倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

長野市消防団役員と 市議会総務委員会が意見交換

2021-11-20 | 日記

11/18(木)、長野市の消防団活動の中枢を成す 市消防団長・副団長(3名)・方面隊長(5名/1名 欠席)の各位と、消防行政を所管する 市議会「総務委員会」のメンバーとが意見交換を行ないました。

私は今期 総務委員会に所属していることから、委員の立場で出席いたしました。

 

 

 

ご案内のとおり「消防団」は、地域の安心安全=防災・減災 に欠かせぬ存在となっている団体で、消防本部や消防署と同様「消防組織法」に基づき それぞれの市町村に設置される消防機関です。

生業をもちながら 在住する地域ごとに所属いただき、平常時においては 防火・防災に向けた啓発活動を行なう他、地域の行事やイベント等の警戒活動や、イザ災害の際には 初動活動(初期消火や避難誘導など)の遂行・消防隊員等を補佐しての 消火などの災害対応にあたってくださいます。

まさに「消防防災のリーダーとして、平常時・非常時を問わず その地域に密着し住民の安心と安全を守るという重要な役割を担う存在」となっています。

とりわけ 長野市消防団においては、さきの「令和元年東日本台風」の際、堤防決壊が間近に迫った千曲川沿線の長沼地区において、分団長の英断により「半鐘連打」を敢行、それまで避難を躊躇していた多くの住民に「ただならぬこと」を実感させ 自主避難を促した勇気ある行動として記憶に新しいところであり、消防団の存在意義を再認識したところでありました。

 

一方 社会の多様化に伴い、消防団(団員)の維持存続は非常に難しい状況となっています。

いわゆる〝担い手〟となる新規団員加入は減少傾向にあり、団員数維持のための課題・その(団員数維持)ための長期在籍団員の恒常化に伴う(団員の)高齢化問題など、その崇高な社会的役割に比して 消防団を取り巻く状況は易(やす)からぬものがあるのであります。

 

この日の意見交換は かかる状況も踏まえたうえで

・組織及び定員の見直し

・「大規模災害団員制度」の創設

について 報告ならびに意見交換が行なわれました。

 

長野市消防団は、6つの「方面隊」と74の「分団」で編成され、団員の定員を3,430人と定めたうえで構成されています。

 

 

 

団員の構成については、平成24年には 総数3,425人・平均年齢39,6才であったものが、令和3年には 総数は3,190人に減少し、反面 平均年齢は43,9才に上がり いわば反比例の状況となっているとのこと。

 

 

 

この状況を踏まえ、長野市消防団においては 実際の地域社会の間尺に見合った組織編成を行なうべきとの見直しを進め、令和4年度から 基本団員の定数を3,050人とし、そこに(後述の)「大規模災害団員」100人を加えた 3,150人体制に組織(定数)を改めることとなりました。

 

 

 

さらに、これまで 長野市消防団が永年抱えていた「消防団手当の低劣問題」についても ようやくの形で改善の手が入ることとなり、在勤手当と出動手当が国基準並みに引き上げられると同時に、長野市独自に「出動加算手当」を創設して、生業(仕事)を犠牲にして消防業務を精勤いただく団員さんらのご苦労に せめても応えることとなりました。

 

 

 

また (前掲のとおり)恒常的な団員不足により、大規模災害など イザというときの体制不足を補うため「大規模災害団員制度」を創設、団員OBをはじめ希望者を募ったうえで 基本団員ほどの任務従事を求めず、年一回程度の訓練を実施したうえで 有事の際の分団活動を補助していただくこととするとのことであります。

 

 

 

 

意見交換の中で 私の方から「消防団活動は、地域の防災・減災を実質的に行なうことが本来の目的であり、いわゆる〝団員集め〟がそれ(目的)ではないと思います。団員不足が顕在化する中、地域の防災・減災を実効あるものにするため 今まで以上に地域住民(自主防災会等)との連携を深め、イザというときには消防団のみならず 多くの地域住民と協力して成果(防災・減災)が上がるよう取り組んでくださることを願います。」と述べ、さらに「大規模災害団員制度について、大きな災害の際には 現場の最前線に立つ方々には生命にも拘わるリスクが生じることが懸念されるので、現場に立つ人自身の安全も守られるよう 例えば「消防団員のマイタイムライン(自主避難指針)」を設けるなどして、被害拡大につながらないよう創意工夫していただきたい。」と述べたところです。

 

 

私自身、消防のサイレンが鳴るを耳にする度に現場に駆けつけ、その都度 消防団員の方々の活躍ぶりを目に焼き付けています。

その他 歳末警戒などの活動ぶりを目にし、地域における消防団の存在意義の重要さを身に染みて実感する者の一人です。

それだけに、これからも消防団が持続的に維持存続できるよう 私の立場でも心を砕いてゆきたいと思いを新たにした次第であります。