日本国内における新型コロナウイルスの「第5波」が収束に向かい、ようやくの形で社会経済活動が再開の流れとなり始めた矢先…今度は 南アフリカに由来する新たな変異ウィルス「オミクロン株」の発生が取りざたされる事態となっていることが報じられており、懸念の意を新たにさせられるところであります。
これ(オミクロン株)について、日本国立感染症研究所は「懸念すべき変異株」に指定、警戒度を最も高いレベルに引き上げたとのことです
「オミクロン株」は 南アフリカが2021年11月24日に初めて世界保健機関(WHO)に報告した新型コロナウイルスの変異株です。
WHOは、これまで報告されている アルファ株・べータ株・ガンマ株・デルタ株に続く5番目の「懸念される変異株(VOC)」に指定しました。
これまで、南アフリカの他 英国・ドイツ・イタリア・ベルギー・オランダ・デンマーク・イスラエル・ボツワナ・香港・オーストラリアで確認されているとのこと。
この新たな変異株の特徴は、人の細胞に侵入する際の足掛かりとなる表面の突起(スパイク)の変異が際立って多いのが特徴だそうで、その数 実に30ヶ所。
現在 世界で猛威を振るう「デルタ株」の変異は8ヶ所なので、それに比べてもケタ違いに(スパイクが)多く 感染力が強くなっていると共に、ワクチンや抗体薬が効きにくくなる可能性が指摘されています。
さらに 海外の事例として、南アフリカから帰国した人が宿泊療養施設で待機していたところ、直接の接触が無いのに(ホテルの)向かいの部屋に泊まっていた人に感染したことから、これまで飛沫感染や接触による感染のみだった状況が 「オミクロン株」では ついに「空気感染」の可能性もささやかれるようになり、これまで以上の感染力の強さが指摘されています。
ここへきて 降って沸いたが如く出現した「オミクロン株」この〝新たな難敵〟からの被害を食い止めるためにはどうしたら良いか。
今のところ、海外での発生事例しか報告がないことから、ここはやはり「水際対策」が非常に重要と言えるところでしょう。
海外から 人体を介して侵入しようとする新たな変異株、島国である日本において(ウィルス侵入を)食い止めるには それ(オミクロン株)を媒介する「人」の入国を制限することが唯一無二の対策と言っても過言ではありません。
このことについて政府は 水際対策の強化措置として、全世界を対象に外国人の入国を禁止すると発表しました。期間は他の措置と合わせて「当面1ヶ月」とし、日本人の帰国者らに指定施設での待機を求める対象国は ドイツなど14ヶ所の国・地域とするとのことです。
また 1日当たりの入国者数の制限は、さきに 従来の3,500人から5千人程度に緩和したばかりでしたが、再び3,500人に引き下げ、日本人の帰国者が自宅などで待機する期間は ワクチン接種が済んでいても14日間とするとのことであります。
わが国のコロナ対策(水際対応)については、最初の中国からの入国制限の際の〝脇の甘さ〟に起因し ズルズルと感染拡大を招いてしまった苦い経験があることから、今回の「オミクロン株」については、早いうちに強固な水際対策による〝(ウィルスを)入れない・持ち込まない〟ことの徹底が求められていることは言うまでもありません。
われわれ日本国民は、これまで コロナ禍の「波」を乗り越え、ようやく感染者数も下方に転じさせることを成し遂げ(始めて)まいりました。
そして ようやく目処が立ちつつある「社会経済活動の再開」が、もしここで またもやの新たな変異株の侵入を許せば、またまた「振り出し」に戻ってしまうことになり、これまでの労苦が ご破算になってしまうことが憂慮されるところです。
今回の「オミクロン株」発生は、世界における〝ワクチン格差〟など さまざまな課題の上にあるとも言われているところですが、いずれにしても、もうこれ以上 社会に悪しき影響が及ぼされないことを切に願い、水際作戦が功を奏することを願って止まないところであります。
折りしも わが国は、これから ウィルスが活性化する冬季を迎えることから、予断ならないこと必至であります。