要となる智を継ぐもの

株式投資についてつらつらと書くブログ(走り書き)。誤字脱字計算間違い多数。補正・修正は読み手側でしてください。

直近の利益率が高いからといって…(2)

2010-11-21 14:10:10 | 投資日記
昨日書き込んだ利益率と安定性に関して何だけど、良く見ると若干利益率が高い方が安定性がありそうに見える(目の錯覚?)ので、少し詳しく調べてみた。

改めて昨日とは違うサンプルを用意。サンプル数も前回の3倍弱を用意。2000銘柄分だから上場企業の半分くらいは入っている事になる。で、極力外れ値も除外せずに計算してみたのがこれ。



黒い粒は個別企業の分散。赤い線は平均値。平均線が大体同じじゃん?って話になるかもしれないが、これは同じでは無い。最大値の上限がかなり上の方にある為、平べったく見えてしまっているだけ。

実際の所、低利益率(ROA0%~2.5%)の企業は利益変動がきつい。その値は平均/標準偏差ベースで1.7倍。統計的に言えば、10%以上の確率で1年後に赤字になる(大雑把過ぎる解説ですんません)。

逆に、比較的高利益率(ROA5%~12.5%)の企業は概して堅い。その値は平均/標準偏差ベースで3.5倍。低利益率企業の約2倍の値であり、赤字になりにくい体質である事が分かる(統計的に言えば1年後の赤字の確率は0.1%程度、と言えるのだろうか?シックスシグマ的な?)。とはいえど、これは全ての企業がそうであるとは言い難い。実際にグラフを見ての通り、外れ値の企業がこの数値に大きく貢献している。特に1000%以上の企業の貢献率は高い。とは言っても、絶対数は少なく出現頻度も希有なので、全体的にやっぱり安定性はあると言える。その先のより高収益な企業は何故か変動幅が物凄く大きい。理由は不明。なんででしょうね?

まぁ、ある程度高い利益率を持っている企業は、何らかの掘りを持っており、他企業に比べて外部からの影響を受けにくい構造にあると言えるのかもしれない。さらに言えば、そう言った企業の中に本当に強い企業がおり、これらは本当の意味で濠を持っており、その高い利益率の蓋然性を極限まで高めている、のかもしれない(縦軸1000%以上の企業の事ね)。

今回はROA(NOPLAT、総資産ベース)でやったけど、ROICなりROIなりで計算するともっと厳密で面白い結果が得られると思う。そのうち試してみたい。


※因みに基準ROA(NOPLAT/資産)は5年前水準のモノを使ってます。
※変動部分は過去5年間の数値を使ってます。
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