My Home Town(旧風力発電と子育て日記)

観光と風力発電と子育ての日記です。

当日記の内容については風車ファン以外の無断での転載転用を固くお断りします。

風車倒壊 最終報告

2007-03-18 21:08:20 | 風車倒壊事故
昨日は職場がワックス清掃で立ち入りできなかったのですが、今日は大丈夫ということで仕事に行ってきました。休日は暖房が入っていないので、チョッと寒かったです。

出張中で気が付きませんでしたが、一昨日(金)、ユーラスエナジージャパンから岩屋の風車倒壊について最終報告が出ました(職場からメールが転送されてきてました)。

基本的には中間報告の内容をシミュレーションで立証したというところでしょうか。原因は風車の故障による長時間停止措置の際の作業ミスということです。作業ミスというかマニュアルを守らなかったことが事故につながったようです。

事故当初、多くの人(私も)が基礎工事の不手際か設計ミスが原因と予測していましたが、風車の過回転が原因でした。私は手抜き工事というのは考えにくいと思っていました。というのも、配筋やコンクリート打設で手を抜いてもリスクと比較して得るものが少なすぎるからです。

しかし、基礎の施工に精度が足りなかった様子も見て取れるので、今後の施工監理は厳重に行う必要があります。

風車が定格回転数の倍の回転数になっただけで、風車が倒壊するということは一般的には信じがたいのですが、風車にとって過回転は非常に恐ろしいことだそうです。過回転が倒壊の原因らしいという中間報告が出た時点で、風車の専門家は最終報告をある程度予想していました。

今回はローターを固定する主軸ブレーキを強制的に開放した上で、ピッチをフェザリング状態に固定する措置をとったわけです。風車を停止する2つの方法のうちの一つを解除したわけですから、ピッチの固定はより確実な方法でしなければいけません。この点は、改善対策がとられるようです。

当町では長時間の停止の場合でも主軸ブレーキを開放しておくことはないのですが、このあたりは風車メーカーによってそれぞれということなのでしょうか。

最終報告には改善対策が列挙されていますが、各風車メーカーやその他専門家の皆さんが内容を分析して、オープンに議論してもらえると良いのですが。最終報告のとりまとめと公表については保安院から指導があったと考えるのが普通でしょうから、改善策について保安院が中心となって議論したらどうでしょうか。

今日は久しぶりに子供4人と一緒に風呂に入りました。最近では長女(小6)、長男(小4)、次男(小1)の宿題の終わる時間がバラバラだったり、三男は嫁と風呂に入りたがったりで全員と入る機会が減りました。

今週火曜日は長女の卒業式です。子供4人全員と風呂に入れるのも残り少ないのかもしれません。

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10 コメント

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あえて信じない (カリブの海賊)
2007-03-18 22:14:02
先ほど、報告書を読みました。
専門家で無いので技術的な解釈は出来ませんが(金属破壊工学専攻なので、ちょっとはかじっていますけど)、この報告書の裏読みをしてみます。
というのも、まさに僕が予想していた通りの報告書だったからです。

あえて、このような書き方をします(僕個人の推察ですので注意)
◆残りの24基を守るためにどうすればよいか
 ⇒原因は従業員のミスと、過回転という特殊要因
 にする。
 ⇒文章は専門用語で極力分かりにくい内容とする

なんていうか、自分たちの社員であるメンテナンス員を生贄にして切ったなという印象を強く受ける報告書でした。
(ちょっと間接的に知っているためメンテナンス員に同情気味です)
またコンクリート芯かぶり厚に何の責任もないのであれば、今後も、この程度の誤差の施工は許されるという意味ですよね。自動車では1mmの誤差でもクレームになる日本で、あの誤差は笑って済ませるレベルでは無いように思います
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プロの仕事 (kynthm)
2007-03-18 23:08:27
カリブさんが言いたいことはわかりますが、私はチョッと裏読みしすぎかなと思います。

実際直接の原因は作業員のミスだと思います。少なくともプロの仕事では無かったのではないでしょうか。私が問題として考えるのは、作業員に対してどの程度の教育が行われていたのか、という点です。作業員が加速度の恐ろしさを想像できる程度まで教育を受けていたのかということが問題だと思います。もちろん、ピッチの固定作業についてどの程度の教育を受けていたかも問題です。

確かに、コンクリートかぶりが設計どおりだった場合と、ムラがあった場合でどの程度強度に影響があったのかということまで公開しないと説得力がないですね。施工についてもプロの仕事ではなかったことは間違いありませんね。
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教育とモチベーション (カリブの海賊)
2007-03-18 23:19:01
深読みかもしれませんが、どうも納得できていません。構造計算のシュミレーションは必ずしも万能だと思っていませんし。

教育とモチベーションの問題は、相当あると思います。その点は作業員に非は大ですし、ひいては、メンテ員の水準を最低限維持すべき、ユーラス及びユーラス岩屋の責任も甚大ではないかと思います

風力発電機は、実際には、ヨーロッパのマニュアルやスーパーバイザーの指示だけでは、うまく回らないことが多々にしてあります。一部の風力事業者はそれに気づき、メンテナンスに愛情という要素を入れ始めています。10年目を迎える元気はつらつな風車も見てきました。(今でも運転当初と変わらぬ性能を発揮しています)
ユーラス岩屋は、この倒壊以外にも、多くのトラブルに見舞われているのは、業界関係者の中では有名な話です。だから気になるんです
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フェールセーフでも駄目? (風の保守員)
2007-03-19 11:46:06
初めて投稿させていただきます。
 今回のボーナス(現シーメンス)の風車は、固定ブロックが無いと、エラー停止してからもブレードピッチが動くのでしょうか?
 報告書には”ブロック脱落と油圧低下がともに発生した場合、ブレードをフェザリング状態で適正に保持することは不可能”と記載されていますが・・・
 油圧でのピッチ機構の場合には、油圧シリンダーとブレードが接続されているはず、油圧が低下するとシリンダー内のバネにて、ピッチがフェザリング状態を保持すると推測しておりました。
 たとえ、固定ブロックが脱落したとしても、油圧装置接続部を損傷しても、フェールセーフタイプの風力発電装置ならば、シリンダーが脱落しない限り、エラーが出た時点で油圧は0barに近いはずですから、シリンダー内部のバネの力で、フェザリング状態から、そう簡単には動かない(風速何メートルで動くかはわかりませんが・・・)と思っていたのですが・・・・・
 報告書を疑っているわけではないのですが、何故ピッチが動いたのかが、フェールセーフを念頭に考えると理解できないので、どなたか今回の機種についてご存じの方がいらっしゃるのならば、教えてほしいかぎりです。
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調べてみます (kynthm)
2007-03-19 22:30:22
カリブさん、確かにシミュレーションはあくまでもシミュレーションです。当町風車でも以前シミュレーションではクリアできていた運転方法を現場で試したところ、風車にかかる負担が大きすぎて取りやめたということがありました。

また、風車に対する愛情ということについては事故の直後、ある専門家の方からも愛情があれば今回の事故は防げたかもしれないとの指摘をいただきました。
いずれにせよ、これから少し最終報告の内容について調べてみたいと思います。

風の保守員さま。現場の専門家のコメント大歓迎です。油圧が低下した場合の、ピッチ位置の保持の仕組みがメーカーごとに違うものなのか私にはわかりかねるので、この点についても少し調べてみます。
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会社の責任 (mizu)
2007-03-24 21:46:56
ご無沙汰しています。
私も遅ればせながら最終報告について書いてみました。
トラックバック送りますね。

私もカリブさんと同じく、この報告書を全面的に信用することはできません。
外部の専門家が加わっているので、シュミレーションの結果は問題ないのだと思いますが、これは解釈の仕方で違いが出てきてしまいます。
会社の保守管理体制がどうだったのか全く述べられていないのも問題かと思います。

風の保守員さんのフェールセーフにも興味があります。
なぜブレードが動いたのか。報告書を見る限り、バネによる安全装置はついていないように思いますが、固定ブロックがハブ内部に入り込んで暴れたようなのであっても機能しなかったのかもしれません。
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教育が行き届いていなかったということは (kynthm)
2007-03-24 22:40:32
mizuさんご無沙汰しております。トラバをいただく前にブログを拝見しておりました。

私は報告書自体は真面目に作られていると感じました。しかし、今後の対策を見ると、今までの体制に多くの不備があったことが良くわかります。原因は作業員のミスということになるのでしょうが、それを招いたのは教育不足ということに尽きると思います。

ということはそこに結果として今までの会社の姿勢が表れているということになると思います。

フェールセーフについては、主軸ブレーキ、油圧によるフェザリング位置の保持、ピッチ固定用ブロックの設置と3つの風車停止方法のうち主軸ブレーキは開放されていたわけです。不測の事態で油圧が抜けた時のためにピッチ固定用ブロックを設置をしていたはずですが、フェールセーフとして働くはずの固定ブロックがはずれて、油圧系統を壊す(推測ですが)ということは想定していなかったのではないでしょうか。
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風力事業者の責任甚大 (カリブの海賊)
2007-03-25 01:19:10
教育不足が原因だとすれば、明らかにこれは、風力発電事業者の責任です。
デンマークからスーパーバイザーを招く、あるいは逆にデンマークに研修というような教育がきちんと受けているのか。(あるゴルフ場で、数年で撤去された風力発電機は、スーパーバイザーをきちんと活用せず立てててしまったと聞いています)

あるメーカーの方から、過回転の問題は、既に把握されており(似た事故もある)、決して知らなかったと言い切れる筋合いのものでもないことも分かりました。しかも、日本固有の問題でもありません
たまたま今回は基礎が壊れただけで、強度等の関係で、タワーが折れる、羽が吹っ飛ぶなど、様々な自体になっていたかもしれません。

しかし、それほど恐ろしい事故に繋がる作業で、手抜きを許すようなマニュアルだったのでしょうか?

また、このタイプの事故は、「前例」があります。
しかも、1例ではない。

もしかしたら、「前例」を生かせなかったとしたら、最近報道されている臨界事故の志賀原発を代表とする原発(BWR型)に見られる、原子炉の制御棒脱落事故ときわめて似た話にもなりそうです。(つまり、風力事故情報が事業者間では全く遮蔽されている)

事故報告書の結果、実際に作業をしたメンテナンス員ひとりの責任に押し付けるのは簡単ですが、企業そのものの責任も甚大だということは、主張したいです
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最終報告を読んで (風の保守員)
2007-03-26 10:57:25
mizuさんのコメントで、更に詳しい最終報告出ているのを知り、読んでみました。
確かに油圧シリンダー内部にバネが無いようですね。アキュームレータでの残圧でフェザリングを維持する機種のようですね。油圧配管が壊れれば、フェザリング位置を維持できない機種のように思えます。
 kynthmさん、調べてくれるとの回答心強い限りです。今後も、よろしくお願いします。


 
 
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想定外 (kynthm)
2007-03-26 19:22:45
風の保守員さん、こちらこそ今後もよろしくお願いします。油圧が抜けた場合の安全策としてピッチ固定ブロックを取り付けたはずだったのに、そのブロックの取り付け方法が不十分で、油圧系統を壊してしまったようですね。メーカーとすると想定外ということでしょうか。想定外のことが起きても更に安全装置が働くというのが理想ですが。
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