沖縄では天の神が高く伸びたビロウ(通称クバ)を伝って地上へ下りると信じられていたため、御嶽や拝所などでよく見られる ヤシ科の植物。
そんなビロウ(クバ)の葉と蓬莱竹を骨組みとして作られるクバ笠というものがあるのですが、この笠には農耕用と海人用の2種類があるだけでなく、本島型、久米島型、八重山型、与那国型など島々で形状など独特の作りになっている。
が!
最近では蓑(みの)やクバ笠の需要もなくなりつつあり、先の大戦では多くの作り手を失ったことから伝承された高齢の方々だけが細々と引き継いでいるのが現状。
だから…
民芸品を扱うショップで売られているものの中には、近隣の諸外国から輸入したものが売られたりもする。
と、いう事で…
以前、このブログで八重山で作られた農耕用の八重山型クバ笠を取り上げたことがありましたが、最も入手が難しいのが海人用のクバ笠。
農耕用と何処が違うのかというと…
👆上に掲載した画像のように海人用のクバ笠は頂部が平になっていて、サバニ(船)に水が入った時に、このクバ笠で水を汲み出すことができるように洗面器のような形状になっている。
そして、そのことから農耕用とは比べ物にならないような強固な作りになっているんだなぁ。
ただ、先にも述べたように作り手が消えつつある今では、継承した師匠によって作り方も違う。
だから形こそ海人用だけど、その作りは軽くて強度の少ない農耕用仕様のクバ笠みたいなものもあるんだなぁ…
まぁ、こればかりは仕方がない。
でも、そんな八重山型の海人用クバ笠が何としても欲しいと思い、ずーーーーっと爺さんは探してたんですよ。
ビロウの葉(クバの葉)を刈り取り2ヶ月ほど乾燥させ、そして蓬莱竹の骨に合わせて張り込む。
そして、その傘の表と裏に同じ蓬莱竹の竹ひごを巻き付けるように糸で縫い上げるんだけど…
その作業は、ちょいと作れるような簡単なものじゃない。
だから、購入するにはメチャ高価なのですが、その作り手の手間や労力を考えると決して高いものではない。
で、今日は…
そんな海人用のクバ笠を求めて、ある工房を訪ねてきました。
が!
このクバ笠は石垣島ではなく近くにある〇〇島の〇〇さんが作られた笠とのこと…
でも、出所の不明の怪しい飾りものに比べると、このクバ笠はデータがしっかりしていて資料としての利用価値もあるのでありがたい。
そして、これは余談なんだけど…
この爺さんが小さな子供だった頃に爺さん婆さんがノジュロやトウジュロの葉を木綿糸で縫いハエ叩きとして利用していたんだけど、このハエ叩きに関しても何時かはブログにUPしたいものです。