりました。
しかし、さすが野良犬。
もっとくれ!と言わんばかりに離れようとしない。
ん・・・
分かったよ!どんな事情があるは知らないけど、お前の子供にと思って唯一残していた俺の晩飯であるサンドイッチをやるよ!
そして、この野良犬は晩飯となるはずだったサンドイッチを全てたいらげたら、そそくさと桜島の闇の中へと消えていきました。

まぁ、ここまでは、ごく普通の話なのですが、ここから先が“嘘だぁ!”って思えるような話なんですよぉ。
と、言うのが・・・
この日の昼間は晴れていて、夕方の早い時間も桜島の稜線が綺麗に見えていたんです。
ところが撮影用のカメラをセットし、やっと一息ついた頃より山の頂に雲がかかり始めて、その雲は次第に大きくなって山全体を覆うようになりました。
ん・・・
確かに明日は雨との予報が出されてたもんなぁ。
どうしよう・・・?
雨が降り出す前に機材を片付けて早めに引き上げるとしますかぁ?
でも、風向きが変わってきたので、もしかすると雲が取れるかもしれないしなぁ・・・

まぁ、その予想は的中し山の稜線が薄らと見えるようにまで回復。
しかし、山は一向に噴くこともなく、ただ静かに沈黙をたもったまま・・・
吹く風も強くなり、いつ雨が落ちだしても、おかしくない状況だし、このまま待って噴かず仕舞だったら最悪だね!なんて思っていたら、先ほどの野良犬が戻ってきました。
ん?
ん・・・
また、エサでも強請りにやって来たかぁ?
なーんて思っていたら、三脚の前で桜島の山頂をジーっと見ています。
ん?
この犬、何やってんだ?と思ったら、突然、後ろへ少し下がるようして思いっきり“ワン”と一度だけ吠えました。
この痩せ犬の何処から、そんな大きな声が出るんだよぉ!
なーんて思ったのも束の間、火口から赤いものが噴出してきました。
慌ててセットしていたカメラのレリーズを全て押す。

そして、この噴火が合図だったかのように噴火が終わると同時に突然、土砂降りの雨となりセットしてたカメラなどを急いで撤収し終えて、そこにいたはずの犬を探すと、もう、そこには犬の姿はありませんでした。
人間の勝手な解釈だとは思うのですが、これは“チーかま”と唯一の夜食であるサンドイッチを貰った犬が恩返をしに戻ってきたのかなぁ・・・ ってね。
まぁ、こんなくだらない無駄話でしたが、最後までお付き合いを頂きまして、ありがとうございました。

---- Data ----
2015 Sept 05
21時08分
噴煙高火口上1000m/海抜6000t
年間通算709回目

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