ゆるゆる素浪人の「気まぐれ日誌」~ 自己満足とボケ防止に、人生の雑記帳~  

そういう意味で老人の書いた「狼の遠吠え」、いや「犬の遠吠え」と思い、軽い気持で読んで頂けば有り難いです。

男性の平均寿命79.6歳、健康寿命70,4歳

2012-06-13 00:00:00 | 時事・雑感

昨年の国勢調査で日本人の平均寿命は、男性79.59歳、女性88.44歳、

4年連続で過去最高を更新し、女性は25年連続の世界一であったと厚労省は発表した。

 

一方、厚労省は介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、

自立して健康に生活できる期間を示す「健康寿命」を初めて算出した。

それによると平成22年度の健康寿命は男性70.42歳(平均寿命79.55歳)、

女性73.62歳(同86.30歳)になったと発表した。

 

ちなみに男性の健康寿命の高い県は①愛知②静岡③千葉④茨城⑤山梨・・・・38位香川(69.86歳)、

女性は①静岡②群馬③愛知④沖縄⑤栃木・・・・・42位香川(72,76歳)の順だった。

 

いくつになっても毎日を楽しみ、人間らしく平均寿命まで生きるためには、

平均寿命と健康寿命の差、約10歳を縮める必要がある。

そのために厚労省は国民の生活習慣を改善し、健康寿命を延ばす方策として、

「Smart Life Project」を推進している。

それによると運動、食生活、禁煙の3部門に数値目標を掲げて運動を展開する。

例えば1日に10分以上の運動とか、食塩の摂取量を1日8g以下に減らしたり、

現在の禁煙率19.5%から10年後には12%に下げる。

 

私も古希を過ぎ男性の健康寿命70歳を超えたので、

これからは男性の平均寿命80歳を目指して、まず頑張りたいと思っている。

●「思い出の写真館」(41)  玄武洞(兵庫県豊岡市) 

○玄武洞(昭和39年)


「インターネット随想」⑲ 老いの坂道

2012-06-10 00:00:00 | エッセー

今日の「インターネット随想」は世間でよくあるマザコン家庭の嫁と姑の話で、

よく事実は小説よりも奇なりと言いますが、これは実際にあった記録である。

 

一人の老婆が風呂敷包みを抱えて研究室にやって来た。

年の頃なら70過ぎ、白髪で気品高く、一見良家のお婆あさんであることが分かった。

「どういう要件でしようか」とやおら尋ねると、老婆は長々と話し始めた。

「実は早く夫と死別し一人息子を女手一つで育て、大学までやって高校の先生にしたんです。

その息子に一年ほど前に嫁をもらい、現在は3人で楽しく暮らしているんです。

しかも嫁のA子はとても気立てがよく、何一つ不自由なことはないのです。

ところが近頃、家の中で奇妙なことが起こるようになったのです。

食事の用意は交互に作るのですが、どういう訳か決まって私の作ったお惣菜が、

甘くて食べられたものではなく、嫁が作ると何ら異常がないのです。

そこで息子が『もうお母さんも歳だから、砂糖でも間違っているのだろうから、

もう食事の用意はA子にまかせなさい』というのです。


私は70歳ですけど、この通りボケていませんし、

料理に使用した調味料も、A子さんと全く同じものを使っているのです。

これは夕べ作った肉と野菜の煮物ですが、甘くて食べられたものではありません。

どう言う訳で甘くなるのか、先生に試験して頂きたく・・・」

やっと依頼の主旨が解ったが、この種の相談によくある、

お婆さんがボケているのではなかろうかという雰囲気は、

話し方からして、どうしても思われなかった。


しかも持参してきた煮物は、確かに甘くて食べられた物ではなかった。

「お婆さん、お嫁さんとは上手くいっているんですか」と聞き返すと、

「そーら、上手くいっていますよ。

嫁は大変親切で大事にしてくれますし、近所では評判の嫁ですよ」と言うことだった。

今日は取りあえず煮物を預かって、甘い原因を試験することにした。


2~3日が過ぎただろうか、この老婆に電話した。

「甘い原因が判りましたよ。サッカリンです。

恐らく調味料か何かにサッカリンが入っていますのでよく調べて下さい。

これだけ甘ければ舌でなめればすぐ解りますから」



翌日、早朝この老婆が私を待っていた。

「先生、有難うございました。甘い原因は調味料の醤油が2本有り、

1本にサッカリンが沢山入っていました。

私は知らずに、この醤油を料理に使っていました」

「ではサッカリンは誰が入れたのですか」と問い返した。

「先生、それがですね、お恥ずかしい話ですが、息子を可愛がり過ぎたためか、

嫁が息子との中を離そうと思って、醤油の中にサッカリンを入れ、

自分の調理には入っていない醤油を使っていたんです。

気立てが良く何の不平のないような嫁にも、私の子供への愛情に嫉妬したのでしょう。

 

これで目が覚めました。

これからは息子や嫁の邪魔にならないように、自分自身の「老いの坂道」を歩む事にしました」

老婆は寂しそうに話して、何度もお礼を言って帰っていった。

この事件から私は違った社会の裏を覗いたようでもあり、長く心の底に白雲が漂っていた。

                 (○○県○○会誌、1985.3.15)

●「レトロ写真館」(40)   ロンドン

○ウェストミンスター寺院


先週の尻取り川柳(209)と猛毒タコ北上

2012-06-07 00:00:00 | 雑感・川柳

近頃は予想外の豪雨や竜巻、世界各地で大地震の自然災害が起こっているが、

これも地球誕生から43億年、地球環境の悪化によるのだろうか。

 

先日はフグ毒と同じ猛毒の「テトロドトキシン」をもち、

通常は熱帯や亜熱帯に生息する「ヒョウモンダコ」が

福岡県北九州市、三重県熊野灘沿岸で見つかった。

これも地球温暖化の影響で海水温が上昇し、

ヒョウモンダコが各地に移動して生息域を拡大してきた証であろう。

●「ヒョウモンタコ」(読売新聞・電子版)

 

ヒョウモンダコは茶色で体長約10cm、刺激すると青いリング模様が現れるのが特徴だ。

まずは食用に出回ことはないが、海釣りや海岸なんかで噛まれると、

テトロドトキシンで嘔吐やしびれ、けいれんなどの症状が出るから注意が必要だ。

 

さて先週の「しりとり川柳」ですが毎朝の貴重な1時間弱を使い、

朝ドラ「梅ちゃん先生」をバックに約15句詠み、お遊びの「頭の体操」に励んでいる。

 

今週は政治関係と日常生活を詠んだ句が多く成りましたが、

マンネリ化して粗雑になり、川柳と言うより下句を使った直感の短文に成りました。

努めてユーモアとウイットに富んだ句を心がけていますが、

技術者だったので理屈ぽく、諸に心情が表れた気恥ずかしい句もあります。

その日に詠んだ好きな愚作に○印を付けて見た。笑読ください。

 

●政治家は  日本の将来 左右する

●まっしぐら 消費増税 野田総理

●無駄なこと 多くあります 民主主義

●防衛相 あんな調子の 家庭かも

●マイク持ち 新人議員 辻説法

●どうなるの 民主党の 行く末は

●奢りかな 安全神話 原発の ○

●原発の 事故で受け継ぐ 負の遺産

●役人も 人間だから 欠点が

●挟まれて 旦那動けぬ 嫁姑 ○

●運のつき 金の切れ目は 女との

●夢を見て 続けているよ 宝くじ

●棲む人は 初恋の人 忘れられず

●コーヒーに 恋の香りを 感じ取り

●シュートした はずのボールが オンゴール

●忘れ物 沢山あるよ 人生の

●プロが負け コンピュウターに 王将が

●新情報 掴まされたか ガスネタを

●あったけど 今じゃ気力は 半減し

●また眠る 目覚ましなんて クソ食らえ

●願っても ない縁談と 飛び付いた

●無になった 座禅修行で 一瞬は ○

●今日までよ 冬物整理の バーゲンは

●化けたって 化粧の力 まざまざと

●尽くすだけ それじゃあ勘定 合わないわ ○

●ボランチィア そんな気持ちで 見合する

●安心す 医者の一言 異常なし

●できません 孫の宿題 数学は

●チョットだけ 見せておくれよ ストリップ

●するはずが ないと思うは 人の性

 

●「レトロ写真館」(39)

○英国国会議事度ビッグベン


野田第二次改造内閣発足

2012-06-05 00:00:00 | 政治・雑感

昨日は野田改造内閣が発表され5人の大臣が交代した。

当然ながら参議院問責決議を受けた前田、田中両大臣の交代が主目的だろうが、

問題点の多い農水、法務の両大臣、補足的に郵政金融大臣の5人が交代させた。

 

これら新大臣の人事を見ていると知名度は低く、

何と言っても目玉は防衛大臣に決まった民間人で、

ワイドショウーで活躍している大学教授、森本 敏さんぐらいではなかろうか。

これらを見ていると如何に民主党には人材不足かが分かる。

 

この森本防衛相は防衛大学校を出て防衛官、外務省を経た専門家のようで、

テレビのコメンテェターとしての印象からか、外野席から期待度は大きいが、

大臣とも成れば評論家ではダメで、現実を動かさなければ成らず手腕が見ものだ。

しかも防衛大臣が民間人に成ったのは防衛庁時代から初めてで、

早くもマスコミからシビリアンコントロールは大丈夫かと言う反論が上がっている。

 

先のブログで野田総理と小沢さんとの会談は儀礼的なもので、

やがて野党の自民党にすり寄り、消費増税案可決の道を歩むだろうと大胆予測した。

今の所はその方向に向かっているようだが、

今回の内閣改造は更なる進行のための環境整備に他ならない。

 

これで一つのハードルは超えたが、

次の最大のハードルは「税と社会保障の一体改革」の与野党協議と採決時期だろう。

強気の自民党は更なる難題の解散時期の明示を求めて来るかもしれない。

まあ政治は一寸先が闇、今のところ困難な消費増税案の成立の可否は五分五分、

しかし此処まで来れば国際公約もあり、野田総理は捨て身の戦法で自民党案を丸呑みして、

最終的に成立させるると読むのは、私の浅はかな推察に過ぎないであろうか。

 

●「レトロ写真館」(38)  ロンドン市内(約20年前)

○ゴミ収集人

 ○ごみ収集場


 「インターネット随想」(18) 精力持続剤鑑定

2012-06-03 00:00:00 | エッセー

先週は大阪で幻覚作用などの使用感がある「脱法ハーブ」を若者が吸引して、

交通事故を起こしたとニユースは伝えていた。

いつの時代もこの種の麻薬覚醒剤の事件は多いものだが、

今回の「インターネット随想」は40年前のお爺さんの話である。

 

今日の暑さは格別でなかなか仕事も手につかず、

しばし古びた1台の扇風機を囲み、朝の雑談に花を咲かせていた。

その時に「先生、県会のA先生から電話ですよ」

受付嬢の弾んだ声に促され受話器を取った。

「やあ君、ちよっと相談があるのでそこへ行こうと思うのだが、少し時間が取れるかね」

「いやあー、来てもらわなくても、私の方から行きますよ」

「いやいいよ、ちょつと内密な相談だから」

と言う訳でA議員が研究室に来る事に成った。

 

A先生と言えば県会の実力者で議長経験も長く、恐れ多いと思ったが、

来るというので部屋で1時間位待っていると、汗を拭きながらやってきた。

A先生とは電話で1~2回話したことは有るが、直接会うのは始めてで、

その姿はデップリと太り精力的な風貌に圧倒された。

一通りの挨拶の後に語った内容は、次のような事であった。

「実は君、変な話だが、この薬をある人から貰ったのだが、

下の方がとても元気に長続きする薬だというので使っていたら、

いつの間にか効果が減少し薄気味悪く成ったので、試験して貰いたく来た訳だよ」

外は猛暑日だと言うのに、更に熱い血の気の昇る話ではないか。

 

やおらその薬を手に取ってじっと見ると、外箱には精力持続剤と書かれて、

いかにも元気の出るような、筋肉質の男性が描かれている。

しかし肝心の成分や、効能、製造所は書かれていない。

明らかに医薬品として承認されたものではなく、一目でインチキ薬とわかった。

ともかく議会の偉い先生の頼みとなれば、むげに断ることも出来ず、

私の好奇心も手伝って、この試験を引き受けることにした。

新しい機器を使っての実験でも困難を極めたが、

やっと一週間後に主成分は局所麻酔剤の一つ、塩酸プロカインであることが解った。

 

この結果を急ぎ報告すべく、A先生に電話をした。

「先生、あの薬の主成分は局所麻酔剤ですので心配いりません。

ああいうインチキ薬は使わん方がいいですよ」

「よく解ったよ。これで安心したよ。わしはもう一生、使えなくなったかと思ったよ。

ただああゆう薬は、どんな人が使うのかね」と聞かれ返答に困った。

「よく解りませんが若い元気な人が使うと、良いのじゃあないでしょうか」と答えておいた。

「やあ、有難う。医者にも相談に行けず不安で困っていたが、これで安心したよ」と電話は切れた。

 

それにしてもどんな偉い人でも、

いつまでも元気でありたいと思う男心は皆同じだと思いつつ、

今も目尻の垂れたA先生の顔が目に浮かぶ。

              (○○県○○会誌、1984.11.1)

●「レトロ写真館」(37)  大英博物館

○正面玄関

 

○古代エジプト館  ラムセスⅡ世像