倉野立人のブログです。

日々の活動を みなさんにお伝えしています。

〈ありがとう、ハッチ〉

2009-11-27 | インポート

11/26 Thu.  [ クラちゃんの起床時刻 4:40 AM ]

 

 

◇ 新聞の〝訃報記事〟須坂動物園の人気者カンガルー

               「ハッチくん」が召されたとのこと、残念でなりません・・・。

 

 

朝の信毎の三面記事に、須坂動物園の人気者であった、アカカンガルーの雄(オス)の「ハッチくん」が息を引き取ったとの記事があり、絶句しました。

 

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他でもない、須坂市は、現在オフクロが住む私の「本籍地」で、かくいう実家は須坂動物園を抱える「臥竜公園」のすぐそばにあるのです。

 

そこの人気者「ハッチ」の死には、何だか元気だった身内が突然逝ってしまったような、驚きと悲しみを禁じ得ないところです。

 

 

記事によると、ハッチはここ数週間、寝室にこもり気味でしたが、25日午後、体温が急に下がり、最後は飼育員の小林サンらに看取られながら、安らかに息を引き取った、とのことです。

 

享年9才、人間で言えば70才にもなり、カンガルーの寿命でいえば長寿の最たるものだそうです。

 

 

ハッチは、2001年に、名古屋の東山動物園(ここも、クラちゃんに縁が深く、大学1~2年の学生寮が、東山動物園のすぐ裏にあったのです)から須坂動物園に〝嫁ぎ〟ました。

 

やがて飼育員の小林サンの発案で、園舎内に「サンドバッグ」が下げられ、それに抱きついたり〝カンガルーキック〟をみまうユーモラスな姿が話題となり、気づいてみれば、それまで年間7万人台だった入場者数を、最高23万人にまで押し上げ、キャラクターグッズも売り上げるほどの〝看板スター〟となりました。

 

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        [須坂動物園ニュース]より

 

ハッチの存在は、動物園の人気者の枠を越え、地域活性化の原動力として全国的な話題にもなったのでした。

 

何でも、ハッチ人気の重要アイテムとなった〝サンドバッグ〟の真相は、事故防止の「苦肉の策」だったそうです。

 

 

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   [須坂動物園ニュース]より

 

須坂動物園に〝嫁いで〟以来、同園飼育員の小林サンは、飼育「担当」でなく〝相方〟として接してきたのですが、ハッチと親しむにつれ、その「力の強さ」を実感するようになったそうです。

 

小林サンが園舎に入ると、ハッチは無邪気にじゃれて抱きついてくるのですが、その〝勢い〟はすざましく、作業着の上から小林サンの背中に爪の跡がクッキリ残ってしまうほどのパワーだそうです。

 

カンガルー舎には、小林サンとペアで、小柄な女性飼育員サンが担当していたのですが、この勢いで後輩の女性飼育員にじゃれつかれたら、ひとたまりもないと危惧し、そこでハッチの気をそらす玩具(おもちゃ)を何かあてがおうと考えた末、この〝サンドバッグ〟に行き着いた、とのことなのです。

 

 

そんな、小林飼育員サンの「親心」は、思わぬ相乗効果を生み、あたかも敢然と対戦相手に挑む「ロッキー」然としたダイナミックなパフォーマンスは、来場者に大ウケ、カンガルー舎の前には人だかりができるに至りました。

 

 

また、カンガルーのパフォーマンスで何と言っても特筆されるのは「オヤジポーズ」ですよネ (^^)

 

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         [須坂動物園ニュース]より

 

一家の親父が、休日にごろりと横になるかの如く、園舎の陽だまりで横になり、お腹をボリボリかく姿は、何とも人間然としており、特有の親しみを覚えたものです。

 

 

ところでこの須坂動物園は、臥竜山の地形を活用して造成されており、南駐車場から動物園に入る利用者は、山すその「通路」を通ります。

 

で、この「通路」は、市内へ通じる市道の傍らにあり、私のようにこの道路を利用する者は、「通路」を歩く人の姿で、須坂動物園の賑わい具合を感じ取ることができます。

 

今になって思えば、ハッチ来園後は「通路」の歩行者は増加傾向で、ハッチが賑わいの原資となっていたことが確かに裏付けられていました。

 

 

このように身近な須坂動物園ですが、近いがゆえに来園することはほとんどありませんでしたが、一度だけ、この「通路」を通って、ハッチの面会に訪れたことがあります。

 

その頃のハッチは〝現役バリバリ〟園舎に着くと、ラッキーにも屋外にいて、動物大好きのクラちゃんの視線を感じてか、ムクッと起きあがり、目の前で「サンドバッグパフォーマンス」を見せてくれたのでした。

 

その迫力たるや、まるでホンモノのボクシングのよう(見たことないケド ^^)

筋肉隆々の上半身からパンチを繰り出したと思えば、サンドバッグを手で押さえ付けた状態で強烈なカンガルーキッ~ク! そのパワーはハンパでなく、小林飼育員サンが後輩飼育員の身を案じたのも理解できます ^^;

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で、このハッチくん、サンドバッグを相手に、単なるストレス解消をしているだけではありません。何というか、聴衆の視線を意識し、ときにはカメラ目線を送りながら(^^)何というか「見られていることを楽しんでいる」ような、芸人魂も併せ持った〝エンターテナー〟だったのです。こりゃ人気も出るワケだわ(^^)

 

 

そんな人気者ハッチの死・・・ニュースで、主(あるじ)のいない園舎と、ポツンとぶら下がるサンドバッグが映っていましたが、まさにぽっかりと穴があいたような寂しさが伝わってきました。

 

それでも、ハッチは、愛妻クララとの間(一部違うようですが ^^)5匹の子宝に恵まれ、次世代への継承は万全のようです。

 

今後これらの「子役」が元気に育ち、第二・第三のハッチとして、来園者に癒しを与えてくれることを願って止みません。

 

 

突然旅立ったハッチくんですが、人間レベルでは到底なし得なかった、無垢な動物の所作が人々にくれる癒しのひとときの温かさや、身近な動物園をここまで活性化し、地域活性化の何たるかを示唆してくれた彼の大きな功績に、心から「ありがとう」を伝えさせていただくと同時に、ハッチくんの残してくれた有形無形の財産を、次世代に活かせるよう、動物との交流を楽しむ心をこれからも育んでいきたい、としみじみ思ったものでした。

 

 

 

◇ 「信州そば」が〝虚偽表示〟の標的に…根強い〝食品偽装〟に憤りを覚えます。

 

 

ハッチの訃報記事が大きく掲載される傍らで、小さな記事でしたが〝信州そば〟が食品偽装のネタに使われ、逮捕者が出るという事件に発展したことが写真入りで載せられ、別の意味で目を引きました。

 

 

 

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記事によると、三重県の食品加工販売業者が、実際には三重県内で製造した蕎麦(そば)を、袋の表示に実在する長野県内の製麺工場で製造したと虚偽の表示をし販売したもので、製品から異臭がするとクレームが出されたことから「アシ」がつき、逮捕に至ったというものです。

 

食品偽装といえば、2年前の「ミートホープ」や〝ささやき女将〟の「千場吉兆」があまりに有名です。それらの事件をきっかけに、食品偽装に対する社会認識は高まったところです。

 

しかし、儲け主義に走る悪徳業者は後を絶たないのが現状で、ついに今回〝信州そば〟が標的にされ、事件化してしまったことは、由々しき事態と言わざるを得ません。

 

実は、私が親しくさせていただいている方には、大手製粉メーカーの社員サンや、製麺業者サン、またそれらの関連業者サン、さらには二代に亘る蕎麦店経営者など、いわゆる〝業界関係者〟が多くおられ、今回の食品偽装が「対岸の火事」で済まされるか、非常に気になるところなのです。

 

遡れば、2002年、民放のニュース番組で埼玉県のホウレン草のダイオキシンの誤報がされ、おかげで多額の風評被害が発生した一件がありましたが、心ない一部の悪徳業者によって、高い品質の信州そばの金看板に泥が塗られるようになったことは、到底許されるものではないでしょう。

 

 

この〝信州そば事件〟のように、他人の看板をちゃっかり利用してひと儲けしようとする輩(やから)は、意外と多いものです。

 

〝身の丈以上〟というか、自分の能力を補うために、他人の看板を〝借りる〟ことは、何というか、つま先立ちでいつまでも歩くみたいなもので、いつか無理が生じるし、長くは保たないものです。

 

己の技量を知り、身の丈にあった所作に徹してこそ、確実な成果が得られると思うのですがネ。 

 

 

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 [ソバの花畑]サンプル写真