倉野立人のブログです。

日々の活動を みなさんにお伝えしています。

〈行政視察報告「福島市」〉

2009-11-18 | インポート

11/17 Tue.  [クラちゃんの起床時刻 7:15 AM ]

 

 

◇ 行政視察報告「福島市の 子どもハートサポート事業・小中連携・職場体験」について

 

先日、会派で福島市の行政視察を行いましたので、その結果についてご報告させていただきます。

  

・福島市視察(福島市教育委員会 学校教育課)

【自治体データ】 面積:約768k㎡ 人口:約29万5千人

           財政規模(一般会計支出 )約850億円

 

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・福島市「子どもはーとサポート事業」(福島市教育委員会 学校教育課)

福島市は、いじめが起因した子どもの自殺の発生(H18 福島市で26件)を契機に、小学校の教育相談の充実を図りました

また、不登校については「今後の不登校への対応の在り方について」の報告(H15)で、

①学校生活上での基本的な課題が多く、早期の対応が効果的

②中学校での不登校が大幅に増加することから、小・中連携を推進する配慮が重要

                                                   とされました。

 

このような状況に具体的に対応するため、福島市では、小学校に相談員を設置する「子どもハート・サポート事業」を、平成19年度から立ち上げ、不登校やいじめ、問題行動の未然防止や早期発見および即時対応を図ることとしました。

 

福島市内の全51校について、4校を1グループとし、そこに1名の相談員を配置します。

・相談員は、教育委員会が、退職者や青少年団体指導者などを中心に、地域の人材の中から事業の趣旨を理解し、子どもや保護者に寄り添い、積極的に取り組む意欲のある方を人選する、とされており、教職員OB、養護職員OB、また警察官OBが就いたグループもあります。

・人件費は、県事業のため福島県が負担し、年間約75万円/人 が支給されます。

・勤務体制は、1グループあたり週4日で35週、1回あたり6時間の勤務とします。

・相談内容は、学校での「いじめ」などの友だち関係、親子関係、身体に係る相談など多岐に亘っています。

 

相談員は、それぞれの経験を活かして任務にあたり、例えば警察官OBは、いじめの存在を認めると間に入って「仲直り」の仲立ちをしたり、また養護教員OBは、児童の話し相手など、ソフト面で児童と向き合うなどします。

 

その結果、相談員配置の成果は、いじめの数に顕著に表れました。

福島市のいじめ件数、平成18年に56件あったものが、平成20年には38件に減少したとのこと、教職員に加えた相談員の存在が、早期発見、早期解決につながっていることが裏付けられた形です。

 

ただ1点、私が気になり質問させていただいたのは「学校職員(特に担任の先生)との連携はどうなっているのか?」という点です。

「担任の先生」は、いわば、そのクラスの「トップ」であり、それなりの自負心をもって教職に当たっておられます。そんな中で、とりわけ「いじめ」などのトラブルと言える件について、相談員と連携するのは、よほどの信頼関係がないと難しいのでは・・・と思ったところです。

 

それに対し、学校教育課の職員は大きくうなづき「確かに、学校、とりわけ低学年のクラスは「学級王国」ともいわれ、担任の先生が絶対である、という風潮があります。そこで福島市では、その点について、研修会を実施したり、相談員と関係学校との協議の場を設けるなどして、双方に「壁」や「溝」ができないよう配慮している、とのことでした。

 

この福島市の事業は、県事業を活用し、小学校に外部の相談員を配置することでいじめなどの課題を、早期に、しかも客観的な視点で解決することに大きな成果を挙げています。

長野市においては、課題の解決は、あくまで教職員間での裁量にとどめられており、視点が限られてしまってり、最終的に教職員の負担が増してしまい、悪循環に陥りかねない状況下にあります。

 

また、この手の事業は「学校との連携・理解度の伸張」が不可欠なことから、長野市の教育委員会や学校関係者においては、より柔軟な感性を持つこと・・・最終目標は、子どもが元気に学校生活を送れる環境を整えることですので、学校・行政・地域の人材が相互補完しながら児童を総合的に支える体制づくりを行うことが何より大切ではないか、と感じたところです。

 

・「小中連携」について

 

福島市では、義務教育課程にあたる小~中の9年間を一貫・継続した学びの機会と捉え、また中学校入学直後に不登校が顕著になる「中一ギャップ」を防ぐため、小中学校の連携を基盤とした教育の推進に取り組んでいます。

 

テーマを「小中連携 4つのアクション」とし、

1、各中学校区における子どもの姿の共有化と具現化

・全児童生徒の実態調査

・共通課題の明確化と解決策の設定

 

2,学習指導や生徒指導における、小中の教員同士の実効ある連携

・指導の連続性、適時性

・生徒指導のなめらかな移行

 

3,豊かな人間性を育む交流活動の推進

・学科、総合学習、学校行事での交流・体験

・小規模校と中・大規模校の交流

・地域社会との交流

 

4,家庭や地域の教育力を活かした実効性ある連携

・児童生徒の暮らす地域の基盤整備

・地域社会全体で子どもを育て、見守る体制づくり

                               を掲げ、各アクションごとに取り組みを強めています。

肝心なことは、地域教育を一連の「流れ」と捉え、小学校の段階で途切れないよう、学校、地域、家庭が同じ認識をもって子どもに対峙していることだと感じました。

 

・「職場体験」について

福島市教育委員会では「~青春の助走~ 地域に学ぶ中学校体験活動」を大々的に実施しており、市内の全中三生を対象に、5日間に亘る職業体験を行っています。

視察の中では、地元TV局が放映したビデオを観せていただきました。

Fukushima_5

 

Fukushima_2

 

 

接客業や農業など、大人の仕事を本番さながらに体験し、僅か5日間ですが、着実に成長する生徒の姿が流され、それだけで事業の持つ意義が伝わってきました。

ここで感心したのが「受け入れ側の事業者の包容力」です。

役所からの依頼で、おざなりに5日間ただ置いておくだけでなく、親身になって仕事を〝仕込み〟厳しく優しく社会の有様(ありよう)を大人から子どもへと伝播します。

地域が子どもの将来を支える、心温まる事業でもありました。

 

福島市の視察は、地域の人材を、イイ意味で〝巻き込む〟ことの実効性・重要性を学べた、実り多き内容でした。

 

 

 

視察終了後、議場を見学させていただき、全員写真を撮りました。

そこで私がおもむろに「三脚」を取り出しセルフタイマーをセット、担当書記の方にもファインダーに入っていただきました。

 

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当初、シャッターを切るつもりだけだった書記官氏は、やや戸惑い気味で「長年議会事務局に勤めていますが、一緒に写真に入れと言われたのは初めてです ^^;」と照れておられました。

 

市民の皆さんと一体政治をめざす政信会、書記官の方だって一緒ですよネ(^^)

 

 

 

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〈生活に根ざしたフードドライブ〉

2009-11-17 | インポート

11/16 Mon.  [ クラちゃんの起床時刻 4:15 AM ]

 

◇ 日曜の好日「生活に根ざしたフードドライブ」を実施しました。

 

所属する「長野中央ライオンズクラブ」が、11/15(日)今年二回目となる「フードドライブ」を実施しましたのでご報告させていただきます。

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「長野中央ライオンズクラブ」は、設立45周年の記念事業として、食の奉仕活動「フードドライブ」を開催、不肖ワタクシ副部会長を仰せつかり、実質的な運営チーフを任されています。

 

未だライオンズ歴に浅い私ですが、お役を仰せつかるにあたり、ライオンズクラブの意義や、クラブのめざす「真の奉仕」について考えてみました。

ライオンズクラブといえば、何だかヒマな社長連中が時間を潰すだけの集団と思われがちですが、その真の意義はとっても崇高であり「社会奉仕」に対する熱意は相当なものがあります。

ただ、現在の、ある意味充足された社会環境においては、やや目標を失い、漫然とした活動に終始していることもまた事実です。

 

そのような中における「記念事業」・・・一般的であれば、やれセレモニーだの宴会だのと「形式」にとらわれがちなところですが、私は敢えて、45周年の節目を迎えたからこそ「奉仕の原点」に立ち返るべきと考えました。

 

今回の「フードドライブ」は、ライオンズがホントウに市民の皆さんに喜んでいただく活動(アクティビティ)を行うことで、社会で真に必要をとれる団体として成長・継続していけるよう、いま一度足元を見つめ直す機会とすることを念頭に企画させていただきました。

 

見ようによっては「記念事業としては地味」と受け取られますがどっこいその深層は非常に深い、と自負するところです。

 

この日は、前日の荒天から一転、爽やかな好日となり(も~それだけでひと安心 ^^)2週続けての招集にも関わらず、多くのライオン諸氏が集まり、朝から準備作業に取り組みます。

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今回のサブタイトルは「生活に根ざしたフードドライブ」

 

すなわち、地域の流通の拠点であるスーパーマーケット前でのフードドライブの実施により、買い物に訪れる市民に対し「フードドライブ」の意義を伝えることにより、食料自給率が(カロリーベース)40%を切る状況の中にあって「飽食の時代」といわれる今、私たちのアクティビティを通じて「食」について考えていただくと同時に、家庭にある食材に目を配り、寄付につなげていただく意識を醸成していただくなど「社会生活に溶け込んだフードドライブ」をめざすものです。

 

朝、上田会長を中心にミーティングが行われ、私の方から日程などの説明をさせていただきました。

そこで私が引用したのが「全員野球」

この日は、フードの受付と同時に、食品の仕分けやら受け入れ先の長野カトリック教会への移送やら、作業が多岐に亘っており、自分の守備位置を守るだけでは、せっかくのアクティビティが成り立たなくなってしまいます。

一応、分担は決めさせていただいたものの、それにこだわらず、臨機応変、横で困っている仲間がいれば手を差し伸べ「穴」のあいた面はお互いに補い合うことで一体感のあるアクティビティが実現できる、と訴えさせていただいたところです。

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若輩である私のお願いでしたが、その思いは皆さんに伝播(でんぱ)し、3班に分けて取り組んだ「フードドライブ」は、和気あいあいの中で行われ、寄付に訪れていただいた市民の皆さんにも心からなる笑顔の御礼のことばが贈られていました。

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「全員野球」のこの日のアクティビティ、もちろんお昼も「班行動」時間ごとに区切り、黄色いジャンパーがぞろぞろテナントの食堂を訪れ、てんでにラーメンや牛丼を注文して箸を取り、何だか修学旅行のような一体感も味わうことができました。

 

ところで、この「フードドライブ」の〝第二の目的〟は、とりも直さず「啓発活動」です。

この活動自体が耳慣れず「何のドライブ?」と聞き返されることもしばしばですので、市民生活に普通に認知されるよう、PR班を中心に啓発活動に励んだところです。

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実際のところ、定着には5年、イヤ10年かかるか・・・いずれにしての息の長い活動が必須だと思います。

 

それでも、時間の経過と共に、市民やクラブメンバー関係者の善意が集積され、この日も大型ワゴン車3台分もの多くの食品が集まりました。

 

寄付受付終了後、長野カトリック教会での寄付のため、食品の「袋への小分け作業」が行われました。

 

これは、教会の神父さんからの要望で、寄付の場面で食品の奪い合いを避けるため、ある程度平等になるよう、予め小分けしておくものです。

 

このような地味な作業が発生したことにより、ライオン諸氏から不平の声がでるかナ・・・とやや懸念したものですが、心配は無用でした。

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「全員野球」を意識してくださったライオン諸氏、上田会長を筆頭に黙々と作業に取りかかってくださり、アッという間に150人分の「プレゼント袋^^」ができあがりました。

 

その後、一同は、西鶴賀にある「長野カトリック教会」に移動、ミサを終えた在日フィリピンの家族の皆さんに、食品の寄付がされたところです。

 

教会で待ち受けていたシスターをはじめ、出席した皆さんは、私たちの善意を受け入れてくださり、一人ひとりが「アリガトウ!」のことばと共に「プレゼント」を受け取っており、ライオン諸氏も、一日の疲れを忘れた様子で、笑顔で握手を交わしていました。

 

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強行軍の2連チャンのアクティビティでしたが、参加したライオン諸氏の気持ちは全員野球、互いにフォローし合いながら一体感をもって取り組めたのは何よりでした。

 

また今回は、フードドライブの成果を直接市民の方に手渡したことにより、ひとりひとりの感謝の気持ちが直に伝えられ、すなわちライオン諸氏がアクティビティの成果を実感できたことが「達成感」につながったものと思います。

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この「取り組みの一体感」と「目に映るアクティビティの成果」こそが「ライオニズムの原点」ではないかと思うところです。

今回の活動は、ある意味において、これからの長野中央ライオンズクラブのあるべき姿を占うと言っても過言ではないと思います。

今後も、機会あるごとに「奉仕の原点」に立ち返ることで、ライオンズクラブが、真に社会に必要とされる団体として、継続していくと思います。

 

また、ライオンズクラブ自体も、今回の「達成感の灯」がマッチやロウソクのように、燃え尽きてオシマイ、とならないように、伸ばす工夫をしていくことが肝要でしょうネ。

 

 

いずれにしても、これからの多様化する社会の中で、同じ社会で生きていく者同士「お互いさま」の精神で、相互扶助・助け合いの意識が醸成されるよう、その架け橋としての役割を、ライオンズクラブは担っているのかもしれない、と思いをいたしたところです。

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          (写真中・・・上野さん、どっか行かないよーに ^^)

 

P・S 今期の「フードドライブ事業」の終了にあたり、食品の寄付などに温かいご協力をいただいた皆さん、また「フードドライブ」に関心を寄せていただいた皆さん、全ての方々に厚く御礼を申し上げます。今後も、この活動が地域でさり気なく行えるような機運の醸成に向け、地道な活動を続けてまいりたいと存じますので、これからもどうぞヨロシクお願い申し上げます。

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〈行政視察報告「世田谷区」〉

2009-11-15 | インポート

11/14 Sat.  [ クラちゃんの起床時刻 6:55 AM ]

 

◇ 行政視察報告「世田谷区における不登校対策・BOP事業の取り組み」

 

先日来、会派や委員会で行政視察を行いましたので、その結果についてご報告させていただきます。

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「世田谷区における不登校対策・BOP事業の取り組み」について

【自治体データ】 面積:約58k㎡ 人口:約85万人

           財政規模(一般会計支出 )約2,500億円

・世田谷区における不登校対策(世田谷区教育委員会)

世田谷区は、他の自治体に先駆けて、不登校に対する取り組みを進めており、生徒の視点、また保護者の視点から施策を行っています。

世田谷区の不登校の実態は、平成19年度調べで、小学生91人、中学生292人、合計383人。全体に占める割合は、0,33%と、全国平均(0,34%)を若干下回っています。

 

不登校の原因については「子ども自身の成長や発達に起因するもの」「家庭生活に起因するもの」「学校生活に起因するのも」に大別し、それらが複雑に絡み合って不登校を生み出すとし、不登校の多様化を認識しています。

そのうえで、不登校問題の所在を

・子ども自身が抱える問題…集団対応や友人関係、昨今では発達障害も原因の一つになっています。

・家庭や地域が抱える問題…核家族化による家庭養育の孤立化(ネグレクト)地域内での交流の希薄化が原因になってきています。

・学校が抱える問題…児童生徒の多様化により、きめ細かい指導が難しくなっている。また「中一ギャップ」の発生も顕著になってきています。

                などと分析し、それぞれの「ニーズ」に応じた対策に取り組んでいます。

世田谷区は、不登校支援にあたり、次の基本的考え方に立っています

・子どもの立場に立って、何が必要であるか考え支援していく。

・子どもの行動など「予兆」を察知し、早め早めの対応で支援を行う。

・不登校は学校と家庭だけの問題とせず、地域全体で子どもに関わり支援する。

そのうえで「支援の方向づけ」を行い「取り組み」を展開しているのです。

支援の方向づけにあたっては「基本的考え方」に基づき、具体的取り組みの前提となる方針の「幹(みき)」を立て、その幹に、いわゆる枝葉となる「具体的取組み」を展開させます。

[支援方向 1]学校における子どもへのきめ細かな支援

・校長のリーダーシップの下で、教員間の連携を密にし、学校全体で協働して支援する体制を確立する。

・個々の児童生徒を「理解」することに努め、状況に即した支援を行う。

・小~中学校の9年間を通した学校間およびスクールカウンセラー間での情報の共有化を図り、いわゆる「中一ギャップ」の予防など、継続的で一貫した支援を行う。

・教室さらには保健室にも居られない児童生徒が安心できる「居場所」を確保する。

[支援方向 2]子どもや保護者の相談体制の整備

・不登校に係る、多岐に亘る相談を総合的に対応する(ワンストップ)窓口の設置。

・文科省が進める「スクールソーシャルワーカー」の導入や、スクールカウンセラーへの支援スキル向上のための研修の充実を図る。

[支援方向 3]不登校の子どもの自立支援と、そのための「居場所」の整備

・中間教室としての「ほっとスクール」の整備促進を図る。

・「ほっとスクール」についても、単なる〝居場所〟にとどめず、不登校児童生徒の社会的自立に向けた、学習や体験活動などの機能強化に取り組む。

・「ほっとスクール」の指導体制について、大学生を活用などして強化し、児童生徒の発達段階に応じた支援が行えるよう努める。

[支援方向 4]民間施設などとの連携

・NPOや不登校児保護者連絡会など、関係団体の相互交流や情報交換を積極的に行う。

・民間団体を「ほっとスクール」の主要な支援団体と位置づけ、連携・協働を図る。

[支援方向 5]専門機関・地域との連携強化

・医療、福祉など地域にあるさまざまな機関との連携を強化し、適切な情報提供や情報交換に基づき、地域における支援の仕組みづくりを図る。

・不登校そのものに対する理解啓発を進め、地域や他の保護者の理解の下での支援体制を構築する。

 

それらの体制に基づき、世田谷区においては、具体的取り組みとして

・総合教育相談室

・校外アドバイザー派遣(総合教育相談室から学校に派遣)

・メンタルフレンド派遣(総合教育相談室から家庭に派遣)

・「不登校保護者のつどい」の開催

・中間教室「ほっとスクール」の設置、運営

                     などの施策を行い、最終的な学校復帰をめざす、としています。

世田谷区の不登校対策における課題としては、不登校につながる原因の多様化・長期化に伴い、多面的な見地で支援を行う必要があること、また、いわゆる「中一ギャップ」を予防するためにも、小中の連携が重要であること、またスクールカウンセラーなどの専門職の一層の活用や「ほっとスクール」などの居場所整備の必要性が挙げられる、としています。

 

世田谷区の不登校対策の視察を通じて、課題の解決には、いかに行政が当事者の立場になって課題を認識することができるか、不登校を「特別なこと」「悪いこと」のような「対立の立場に置かず、いかに同じ目線で、子どもの個性に合わせたよりキメ細かい支援を行うことができるか、が肝要であると感じました。

残念ながら長野市の不登校対策は、世田谷区ほど踏み込んでおらず、やや画一的な感がぬぐえないと思います。

特に世田谷区のように、小学校と中学校が連携することは「中一ギャップ」を予防するうえでも非常に有効と考えられることから、長野市でもぜひ推進してほしいと思いました。

 

次に「BOP(Base of Playing=遊びの拠点)事業の現場を視察しました。

Bop

これは「放課後子どもプラン」の先進事例として紹介されたもので、学校施設を活用しながら放課後の子どもの面倒をみる事業です。

世田谷区における放課後児童育成事業は歴史が古く、昭和39年から「学童クラブ事業」として行われています。

その実績のうえに、全ての児童を受け入れる「BOP事業」が平成7年から事業開始(モデル4校)され、その後平成17年から、全小学校で実施されることになり、現在の「放課後子どもプラン」に位置づけられたものです。

BOP事業は「教育委員会」と「子ども部」が共同で所管し、主体は教育委員会が、学童クラブ所管の子ども部が支援する形で運営されています。

BOPは、1~6年の全児童が対象で「遊びと交流の場」をコンセプトとしており、その中に、いわゆるカギっ子児童の面倒をみる、1~3年を対象にした学童クラブが「遊びと生活の場」をコンセプトに位置づけられています。

事業の運営にあたり、校長やPTA、保護者会、地域の役員などから成る「BOP運営連絡協議会」が、助言や提言を行います。

職員体制は、事務局長、児童指導職員(常勤)、BOP指導員(非常勤)、プレイングパートナー(臨時職員)で、全て有償、人件費は区の単独予算で賄われているとのことです。

Bop_2

今回、実施校の一校を現地視察させていただいたのですが、まさに「視察」の妙(みょう)・・・事業に取り組む現場の、それは素晴らしい雰囲気に触れ、先進自治体だからこその(長野市にない)取り組み姿勢を肌で感じることができました。

それはすなわち「学校とBOPとの一体感」です。

「放課後子どもプラン」の実施においては、学校と、学童クラブ(児童館)との連携が事業の成否を担っています。

この事業は、その連携が〝全て〟といってもイイほどの「異事業共同運営」なのです。

世田谷区においては、長きに亘る歴史を踏まえ、学校とBOPの管理者(校長⇔事務局長)に信頼関係が構築されており、授業を終えた児童がスムーズに放課後の時間を過ごせる、ハード面・ソフト面ともに適切な体制が構築されていました。

長野市の「放課後子どもプラン」は、ようやく緒についたばかりです。

私たちの立場でも、今回の視察を通じて、肌で感じた世田谷区の先進的取り組みを長野市行政に伝え、一体感のある放課後事業の実現に向け取り組んでいきたいと思いをいたしたところです。

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この他にも、世田谷区は「すべての原点は教育にある」との理念の下「世田谷区教育ビジョン」を策定するなど、地域との関係を守り育てながら教育活動の一層の充実に取り組む、としています。

教育機関と地域との関係を重視し、教育環境の向上こそが地域発展につながるとする世田谷区・世田谷区教育委員会は、長野市にとって、ある意味で欠けている取り組み姿勢を見せてくれたものでした。

教育のあるべき形を実感することができ、有意義な視察を行うことができたところです。

 

 

 

☆ オマケ「世田谷区議会の個性的な名札」

 

視察に先立ち、世田谷区議会の議場を見せていただき、そこに、とっても個性的な名札を発見しました。

まず理事者席には「子ども部長」・・・某クルマメーカーには「子ども店長」がいますが、この場合の「子ども部長」は、子どもサンが部長を務めるのではなく、子どもに関する所管事項をワンストップで受け持つ「大人」の部長席です ^^)

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次に議員席にあった「青空こうじ」・・・って「あの漫才師の「青空こうじ」サンですか?」と訪ねると「そうです ^^」との返事が。

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「質問にも〝オチ〟をつけていますか?」と聞くと「いやいや、至ってマジメに質問されています。」とのこと、ましてや「ゲロゲーロ」な~んては絶対言わないそうです(あ、あれは相方の方か ^^)

 

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〈行政視察〉

2009-11-14 | インポート

11/13 Fri.  [ クラちゃんの起床時刻 6:45 AM ]

 

◇ 地域の鉄路再生モデル〝タマちゃん駅長〟の

                     「和歌山電鐵(でんてつ)貴志川線」を視察しました。

 

公共交通対策特別委員会の行政視察第二日目、TVなどで有名になった〝タマちゃん駅長〟のいる「和歌山電鐵貴志川線」の取り組みを視察しました。

 

視察報告については〝タマチャン駅長〟の写真も交えて後日談とさせていただきますが、ややもすると〝ネコちゃんが救った地域鉄路〟と捉えられがちな本路線、その陰には、ネコを〝駅長〟として〝抜擢(ばってき)〟した経営者の柔軟かつ斬新な感性と、地域の「足」を本気で守ろうとした沿線住民の熱意の成果があることを、視察を通じて実感として感じ取ることができたところです。

 

今の時代の公共交通は、行政や事業者が、いくら力(りき)んでみても成果は生まれない、いかに住民が共通認識で取り組めるか、が大きなカギとなることを肌で感じた視察行でした。 

 

※ちなみに「和歌山電鐵」の「電鐵」は「電鉄」ではありません。

  これは〝タマちゃん駅長〟を抜擢したユニーク社長が「〝鉄〟の字は「カネを失う」と読め、縁起が悪い」として、わざわざ旧字を使っているとのこと、こだわりが感じられました。

 

 

☆ お知らせ ・・・ 「フードドライブ」にご協力ください! ☆

 

私の所属する「長野中央ライオンズクラブ」では、社会奉仕活動の一環として「フードドライブ事業」を行います。

「フードドライブ」とは、家庭において、購入や時候の贈答などで入手されたものの、使用されずに戸棚などで〝眠っている〟缶詰や乾麺などの保存食をお持ち寄りいただき、それを必要としている団体や個人に寄付する「食を通じた社会奉仕活動」です。

この活動は、社会奉仕活動の意義と併せて〝飽食の時代〟と言われる昨今、私たち市民自身が、食の大切さを見直すという点においても大きな意義があると考えています。

 

今年は、2会場で行い、次回は下記のとおりです。

 

 

Act.2 「生活に根ざしたフードドライブ」

     と き 11月15日(日) 午前10:00~午後2:00

     ところ マツヤ 赤沼店(ショッピングモール赤沼) [特設テント]

     (イベントチラシをご覧ください) ↓

       「food_drive_matsuya.pdf」をダウンロード

 

読者(^^)の皆さんにおかれましては、活動の趣旨をご理解のうえ、ご自宅の食品棚をちょっとチェックしていただき、お持ち寄りいただければ幸いに存じます。

詳細につきましては、こちらのPDF(新建新聞社 中村 光氏プロデュ-ス)に、判りやすくまとめられておりますので、ぜひご一覧ください! 

              ↓

    「food_drive_data.pdf」をダウンロード

 

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〈行政視察〉

2009-11-13 | インポート

11/12 Thu.  [ クラちゃんの起床時刻 3:30 AM ]

 

◇ 公共交通対策特別委員会の行政視察に参加しています。

11/12~13の間、長野市議会に今期から設置された「公共交通対策特別委員会」の行政視察に参加しています。

 

長寿化の進む一方のこれからの社会状況下における必要性、また地球温暖化対策のためのCo2排出量の抑制の必要性から、公共交通体制の整備は、長野市はもとより、どの自治体においても喫緊かつ長期的な課題となっています。

 

私の暮らす地域においても、長寿者の皆さんを中心に循環バスなどの要望が高まっており、地域住民を挙げて取り組むべき課題となっております。

視察先の倉敷市は、旧合併町時代に整備された公営バスを元に、路線バスが廃止された地区内や、倉敷駅や福祉センターをつなぐ循環バスやデマンドタクシーを運行しています。

 

しかしながら(ご多分に漏れず)利用者数の減員など、路線の維持には課題も多く、行政側がどこまで補助をするか、どこまで住民が運営に関わるか、が議論されているまっ最中とのことです。

 

倉敷市の取り組みを長野市に反映すべく、視察成果を私なりにまとめてまいりたいと思います(詳細は後日談とさせていただきます)

 

 

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